第十三話【流我】
初撃、躊躇った訳では無い。
流我はまだ成長途中であり、本人は意識していなくとも成長痛の影響はある。
裂風を外した理由もそう。
第二の点に満たない者は、戦う資格を持たない者と同じなのだ。
実戦であれば、その影響は顕著に出る。
「超えるのは…!俺だ!!」
ここで命を賭けなければ、命を得ることは出来ない。
目の前の少年に殺されても目の前の敵を討つ勇気が、
犯罪者だと罵られても進み、乗り越えて行く覚悟が、今、電流と成って牙を剥く。
(雷鳴ノ構エ!!)
命を対価とした雷鳴は静寂の街へ消えて行く。
何故負けるのか。
何故追い詰められているのか。分からなかった。
生きてきた中で一番の、命を賭した電流が、何故消えているのか。分からなかった。
だが戦わなくてはならない。諦めるわけには行かない。
俺は大勢の命を背負っているから。
(頭がスッキリする。刀の軌跡がきれーに感じる。)
少年の澱みは消えている。
(勝ち方が…分かる?)
綺麗な。とても綺麗な。
透き通る様な、黄金…。
俺はもう…休んで良いんだよな……。
流我の刀は、敵の首を性格に狙い、斬り落とした。
敵は死んだ。
流我は勝った。
「背負うよ。お前の命。」
「俺が、背負うよ。」
少年は倒れた。
青年は死んだ。
(助けられたんかな……眠い。後は、妹と師匠と…。街の人と、誰かを頼るしか無い。か……。)
片方は未来を見て、片方は今を見た。
生まれた場所が違うなら。立っている場所が違うなら。
過去は、見なかった。




