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プロローグ
本編開始以前の出来事です。
初投稿なので、間違いがあれば直ぐに修正します。すみません。
大雨の夕方。まだポツポツと人通りのある中、少女は歩いていた。
何かから必死で逃げている。そう感じさせる姿だった。
日は雨雲の影に隠れ、大粒の雨と、それを避けるための傘は、人々の視界を奪った。
こんな大雨の中、犯罪者でもなければ、傘を買うか雨宿りをするだろう。
傘も差さず、靴も履かず、ボロボロの服を濡らしながら進むのは、彼女くらいのものだ。
流石に限界が来たのか、その少女は通りを歩くよりも雨風を凌げる路地に座り込んだ。
意識が朦朧とする。熱もある様だ。
このままではいけないと分かっていつつも、少し休むだけであったのが、
どのくらいの時間休めたのかさえ分からず。
長い時が流れていく。
次第に何も考えられなくなって行き、気がつく事も無く少女は、
静かに目を閉じていった。