友との歪み
本日2投目です。
やっと物語を進展できます
ガントレットを手に入れてから1年がたった。
僕は父さんの手伝いの間にも魔力を練って糸繰術の訓練をしていた。
今はやっと3本ずつ出せるようになった。魔力も毎日枯渇と補給の訓練として、
寝る前には糸で魔法陣作成を練習している。
寝る前に、ここで魔法陣について語らせてほしい。
前世の僕は簡単に作ったのだろうが、魔法陣はこの世界であまり普及されていない。
理由は簡単で、詠唱魔法の方が発動まで短い。
また、この世界の魔法陣は効率が悪い。100の魔力に対し、詠唱で80程度。
適正が高く魔力供給が上手な人だと90程度まで上がる
無詠唱だと60程度。それに比べて魔法陣は40程度まで下がる。
これには理由がある。
この世界の魔法陣には無駄が多すぎる。
魔力の属性が不一致だったり、魔力の流れが阻害されていたりと、魔法陣は研究が進んでいない。一度、聖堂に保存されている本ほ母さんと一緒に見ていた際に、魔法書に書かれていた魔法陣を見て無駄の塊と思って落胆した。
それに比べて前世の僕は魔法陣効率が95以上にもなる。
だが、それには魔法陣を詠み解かなければならないのだ…。
書かれている言葉一つ一つに意味があり、さらに組み合わせて更に意味を拡充する必要がある。
はっきりいって9歳でこんな量を覚えられないと思ったが、さすが前世!
記憶はないけど、知識があるおかげではかどるはかどる。
おかげで、上級の魔法陣については発動することができている。
しかも、発動までにかかる時間は詠唱よりも短くなってきた。
因みに魔法には下・中・上・超・絶級がある。手帳には絶級までの魔法陣がある。
そして聖・闇魔法については絶級の上、X級があるらしい。
ちなみに聖魔法と闇魔法については超級レベルまで使えるようになった。
だけどやはり効率がまだ未熟らしく、使える回数が少ないのが難点だ。
「よし!今日の日課も終わったし、そろそろ寝ようかな」
練った魔力を開放する。今日も枯渇まで頑張ったよ。最近はかなり魔力を込め続けないと
魔力が枯渇しなくなってきた。
「明日も早いもんね…。おやすみなさい…」
~~side ???~~
マジハ村近くの街道にて
「くそっ!?囲まれていやがるぞ!」
「いつの間に!?おいっ後ろを頼むぞ!」
「わかってるよ!なんでこんなところにウルフの群れがいるんだよ!それにカイザーウルフもいやがる!」
「わ…私の荷物を守ってくれよ!せっかく雇ったんだ「わかってるよ!ったく何で寄りにもよって護衛依頼をやった時に限ってこんなことに…くっ」くそっなんでこの剣を運んでいる最中に…」
野営をしている冒険者たちの剣戟の音が響く
1刻以上の時が過ぎ…
街道には静寂と血の匂いが広がる
「…くそっ…死にたくねぇ。。。おいお前たち!?どこにいる!返事をしろ!」
血で前が見えない中、仲間を探す
「くそっ!密輸なんてやべぇ依頼なんて受けるんじゃなかった。あいつらも金に目がくらみやがって…死んじまったら意味ねぇだろうが!!」
やはり返事はない
『・・・・・・・・・・・・・・・カ』
微かに声が聞こえた
「な…なんだ?」
もしかして仲間が生きてるのか!
『タ・カ・・・・・カ』
また聞こえる
「無事なのか?どこにいる?」
周りを見渡すが動いている気配がない
『タスカリタクナイカ…?』
より鮮明に聞こえた。後ろの方からだ!
振り返り、血をぬぐうと護衛していたはずの商人の亡骸が抱えている剣があった
『タスカリタクナイカ?クヤシクナイカ?コノヨウナバショデクチハテルノカ?』
声はさらにはっきりと聞こえていた。やはり剣から聞こえている
「なんだ?お前は…?」
恐る恐る尋ねる。それもそうだろう。今まで武器がしゃべったことがあっただろうか?
『オマエホドノ力ヲモツモノガココデクチルノカ?』
剣は問いかけてくる。俺が死ぬだって?
『力ナキ友トココデクチルカ?エラバレタスキルを持ちながら朽ちるのか?』
剣の声が少しずつ聞こえやすくなる。
『その「血の渇望」というスキルを無駄にするのか?さぁ私を握れ。ともに再び歩もうぞ』
なぜ俺のスキルを知っている?これは友にも秘密にしているスキルだ。
きっと限界だったのだろう。
友と王都で一山あてようと地方から出てきた。
最初は友と一緒に切磋琢磨していたが、不思議なもので俺には才能があり、友達にはなかった。
少しずつ歪み出していたのだろう。
パーティーで受ける依頼は友にあわせ、休息日には野良でパーティーを組んで少し難易度の高い依頼を達成していた。
友はそれを知っていても特に文句を言うわけではなかった。
そんな中、今回の依頼だ。
俺達はこれを機に新しい土地で再び同じ向きを向いて頑張って行こうと決めていた。
それなのにもう俺だけだ。
何を間違えた?何を選べばよかったんだ?
気が付いたら、俺は剣を握っていた。
その瞬間 剣から何かが流れてくる。
「『フハハハハハ!依り代を手に入れたぞ!断罪を!っとその前にせっかくの餌が転がっているじゃないか…』」
鎧を纏った青年は仲間だったもの・守るべきだった商人、憎き魔物を見て喜々と笑う。
これで一緒に同じ向きを向いて歩けるぞと思いながら。
街道には不自然な金属音だけが響く。もう血の匂いがない。
「『さぁあちらに人々の気配がするな。参ろうか血を求めて!』」
金属音はマジハ村へと向かっている…
歩む先に新しい活躍の場があると信じて…
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