新たな始まりのために
連投です。
次回から本編になります。
『君には別の異世界に行ってほしい。』
やはりそうか。きっと私は呆れた顔をしているのだろう。
『おや?確かに異世界となると、今までのように世界を救えって話かと思うだろう?
だけど今回はそうじゃない。ボーナスステージさ』
そういって女性は椅子の上に立って
『それに、君は死んだ身だ。異世界に行くという考えのではなく、別の世界に生まれ変わってもらう。その際、君の要望にある程度応えるようにしよう。』
ふむ。悪くない提案だな。召喚ではなく生まれ変わるということか。
「いくつか質問してもよいだろうか?」
『構わないよ』
「使命は?」
『ないよ』
「どのような世界だ」
『1つ目のような魔法やスキルが存在する世界だよ』
「スキルなどの引継ぎは」
『すべては無理だね。別の世界を壊す気かい』
「固有スキルは」
『昇華・四神眼・王族の庭だったかい?それも無理だね』
「引き継げるものはあるのか」
『…そうだね。なら君が救った世界の数だけ引き継いでいいよ』
「それはありがたいな、どのような立場で生まれる」
『要望に応えよう。性別も指定できるし、どこかの貴族の長男でも、スラム街の一人でも望み通りに』
「なら普通の平民でかまわない。…とりあえずはそれで充分だ。」
『それはよかった。スキルについてだが、大盤振る舞いの6個選ばせてあげよう』
「……昇華したスキルは?」
『そうだね~それは二つで一つだね。そもそもそういうスキルだろ』
「記憶は引き継げるか。」
『必要なら可能だね。引き継ぐかい?』
「いや、引き継がない。知識だけは?」
『知識だけでも可能だよ。記憶がいらないとなると…よしスキルは10個にしてあげよう』
「私の記憶にそんな価値があるか?」
『スキルを駆使した力を使う際に、記憶は大事だよ。尋問や拷問など手加減が必要な時とか、限界を知っているといないとでは差が出たりするだろ?』
なぜそんなチョイスをする…
「それもそうだな。了承した。」
『じゃあ好きなスキルを選ぶといいよ』
そういって目の前に数えきれないほどのスキル群が並ぶ。
なんだこの異常な数は…よく見たら全部私のスキルだ。
改めてみると多いな。これとかいつ手に入れたんだ?
「ふむ…。ならこの10個にしよう。」
そういって手早く10個のスキルを選択する。これさえあればきっと大丈夫だろう。
『早いね~。見せてごらん?ふむふむ…。おやこれは珍しいスキルだね。使っていたかい?』
確かにそのスキルは珍しいだろうな
「いや、召喚が終わってから自主練習で使っていただけだ。」
『ふ~ん じゃあ次に引き継ぐものだけどどれにする?』
「では、これらをお願いしたい。」
そういって王族の庭から引き継ぎたいものを取り出す。
『了承だ、ちなみにだがこれらの道具は引き継ぐタイミングはどうするかい?』
そんな優遇もしてくれるのか…
「では、これらはこのタイミングでお願いしたい。」
そういって各自引き継ぐタイミングを伝える
女神は思い出したかの様に、
『知識についてだけど、戻すタイミングは手帳を引き継ぐタイミングにさせてもらうよ』
さも当然のことのように伝えてくる
「…それはどうしてだ?」
私は同様を隠して訪ねる
『なんでって。乳くらい知識がない状態で吸ってほしいじゃないか?
それに君おっぱい大好きじゃないか。大小構わず』
……ばれているだと…
『君の知識の1割くらいはおっぱいだろ。そんな知識は赤子には必要ない』
断定されてしまった
「だが…『必要ない』あれには…『必要ない』ゆめ『必要ない』…くっ、分かったそのタイミングで頼む」
断腸の思いで決断する
『はぁ…やれやれ…おや?そろそろ時間かな。準備はいいかい?』
そういうと私の身体が光りだす。
「あぁ…そろそろなんだな、つぎこそは自由にいきていくよ」
彼女は笑って
『あぁ今度こそ君の人生だ。好きに生きてくれ。さようなら救世主』
そうして私の目の前が真っ白になっていく。
………
…
~神々の世界~
『行ってしまったか』
椅子に改まって腰を下ろす
【ぐっ、あ…あの聞いてもよろしですか?】
椅子が声をかけてくるの。今日の私は機嫌がよいので聞いてあげよう
『いいよ。なんだい?』
【引き継ぐ道具に手帳がありましたが、中身は大丈夫でしょうか?
彼が引き継いだスキルの中に魔法関係は「聖・闇」魔法だけです。ですが、私の世界では賢者でした。
賢者のとかの魔法を2つ目の世界でも使っていましたが、とある事情でスキルは消失しているのに使えていました。その理由がその手帳にあるのではないでしょうか?】
椅子のくせに考えているな。
〈そうです!あのものは私の世界でも魔法を駆使しながら戦っておりました!〉
机も声を荒げて伝えてくる
『ふむ、本来は禁止だが確認してみるか。』
そういって引き継ぐための手帳を開く
『…ふむ。……なるほど。………ほう。…………これは…。ははっ…これは確かに引き継ぎたいね。スキルを消失してなおこれなら、問題ないだろうね。』
そういって手帳を置く。彼女は冷や汗をかきながら
『これがあれば、固有スキルの一部を賄える。それに他にも引き継がないスキルも使えるようになるね~。あの子はほんとに自由に生きられるのだろうかね』
遠い目をして、紅茶を嗜む
【そのための隠蔽かと】
申し訳なさそうに椅子がつぶやく
『お前の世界で得た力がすべての元凶なんだがね』
【うっ…そうですね】
『過ぎたことは仕方ないよ。さぁ私たちの世界の管理に戻ろう。
再び彼が神の世界に巻き込まれないことを願ってね』
そういって彼女たちは各々の世界に帰って行く。
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