試験開始1
切りのいいところで切りましたので少し短めです
試験会場はかなり広く、1000人くらいは余裕で入る規模だろう。俺は決められた席に腰かける。受験には、不正対策のため、ペンなどは学校側から支給される。
まもなく試験官が入ってきて、筆記の説明をして、答案用紙を配り始める。
俺のだけ青い表紙だな…?まぁいいや。
試験官がはじめの合図を出し、テストが始まる。
答案の中身は…四則演算に始まり微分積分や歴史、魔法学と広範囲に及ぶ。
にしても…簡単な問題ばかりだな。これでは順位付けできないのではないか?
さらさらと問題を解いていく。最後の問題に差し掛かったが、まだ1刻しかたっていない。
後半分もあるのか…まぁ最後の問題をゆっくり解けばいいか。
最後の問題は魔法陣の問題だった。俺は愕然とした。
発生する魔法自体は一瞬で解った。だが、内容に絶望を禁じ得ない。
注入する魔力が不一致、流れを阻害する文字、無駄な文字、無駄に大きい陣。
ほとんどが無駄で不必要だ。俺なら、この1割の魔力で使える。こんなの上級を使う魔力で中級のしょぼい魔法を使うのと同等だ。
…嘗め腐っているな。
この学院の魔法陣知識を痛感しながら、解き終わる。
あぁ~暇だな。周りはまだ解いている途中らしい。この程度で悩のかな?
ボケーっとしていると、後報で監視していた試験官がやってきて、
「そこのお前。もう諦めたのか?」
「いえ。もう終わりました。」
「これだからハー……なんだって?」
驚きながら、試験官が見てくる。
「ですから、もう終わったんですよ。」
回答済みの答案を渡す。
「バカな…確かに全部記入してある。…だが所詮は当てずっぽうだろう。採点してみればわかる。本当にこれでいいんだな?」
疑うように見てくるが、
「構いません。もう、問題ないので、退室してもいいですか?」
試験官は止めるように
「まぁ待て。採点はすぐ終わる。先に貴様の点数を張り出し、貴様が実に愚かなのか知らしめてやらないとな」
俺をバカにするように試験官は会場の檀上に向かい別の試験官と話し込みに行った。
少ししてから、別の試験官が不思議な魔道具を掲げて
「皆さん!試験の進捗はいかがでしょうか?言い忘れていましたが、もう問題をすべて解き終えて自信のある方は申してください。こちらに来ていただき、即座に採点し、点数を張り出すことができます。」
どうやら、早めに試験が終わった人への措置らしい。少しでものんびりしたいのであれば、先に採点してやる。その代わり、点数は公表されてしまうけどな。ってことだろう。
「そして、手始めに先程、回答が終わったと自信満々にもってきた受験者がいました!採点してみますので、皆さんも見てください」
自信満々ではないが、間違える余地のない問題ばかりだ。
「受験者は前へ!」
呼ばれたので前に出る。
「よろしいですね?それでは採点します。」
試験官は、魔道具に俺の答案を乗せる。そしたら魔道具には採点後の点数が浮かび上がった。
数値は[100/100]だった。
試験官達は驚きながら
「…!満点だと?専門分野以外は私達ですら解けない問題がある青試験紙が…」
一瞬教員としてどうかと思う言葉が聞こえてきた気がする。
周囲からは
「満点だと…?」「あの子ってさっき揉めてた…」「私まだ半分も…」
といった様々な声がする。
他の受験者などはどうでもいいので、
「退室してもいいでしょうか?」
我に返った試験官は
「えっ…?あぁ…!あぁいいですよ。次の魔法試験は他の受験者が終わり次第アナウンスします」
と退室を許可してくれた。
きっとこの後もほとんどすべての受験者が採点してもらい魔法の試験は早まるだろう。
そう思いながら退室し、受験会場を後にした。
「続きが気になる」と感じていただいたら、下の☆の評価をお願いします。
★★★★★:★の数が減らぬよう精進して参ります
★★★★☆:★の数を増やせるよう一層努力します
★★★☆☆:一つでも★の数を増やせるよう頑張ります
★★☆☆☆:一つでも★の数を増やせるよう頑張ります
★☆☆☆☆:評価を糧に「続きが気になる!」と言わしめるように頑張っていきます。
ブックマークも頂けると更に頑張れます。