「さとう」と「油」
ミステリーっぽい何かです。
これは私が高校生の時の話です。
良く晴れた秋空で、私は自転車に乗り学校に向かって居ました。
と言っても、私は電車通学で、駅まで自転車、その後電車で学校の最寄り駅まで、そこから歩きと言う感じ。
なので正確には駅に向かって居ました。
当たり前ですが、自転車は駐輪場に置いて置かなくてはいけません。
私も例に習い駐輪場へ自転車を置きに行ったのですが、その時にご近所の佐藤さんに会いました。
所詮はご近所、されどご近所、私は日頃からご近所付き合いは心がけて居ます。
なので佐藤さんの事も良く知っています。
とは言えこちらは、そして恐らく向こうも、通学(通勤)中の身、その時は軽く挨拶して終わりました。
時間を飛ばして、帰宅中。
当然駅から家まで自転車です。
部活に所属している私は帰りも遅く、空は暗くされど澄んで居ました。
ところで、私が住んで居る場所は、都会と言えば都会でした。
都内へ向かう電車の通る、所謂ベットタウンでした。
そして悲しい事に急行や特急の止まらない鈍行限定の駅でしたし、街頭は駅周辺に何台かと言った感じでした。
なので都会と言えば都会でしたが、胸を張って都会とは言えませんでした。
此処で話を戻しますが、
前述の通り私の地元は街頭が皆無でした。
そして其れは、駐輪場も同じなんですよね。
暗い中頑張って自分の自転車を探さ無くてはいけません。
とても苦行でした。
最も慣れましたが。
そんな訳で、真っ暗い中でも自分の自転車を見つけ出した私は、家に漕ぎ出しました。
またもや時間を飛ばして、家です。
家に着いた私は、夕飯を食べその後は趣味の時間です。
因みに夕飯は揚げ物でした。
当然脂っこいくて、高校生の私としてはカロリーが気になるところです。
でも大丈夫です。
何故なら、私の趣味は散歩です。
張り切って脂ぎったカロリーを消費しましょう。
なので、その日も散歩へ出掛けて行きました。
行先は駅です。
正確には駅周辺を適当にブラブラしようと考えていました。
何せ駅は街頭が有りますから、散歩がし易いのです。
そしてついさっきまで居た駐輪場へ辿り着きました。
別に意味は無いです。
なんと無く駐輪場へ向かいました。
しかし此れが全ての間違いでした。
暗い筈の辺りが急に明るく成り、次に熱を感じ、気付けば逃げて居ました。
火です。
駐輪場で火が燃えています。
有る程度逃げて冷静になった私は、どうしようかとパニックになりました。
消火器?場所知らない。家に帰る?流石に其れは不味いでしょ。電話する?これ一択だったわ。
って事で、消防へ急いで電話。
他に出来そうに無い私は、少し離れた場所で火の燃える様子を見ていました。
不謹慎ながら綺麗でした。
暫くして消防隊が駆けつけ、程なく火は消えました。
夜だった事もあってか、負傷者は誰も居ませんでした。
しかし、これで一件落着とは成りませんでした。
その次の日、警察が家に来ました。。
理由は当然昨日の件でした。
火元が、自転車の間に置かれた『灯油の掛かった新聞紙』で、放火の可能性が高いそうです。
「何故あの時あの場所にいたのか。」や「誰か不審者を見なかったか。」などを聞かれました。
何故居たかに着いては正直に、「散歩してた」と答えて、目撃については「見てない」と答えました。
その日は其れで終わりました。
それから暫く、1週間程経った頃でしょうか。
またもや私の所へ警察が来ました。
用件は改めてあの時の事を聞きに来る事でした。
しかし私は何も話す事は有りませんでした。
事件直後に全く同じ事を聞かれたからです。
だから私は聞き返しました。
「何故同じ質問をするのですか。」
警察の方は暫く考えた後、
「正式な発表までは極力広めないでください。」
と言いつつ教えてくれました。
「隣の街で放火が有りました。今度は住宅です。そして其処に住んで居た82歳ぼお婆さんが死にました。火元は『灯油の掛かった新聞紙』です。警察は今回の事件を1週間前の事件と同一犯の可能性も考えています。其処で貴方に改めて何か見てないか聞きに来ました。」
当然衝撃を受けました。
何せ人の死です。
ボヤ騒ぎとはレベルが違います。
笑えません。
『綺麗』とか言っていられません。
私も捜査に協力出来ないかと、あの日の事を思い出しますが、出て来た答えは結局「何も見てません」でした。
警察は「何か思い出した事が有ったら、こちらに連絡を下さい」と言いながら、名刺を渡して来ました。
その後「それでは失礼しました。」と言い去って行きました。
名刺には名前や電話番号などが書いてありました。
名前は佐藤と言う様です。
ご近所さんと同じ名前ですが、良くある名前です。
偶々でしょう。
その後は、平穏な日々でした。
隣町で人が焼けたりした方がおかしいです。
平穏と言うより、在るべき姿というべきでしょう。
因みに放火犯ですが、無事捕まったそうです。
防犯カメラにバッチリ写って居た様で。
ただ駐輪場の方は捕まって居ません。
街頭が無いのに防犯カメラがある訳無いですよね。
事件は闇に葬られました。
まぁ、人殺しは居なくなったので大丈夫でしょう。
これで安心出来ます。
これでこの話は終わります。
オチですか?
残念ですが用意してませんので、ちょっとしたゲームでもしましょうか。
2つ用意しました。
1つ目
この話はの中で、「さとう」と「油」が出て来た数はいくつでしょう。
2つ目
駐輪場を燃やした犯人は誰でしょう。
犯人はもう出てきて居ますよ。
1つ目は分かるでしょうけど。
2つ目は分からないだろうな。
最も上手く文章書けたら、伏線で推理出来るんだろうけど、私には難しいですね。
まぁ、当たったら当たったで問題が有るので、良いですけどね。