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ラペルト自由商王国を目指して

お久しぶりでございます。

ちゃんと生きてますし、ちまちま書いてます!

 私達はその後、拠点へ帰りこれからの予定を話し合うのでした。


 それにしても聖域にあるお屋敷とは一体どんなところでしょう? 3次元マップで見せて頂いた感じだと、かなり素敵なお屋敷でした。


 ただ、元々申請していたお城と比べると規模がかなり小さくはあります。


 そんな事を考えている間に現在の仮拠点へ戻って来ていました。行きの不安感に比べて帰りの気楽さとはこれイカに? と、思ってしまうほどです。


「それにしても深く国と関わることは問題ではないのですか?」


 そう言うとクオンさんは小さく苦笑しながら「そうだね」と、肯定的な返事を返してきます。しかし、どこか歯切れの悪い雰囲気があるのは自身が結構ガッツリと関わっているからなのでしょうね。


「本来は早々関わるなんてことはあり得ないと思うんだけどね。管理者側からの要望もあるし、そもそもが問題であれば――」

「運営側が何らかのストップをかけて来るってことよ」


 と、るーこさんはクオンさんの言葉を遮ってそう言いました。


 確かに他国ではもっと国の上層部に入り込んでいるプレイヤーもいるという話でしたから、それに比べればマシなのかもしれませんし、管理者たる運営に関わっている人も黙認しているとなれば、気にする必要も無いと言うことなのでしょう。


 それにしても、国のトップであるナツェーリア様からお友達になって欲しいと来るとは驚きでしたね。


「そういえば、ナツェーリア様とフレンド登録したのですが……問題ありませんよね?」


 普通に考えるとこの世界の登場人物とゲーム内システムでフレンド登録出来るという不思議なことが今現在起こっているわけで、正直なところ判断にとても困っています。


 しかし、それを聞いた皆様は苦笑しつつも問題無いという反応を返してきます。


「まぁ、気をつけないといけないのは丁寧に返事を返していると面倒な事になるから、それだけは注意が必要かな」


 と、クオンさんは言いました。私はどういう事か分からずに思わず首を傾げるとるーこさんが小さく笑うのでした。


「ちゃんと話しておいた方がいいぞ愚弟クオン。姫様が送って来たメッセージにすぐに返事をすると怒涛のようにメッセージが来るから気をつけないとダメなのよ――もう、戦闘中であろうが、ゆっくりと風呂に入っていようが、現実リアルでゆっくりしてようがメッセージやメールが来るから適当に相手をしないと本当に面倒なんだから」


 るーこさんはそう言いながらも、どこか楽しそうな雰囲気でそういうのでした。正直、私にメッセージが来ても即座に返事をするのは難しいとは思います。


 と、いうか現実世界でもメッセージやメールが来るというのはなかなかに理解不能でした。


「とりあえず、今は深くは考えないようにします」

「ま、それでいいか」


 るーこさんはニヤリと悪戯っぽく笑みを浮かべ楽しそうにしていたので、私はそれを見て癒やされつつ、今後の事で気になっている点を質問します。


「こちらの時間で数日の間こちらに来れない人は仕方ないとして、このタイミングでこちらに来ているハズの、みゃーとカレンさんはどこかへ一緒に出かけましたよね?」


 みゃー達は何やらどこかへ行くと出かけて行ったのですが、戦争に参加していたりする場合は数日――ゲーム内時間でですが――戻ってくることは難しいでしょう。


「そこは大丈夫で御座ろう。我々が彼女らの分も用意しておけば済むで御座ろう。用意に最低でも2日は必要だと考えれば予備1日あれば戻って来るはずで御座る」


 と、名斬さんは楽しげな雰囲気でそう言います。どうやら忍者さんは色々と事情を知っているようですね。私は美弥からは何も聞かされていないので少し胸がチクリと痛みます。


 ここしばらく、美弥と会話さえしていない。特に喧嘩をしているわけでも無いけれど、どこか避けられているようにも思えました。なんとも寂しいと感じる私は我儘なのでしょうか。


 ともかく。美弥達が戻って来た時に笑顔で迎えようと思いながら、名斬さんに「そうですね」と、答えておきます。


 そこから、嵐のような数日間を過ごし、旅の準備を行い予定より1日多く掛かってしまい、結果としてカレンさんや美弥達にも手伝って貰ってようやく出発となるのでした。


「うん、まさか予定より一日オーバーするとは思ってなかったよ」


 と、クオンさんが苦笑しつつそう言います。しかし、そもそもクオンさんと名斬さんの所為で遅れが出る原因となったのに、さも自分は関係ありませんという雰囲気を出すのは何ともいただけません。


「クオンさん達が変なこだわりを見せなかったら一日余分に掛かることは無かったと思うんだけどなぁ」


 そう言ったのはみゃーです。流石は私の可愛い妹、しっかり言うところも何とも可愛いのは言うまでもありません。


「変に凝り性だからな愚弟(クオン)は――いや、うちの創作チームは変態ばっかだからな。ある意味、作戦上起こり得た事態といえるわね」


 と、ため息交じりにるーこさんがそう言いました。彼女にそう言われると仕方ないと思えてしまうところが罪なところです。確かに必要性を問われて認めてしまった私のミスでもありますが、そこまでする必要があったのかと正直思ってしまうのも仕方ないでしょう。


「それにしても、ただでさえ人数少ないのに二手に分けてもいいんですか?」


 そう聞いたのはみゃーです。今回、クオンさんと味噌汁ミソスープさんが立案した作戦でラペルト自由商王国へ潜入を試みる手として、部隊を二つに分ける提案をされた。


 途中までは全員でNPCの商隊を装って進み、国境近くで私、るーこさん、みゃーの三人は別働で山岳地帯から森を抜けてラペルト自由商王国へ入り、残りはそのままNPCの商隊という形で現地で交易を行いながら、目的地へ向かう予定です。


 特にナツェーリア様からの依頼では調べるだけで、極力戦闘は行わない方向で頼まれているし、正直なところを言えば戦争の布告というのは難しくありませんが、行うためには人数が必要となるのです。それが小規模戦闘であったとしても、最低でも布告許可に3名必要で面倒な交易を行う面子と戦闘と山野で素早く行動出来る面子とで別れる事にしたのです。


 別動隊として私、るーこさん、みゃーが選ばれた理由は当然、山野で自由に動ける事と途中の街など人が多くいる場所に入る必要が無い事。出来るだけ短い期間でラペルト自由商王国の首都であるランペルトへ到着する事が私達の目的となります。


 そうして、出発した私達ですが、私、るーこさん、みゃー、カレンさんの四名は旅商人に扮装している馬車の荷物として退屈な時間を過ごしていた。


「実際に商会を作ってまでする事なのかしら?」


 そう言ったのはカレンさん。私もそれは思うところですが、クオンさんと名斬さんは絶対に必要だと頑なでした。そして、余分に時間が必要だったのは商隊として動くためのNPCに扮した装備を新たに作成していたからで、クオンさん、名斬さん、カレンさんは睡眠時間を削りに削って――と、言ってもリアルな時間でいえばほんのわずかな時間ですが、ゲーム内の時間で考えれば一日というのは普通に一日です。


 当然、私は規則正しく寝起きさせて頂きました。


「ま、やるならとことん! ってのは私達のポリシーだからね。特にクオンと名斬がやるって言い出したら聞くわけもないでしょ?」

「ま、それはそうね――にしても、見た目はウィンブレール共和国の商人っぽい感じにはしたけど、装備的には一応は最高級品に仕上たわけだけど、なんだか凄く無駄な事に巻き込まれた気持ちが強いのよね。もっと可愛いい感じだったら、私も萌えたのに」


 と、カレンさんは溜息を吐きます。私達が装備している戦闘衣装バトルドレスの殆どはカレンさんとクオンさんの手によるもので、二人ともこういった衣装を手掛ける専門職でゲーム内だというのにその拘りは本当に驚かされるばかりです。


「あ、そう言えば次の私の衣装デザインってカレンがするんだって?」

「――ええ、ゲーム内の組み込みはクオンがするから、私はデザインだけよ?」

「でも、現実リアルでも作るんでしょ? 誰が着るのかは知らないけど」

現実リアルで……ですか?」


 私の思わずの呟きに良い笑顔でるーこさんが私を見る。そして、カレンさんは小さく溜息を吐く。


「まぁ、それはどこかのモデルかコスプレイヤーがイベントで着るんでしょうね。私も詳しくは知らないけれど」


 正直言って、私には無縁といえるイベントではありますが、美弥は行きたがるでしょうね。そんな事を思いつつもるーこさんとお揃いの衣装というのは――意外と楽しいかもしれないと思わなくもない。うん、悪くはありません。


「でも、私も着てみたいなぁ」


 そう言ったのは美弥でこういう事を素直に言える本当にいい子なところが何とも可愛い妹なのです。二人でお揃い――でも、眞理亜さんとお揃いと考えると少しだけ自分の醜い独占欲が出てきますが、私は深くゆっくりとした呼吸でそれを押し込めて微笑みます。


「それにしても、荷台に押し込められてるって思うと微妙な気持ちになりますよね」

「確かに、それはそうね。まぁ、揺れとか狭いとかが無いだけ全然マシだと思うけどね」


 と、みゃーるんの言葉にるーこさんが答えます。確かに本物の荷馬車と比べると、全く揺れないし、荷馬車の荷台といっても本来の空間よりも広く、フカフカのクッションを敷いてあるので快適そのものです。


 しかも、移動速度もかなりのスピードが出ているらしく、本物の馬車であれば数週間掛かる道のりを半日で踏破出来るという自慢をクオンさんがしていました。


「残念ながらホロで外の景色なんかも見えませんから、時間間隔も狂いそうではありますね」


 と、私が言うと皆もそれに同意します。ゲーム的な話をすると、外との空間とは別空間扱い――街中の建物内などと同じような括りだそうです。残念ながら私には仕組みはよく分かりませんが、処理的な関係上外の景色を反映しないような造りだからこそ快適さが保たれているらしいです。


「まぁ、でもゲーム内で広い世界を移動だけで結構な時間が必要ってだけで本来はアウトなんだけどね」

「そうですよね、普通はファストトラベルとか絶対にありますからね。このゲーム、戦場までも自分達で移動するとか()()はありえないもん」


 みゃーはそう言いましたが、正直、私には全くよく分かりません。ファストトラベルという言葉も理解出来ていない私に気が付いたカレンさんが説明をしてくれる。


「面倒な移動時間とかをグッと短縮する機能で一応、このゲームにも存在はしているけど、限定的な場所のみ転送で一瞬にして移動する機能よ、ちえるん。世の中には人との会話とかも面倒で飛ばしたいなんて人も結構な割合でいるから、別のゲームだとイベントスキップみたいな機能があったりもするわ」

「物語を楽しんだりするのも、楽しみの一つでは無いのですか?」


 そう言うとるーこさんが微妙な表情を浮かべて「ん~」と、唸り声を上げます。


「それもゲームによるって感じな部分はあるわね。物語を追体験する目的のゲームでイベントスキップするのはどうなの? とは思うけれど、対戦ゲームなんかで、イベント会話より早く対戦させてよって思う場合があるからね――と、いうかある」


 そうやって自慢気に言うるーこさんですが、そこは少し違うような気もしますが、実際にゲームや場面によってはそういう風に思う人というのが少なからずいる。と、いうことなのでしょう。


「ま、ともかくよ。このゲームは移動にしても他の部分も他のゲームではやらないような事を結構やっちゃってるから、他のゲームをプレイしたら驚いてしまうかもね」


 と、るーこさんは悪戯っぽい微笑を浮かべるのでした。うん、いつ見てもその笑みはとてもズルい。そんな事を思っていると、クオンさんから音声チャットが聴こえる。


『そろそろ第一目的地に到着するから、気をつけて』

『大丈夫よ愚弟(クオン)。誰も寝てなんかいない』

『まぁ、ならいいよ。後、5分くらいだから』

『はいはい、りょーかい』


 そんな姉弟のやり取りを楽しく聞いている間にどうやら目的地に到着したようで、何となく移動しているんだという揺れが止まる。


『出て来ても大丈夫で御座るよ』


 と、名斬さんの声が聴こえ、皆と視線を合わせて頷いてから荷台から外へ出る。


 そこはラペルト自由商王国の近く、実際は戦闘大陸と商王国に繋がる通路の近くであり、NPCが使う街道の近くにある森の傍に位置します。そして、私達も今回は目立たない事を主目的に作られている装備に変更をします。


「中世ファンタジーっぽい世界観なのに、この迷彩柄の服装はなんだか奇妙な気がします」


 私がそう言うとカレンさんが「そりゃそうよね」と、言いながら荷物のチェックを行っている。現実世界リアルでいえば、重たい装備を背負ったりする訳ですが、この世界にはインベントリがあるので手持ちの装備は基本的に戦闘時以外は必要がありません。


 その為になんだか見た感じ、少しだけ物寂しい気がするのです。


「一応、服自体はゲーム内のNPCっぽい雰囲気に合わせてはいるけどね。因みに迷彩柄を推したのはクオンだからね?」

「あいつ、光学迷彩組み込もう的なこと言ってたから教育的指導しておいたわ。全く、違法改造しようとするんじゃないってね」

「迷彩柄は違法じゃないんですね?」


 その言葉にるーこさんは首を傾げ、少し考えているのか「むぅ」と不思議そうな声を上げます。正直、私としては何がアリで何がダメなのかよく分からないところですが、違法改造がダメなのは当然分かります。


「一応、この迷彩はデジタルパターンじゃなくて、ちゃんと染めてるから違法制作では無いわよ。そもそも初日に味噌汁ミソスープとクオンがノリで言って大量に作ってあった染布だから、バリバリ合法素材よ」

「あー、そう言えば使いどころも世界観もぶち壊しじゃないってツッコミ入れた記憶があるわ」


 と、るーこさんはポンと手を叩く。確かに違和感がすごいですし森の中以外だと逆に目立ってしまいそうな気がします。


「あと裏ワザだけど、色変え用のアイテムを使えば一発で別の色に変更出来るから色々なカラーの迷彩を使えるわよ。ただ、色変え用のアイテムは正式サービス後は課金アイテムになるらしいわ。いま、手に入れにくいような形になってるのはそれが理由だそうよ」

「カレン、それってどこ情報よ?」

「ちょこ」

「ああ……嫌な事聞いたわ」


 るーこさんは大きな溜息を吐く。ちょこさんはこのゲームにおいては管理者という立場でGM? と、いう職業の方らしい。しょこらんさんとは双子みたいな? なんだかよく分からない人です。


「俺達はそろそろ行くけど、皆大丈夫かな?」


 と、NPCの商人風な姿のクオンさんがこちらにやって来てそう言った。よく見ると結構な違和感がありますが、よく出来ているとは思います。


「なんだか、胡散臭いわ」


 るーこさんはそうハッキリ言うとクオンさんは「そうかな?」と、首を傾げた。けれども、るーこさんの言葉は間違っていないでしょう。どこからどう見ても胡散臭い雰囲気がタップリと出ています。


「シッシッシッ、胡散臭い方がいいんじゃないッスかw」

「意外とその方が交易も上手くいきそうな気がするで御座るな」


 と、より胡散臭そうな雰囲気の味噌汁ミソスープさんと、妙に馴染んでいる名斬さん。名斬さん、馴染みすぎで逆に恐ろしくなりますね。


「さて、そろそろ出発しますか」


 るーこさんはそう言いながら大きく伸びをし、その後に短刀を二本取り出して背中のベルトに差す。私もコクリと頷いて彼女と同様に短刀を二本を背中に差し、鉈を腰のベルトに付ける。


 カレンさんは大き目の和弓みたいな弓を担ぎ、みゃーはメイスを腰のベルトに下げた。


 ここから私達は森を抜けて山岳地帯を通ってラペルト商王国の首都ランペルトを目指すのでした。

ちえるん「カレンさんはナイフの類は持たないのですか?」

カレン「別に……いらなくない? それにスキル類も取得してないし」

みゃーるん「んー、私もインベントリにはあるけど、手元にあった方がいいかな?」

るーこ「ま、私とちえるんがいるしいいでしょ」

ちえるん「――そうですね。でも、皆さんナイフくらいは持っておいた方が便利ですよ?」

カレン「そういうもの?」

ちえるん「ええ、解体する時や採集する時に必須ともいえます」

カレン「お、おう……」


なんだか微妙な反応……( *‘ω‘ )(‘ω‘ *(*‘ω‘ *(*‘ω‘ * )そ、そうかな?



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