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モンハウと荒狂うモノ その2

「知ってた? クリスタルドラゴンの正式名称『荒れ狂うモノ』だって。それ、名前じゃないでしょ? とか、思っちゃたわ」


 因みに因んじゃいます。るーこさんが、凶悪な巨大でどう考えても目立っちゃう輝きを放つ水晶で出来た鱗を持つドラゴンを引き連れてやって来た時の一言です。


 現状、ドラゴンよりも厄介なのは共に逃げているワイバーンもどき……こちらは正式名称『スカイサラマンダー』だそうです。ワイバーンじゃないけど、どうみてもワイバーンだとプレイヤーの間ではワイバーンもどきで通っているそうです。


 彼等は私達珍客の相手もせずに大混乱。私達は魔素溜りのある方角へ人夫や傭兵の皆さんを逃がして、余裕があれば陣地設営をお願いして、るーこさん達と共にワイバーンもどき達に紛れてドラゴンを引っ張ります。


 ただ、ワイバーンもどきも混乱しているといっても敵として私達を認識しているらしく、タイミングを見計らって攻撃してくるので、とても面倒です。


「と、いうかなんで二匹もいるんですか?」

「雌雄で一組ってヤツみたい。あ、ブレス来そうだから左右に展開! みゃーるん! 盾では防げないから気を付けて!」

「りょー!!!」


 そんなやり取りをしながら、私達はワイバーンもどきを処理しつつ左右に展開する。


 次の瞬間、森を一直線に光線が走り、一呼吸置いて光線が通ったところが氷とも水晶ともいえない何かに変容する。当然、巻き込まれたワイバーンもどきも多数固まって地面へ真っ逆さまに砕け散りました。


「威力おかしくないですか?」

「うーん、だよね。怖くてさすがに攻撃は喰らえないから、避けるのに徹してるんだけど……あのタイプは防御不能か防御してもデバフ……まぁ、デメリットな効果付きってヤツ」

「って、いうか何度目か分かってるッスか? 姐さん、アイツ等通常のクリスタルドラゴンじゃないッスよ? 亜種か変異種、または古龍種ッス。レア系ボスを引くのは良いッスけど、アレだけはダメッス! 公式が言ってたじゃないッスか、現状では倒すことの出来ない高レベルモンスターが存在するってぇー!!!」


 ミソスープさんはドラゴンの大ぶりな前脚による攻撃を器用とは言えない……いえ、必死に躱しながら叫ぶように言いました。


「古龍種かぁ、やっぱり現状は倒せないのか」

「レベル差、酷いわね……Lv120とかって、頭おかしいんじゃない? 私達の中でも一番レベル高くて30くらいよ? しかも、レベルキャップ40だし。無理ってほどがあるんじゃない?」


 カレンさんがドラゴンから逃げつつ望遠鏡を覗き込みながらそう言った。


「やっぱ、敵に押し付けて損害だけだして、混乱に乗じて宣戦布告するしかなさそうね。アイツ等は倒して、ワイバーンもどきで攪乱しようと思ったけど……あのトカゲヤバいわ」

「ってか、トカゲじゃないッス! 目的地に行き着くまでに死に戻りするッスよ! ああー! 時間が無駄になるッスぅーーーーー!」


 ミソスープさんはそんなことを言いながら、邪魔になるワイバーンもどきを魔法で処理しつつ木々や岩などの障害物を上手く利用してドラゴンからの攻撃だけは躱していた。


「って、ちえるん。いつの間に弓なんか使ってんの?」

「こちらに来る途中からですね、意外と難しい――ですけどっ!」


 牽制の為に逃げながら振り向き様にドラゴンへ射掛けますが、硬い鱗に当たって矢はあらぬ方向へ弾かれてしまいます。これはちょっとイラっとしますね。


「全く効果ありませんね……」

「硬い系のドラゴンで且つ、レベル差があり過ぎる場合は刺さることもなけりゃ、警戒されることも無いわ」

「圧倒的過ぎますね」

「あそこまでの敵は災害みたいなもんよ……またブレス来るわよ!」


 再びブレスを放つ準備にドラゴンが雄叫びを上げて足を止める。こういうところで足を止めてくれるのはありがたいです。因みにですが、あの子達は普段から空を飛ぶわけでは無いようです。追いかける方法も完全にドスンドスンと重たい身体を揺らしながら走ってきます。


 意外と速いところがヤバミを感じちゃいますけど、走っていればギリギリ追いつかれない――いえ、正確には相手が攻撃したりするので、微妙に足が止まるだけですね。


 そして、再び激しい青白い光線が放たれ、周囲環境を氷の世界へと変貌させます。と、いうか直線的な攻撃じゃなかったら躱しようが無いような気がします。そんなことを考えていると、るーこさんが体勢を立て直してから、ドラゴンの尻尾攻撃をひらりと躱して私の近くに着地して数回転転がって起き上がります。


「ふぅ……間一髪。そだ、城までって後どれくらいだっけ?」


 ふと、るーこさんがそんなことを言いました。多分ですが、ノリでやっている所為で距離なんて測ってないんでしょうね。ちなみに北側の森にあった魔素溜りまで約200~300メートルあったハズで、そこから城までが約800~900メートルだったハズで、意外と距離があるので陣を敷くには遠すぎる気もしていたんですよね。


 で、かれこれ地下鉄一駅分くらいは走っている筈ですから――


「たぶん、後200メートルほどですね。ここの坂を登り切ったら、崖になってるハズです」

「崖は滑り降りれば大丈夫かな?」

「盾に乗ったら降りるの早くなんないかな?」

「それは流石にあぶないッス。それと崖にはドラゴンだけ降りて貰うのが一番ッス」

「そなの?」

「ええ、布告するのに自陣の設営地点に居ないと受付られないから」

「それは残念」


 美弥は意外とこの場を楽しんでいるようでなによりです。幾度か攻撃を受け止めれないか試そうとして、カレンさんに止められる姿を見ていました。


「ま、あとひと踏ん張りっスね」

「皆さん、前方にも注意が要りそうですよ。崖下には敵プレイヤーが居そうな気配がします。こういう場所ってPvPでしたっけ? そういうのが可能なダンジョン扱いって言ってませんでした?」


 私がそう言うとるーこさんがニヤリと笑う。いつもの悪戯っぽい笑みですね。


「そこは無視しても大丈夫よ。自国内のマップはPvE用に設計された場所が豊富にあるけど、基本的に戦闘大陸で戦場以外はPK出来ない仕様でこの辺りはまだそこらへんに含まれているマップだから、攻撃されたとしてもダメージは受けないから」

「そんなこともあるんですね……」


 そう言っているとドラゴンが噛み付こうと大きな口を開いて突進してくるのを私達は素早く散って躱す。さすがに二匹いると微妙に連携して攻撃してくるところが憎らしいですが、なんとか躱せる範囲内です。


「全く、激しい子達ですね。山からかなり離れていても追いかけてくるんですね」

「そうなんだよね。このゲームって、何故か魔物……特にボスクラスの奴らって執拗に追いかけてくるのが特徴なのよ。あ、戦闘大陸の中央部は基本PKアリのなんでもOK的なサバイバルで魔物も人間もやるかやられるか? みたいなところだから」

「それにも一応ルール的なものはあるんですよね?」


 るーこさんはドラゴンの攻撃をギリギリラインで躱しつつ「まぁね」と、言ってウィンクをする。うーん、簡単にウィンクしてくることろ、随分と余裕がありますね。


「よーし、出たとこ勝負、ギリギリまで引きつけて突進してきたら左右に展開かうまくすり抜けて躱してよ!」


 るーこさんはそう言いながら前進する速度を上げる。当然まだワイバーンもどきも残っているけれど彼等は崖下にいる人間に気が付き幾らかは急降下して降りて行く。


 私達の目指す崖まではあと50メートルくらいという位置です。ドラゴンは突如速度が上がった事などどうでも良いと言った風に咆哮を上げながら突進してくる。


「どうしても喰らい付きたいのでしょうか?」


 私はそんな事を思わず呟きつつドラゴンの攻撃を躱しながら崖までギリギリと言ったところまでるーこさんと共に駆ける。


「ありゃ? 気が付いたら私達だけ?」


 どうやら、みゃー達は既にドラゴンを躱して背後に回っているようです。


「連携してくるのはウザイけど二匹とも奈落へ落ちて貰うわよ。ちえるん、分かってる?」

「はい、大丈夫です。任せて下さい」


 そう言って私達は崖ギリギリに立って振り返る。


 既にドラゴン達は興奮状態でやっと獲物を喰い散らかせるといった風に瞳を輝かせを二体とも頭から突っ込んで来ます。


 私とるーこさんは勢いよく突っ込んでくるドラゴンへ向けて走り、一瞬だけ視線を合わせてからドラゴンの頭へ向けて飛び乗って巨体を駆け抜けます。


 ドラゴンは勢いを殺せずそのまま崖へ滑り落ち始めるところギリギリで私達はドラゴンから飛び降り、崖へ滑って行くその巨体を眺めます。


「気になっていたんですけど、あの翼は飾りですか?」


 ドラゴンというのだから、空を飛べるのだと私は思っていました。が、崖を滑り落ちて行く彼等は飛ぼうとさえしないのです。


「クリスタルドラゴンは種別的には地竜の系統ッス。だから羽はお飾りみたいなもんッス。一応、滑空はできるっぽいッスけど噂ではSP消費して浮くっぽくてひとつのスキルみたいなもんッスね」

「解説ありがとうございます。現状滑空もできないほどSP消費しているって事ですか?」

「多分だけどブレス系の攻撃と急突進はSP使ってたんじゃないかな?」


 と、落ちて行く竜を見るためにメンバーが続々集結です。美耶も楽しそうにはしゃいでいます。


 崖下の方からは阿鼻叫喚の声が聞こえてきます。


「何だか悪い事をしましたね」

「まぁ、これも戦略のうちってね。さっさと戻って陣を設営して宣戦布告の準備をしましょう」

「そうですね。あ、一度クオンさんに連絡しておきますね」

「よろしくー」


 そんなやり取りをしながら私達は戦争バトルの準備をするのでした。

ちえるん「放置して来ましたけど、ドラゴンさん大丈夫ですかね?」

るーこ「レベル120よ? 心配なのは相手の城の方かな?」

ちえるん「確かにお城も壊せそうな勢いがありましたね」

るーこ「って、言っても宣戦布告が受理されるまでね」

ちえるん「どうなるんですか?」

るーこ「それは見てのお楽しみってね」

ちえるん「離れてるし森も崖もあるから見えないですよ?」


お、お、お楽しみ……(*'ω')('ω'*)見えないですよね?



もいもいさんを調子に乗せるのです!

調子に乗せれば体調悪くても頑張れる気がします!


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