聞込み調査という名の買い物
いつもより、若干短めです_(┐「ε:)_
一日の残り時間の殆どを解体に費やして、私が眠気と戦う少し前に大体の方が付いた。魔物の数が多かったこともあって、ミルちゃんやクマさんも必死に解体を行っていた。解体屋さんの職人さんも大量投入して、かなりの数を捌いたにも関わらず、その日に捌き切れない魔物も多く出た。
そこに関しては後日、素材などを含めて現金化する手形を発行して貰う。
こちらでは、この手の手形が幾つもあって、その手形を発行する為に魔導機が使用されているらしいので、手形と言っても複製が非常に難しく信用性が高いようです。
因みに今回、ボスクラスと呼ばれる魔物の魔石を買い取って貰えたこともあり、必要な素材を引き取ったとしても、即金で大金貨1枚以上の資金を確保することが出来たので懐がホクホクです。一応、彼等も私達が売った素材をお金に換えると倍以上の額になるそうなので、問題無いと喜んで大金を渡してくれました。
そして、私達は一度、宿に戻って翌日のスケジュールを話てから私はベッドに倒れこんで即座に夢の中へダイブした。非現実世界で夢の中というのは不思議な話ではありますが……。
翌日、朝5時頃に起床です。
美耶はいつものごとく昨日も遅くまで起きていた筈ですから、6時までは起こさずにおいてあげます。彼女も私がそれくらいの時間に起こすこと視野に入れて行動している筈なので、そこはあまり心配はしていません。
なので、それまでは昨日あった事を脳内で整理していきます。そもそも、私はどちらでも良いけれど、るーこさん達はウォーモンガー宜しくと戦争に参加したい気持ちが随分と前に出ている状態でした。
そこに登場したのがリーリナさんの上司であるクリューヌ・フェルナリートさんです。彼はこの国の偉いさんとも繋がりのある人物で、私達の傭兵団に仕事を持ち掛けて来た人物。
一応、貴族っぽい雰囲気がある方でしたが、私達『外から来た者』に対して嫌悪感を持っているようでしたので、完全に信用するには問題があると私は考えています。
なお、調査依頼は魔素溜りにある魔鉱田にいるであろう商会達の情報で、尚且つ戦場です。今回は戦争に参加するのが目的で行動していたので問題は無いのですが、戦争の発端に第三国が絡んでいるところが問題ですね。
正直言って、国家間のイザコザに関わるのは微妙な気持ちですが、周囲はそこまで重くは考えていない様子です。ただ、この話の展開は色々と作為的すぎるので一概にクエストだろうと思うのはダメかも知れないとクオンさんは言っていた事を考えれば、全員がウォーモンガーと言うわけでは無いのかも知れませんね。
なお、るーこさんと美耶は私かクオンさんが考えるだろうと完全に思考放棄ですが、彼女達が今後全力で戦える環境と状況を作るのがこちらの役割なのですから、キッチリとこなして見せましょう。
「何にしても、例のバレリア商会へは行ってみなくてはなりませんね……」
と、私は小さく息を吐いた。
◇ ◇ ◇
朝に宿のレストランで朝食をいただきながら、今日の予定と資金が財務官であるクオンさんから配られる。昨日手に入れた資金のほとんどは財務官から傭兵団へ寄附する形で処理されたので、個人資産では無く傭兵団の共有資産となっています。
なお、クオンさんからは朝早くに資金の振分けなど細かい資料がゲーム内のメール機能で届いていたので、朝方のウチに把握した上で手を加えて送り返しておきました。
その数分後に再び資料が送られてきて、幾度もやり取りをする羽目になりました。
この赤ペン先生は思った以上に厳しい添削をする面倒なタイプだったので思わず小さく溜息をついてしまいました。
あ、リア充ハゲろとまでは思っていないのであしからず。
ただ、クオンさんはバレリア商会の事を随分と警戒している様子で、どうやって調べたのかわかりませんが、役所に卸している商品の目録なども添付されており、それについての考察なども添えられていた。
「これだけの細かい資料って以前から調べていた?」
私は思わず声が出てしまった事に気がついて、素早く美耶の方を向くと、スヤスヤと可愛らしい寝音が聞こえ、私はホッと息を撫で下ろす。
正直、起こしても良かったのですが、まだ資料を隅々まで読んでいませんでしたので、確認が終わってから起こそうと決めて、気合を入れて資料に意識を集中させました。
その後も色々と事前準備をクオンさんとやり取りをして決めたり、個別に指示を送ったりした。
結局のところ美耶を起こすのが8時過ぎになってしまいましたが、美耶はゆっくり眠れた事を喜んでいましたので、それはそれで良かったと思います。
本日はメンバーを4つの班に分けて行動する旨が伝えられる。メンバーとしては私とみゃーるん、るーこさん。カレンさんとミソスープさん。しょこらんさんとクオンさん。名斬さんは単独行動予定の全4つの班で遠征の物資を買いながら情報を集める予定。
因みに何が必要で、どこまでは自己裁量で購入して良い。また、どこでどういった情報を探さねばならないと記載した資料を傭兵団の共有ボードに貼り付けておいた。
個々人宛にメールでの指示も送ってありますが、今回は傭兵団運営の訓練でもあるのだとクオンさんに言われているので大部分を彼に任せてあります。
ただ、少しだけ私オリジナルな要素追加もしておきましたが彼はそれをみて「なるほどね」と、面白そうな顔をしていた。
(やってみろ。と、言われてるのは確かですが、良い意味半分、悪い意味半分な雰囲気でしたね)
私はそんな事を考えながらも、みゃーとるーこさんを連れて様々な商会の店舗が並ぶ繁華街へ到着する。
「で? 愚弟からは何て?」
「まぁ、一応提案は貰ってますけど、全てがクオンさんの意見のままでは無いですよ」
「それは楽しみだね」
と、彼女は悪戯な微笑を浮かべる。本当に人が悪い……私の心を乱す小悪魔を今日は2人も連れてお買い物なんて、私の寿命の幾ばくかを持っていかれそうな勢いです。
「ひとまず、私達はバレリア商会のお店に行って雰囲気を見ます」
「雰囲気?」
美耶とるーこさんがハモりつつ首を傾げる。これは破壊力がヤバみです。冷静さを忘れてはいけません……。
「え、ええ、そうです。規模感や流行っている商品や客層なんかを観察します」
「うーん、ウィンドウショッピング?」
「ええ、みゃーの言う通りね。基本的にはブラブラとウィンドウショッピングです」
「うーん、私達が欲しくなるようなモノって置いているのかしら?」
「確かに確かに! 一応、このゲームってクラフト系統が充実してるから錬金とか鍛治、裁縫とか取って自作した方が色々と揃うんだよね」
と、美耶が自身の服を少し摘んでクルリと回る。うん、そういう乙女っぽい動きも可愛い自慢の妹です。
「確かに、そうかも知れません。ただ、プレイヤーの人もどれくらい利用しているのかは情報として欲しいところですね……」
「プレイヤーとNPCの見分け方って知ってる?」
るーこさんはそういうと、私は「知りません」と短く答えると彼女は「しっしっしっ」と言って笑った。
ちえるん「名斬さんだけ、単独行動ですが……」
クオン「忍者だしね」
ちえるん「それにしては目立つような格好ですよね」
クオン「イヤァァァ! 忍者だからね!」
ちえるん「忍者ってそんな感じなのですか?」
クオン「忍者だからね」
(*'ω'*)忍者って一体!?




