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第二章

第2章[初めての仲間とチートの始まり]  



ガヤガヤと賑やかないつも通りのギルドの中、一人テーブルに突っ伏して人を寄せ付けぬオーラを放っている奴がいる・・・俺である。

 何故こんな事になっているかと言うと…

 

 冒険者登録では膨大な魔力はあったのだが魔力を操る力(魔力率)がかなり低くく魔法は使えないでしょうと受付のお姉さんに言われてしまいかなり凹んだ。魔法を使うために冒険者になりに来たのに魔法が使えないとかありかよ…。


 だがこちらの世界で生活するには金がいる。そのためにはモンスターを倒し金を稼がないといけない。  

 魔法が使えないのはかなり残念だが、仕方ない。 

 金を稼ぐために職を変えようとはしたが一度選んだら変えられないらしい。


 まぁ最悪、チームに入れてもらえればなんとかなるか…と楽観視していた。 

 

 がそれを聞いていた冒険者は魔法が使えない魔法使いの俺をチームにいれようとはしなかった。

 

 しかも冒険に出るには講習を受けなきゃいけないらしく講習を受ける金がない。


 ……踏んだり蹴ったりとはまさにこの事。

 

 まだ金貨と銅貨しか通貨は知らないし相場も分からない。

 『マジでこの先どうすればいいんだよ…』

 

 冒険に出られないとなるということは収入が無いということだ、つまりこの世界では生きられないということを意味する。

 

 とまあこんな理由で落ち込んでいたりするわけなのだが、その時俺は周りが急に静かになったことに気づかなかった。

 静まり返ったギルドの中で、よく響く一つの足音。それが俺の机の前で止まる。

 それからその足音の主は陽気な声で

 『ねぇ君?ちょーと良いかな?』と不審者みたいな台詞を言ってきた。


 話などする気もなかった俺はめんどくさいので寝ているふりをすることにした。

 『ぐうぐう』

 『ちょッ さっきまでいびきなんてかいてなかったじゃん!寝てるフリしても無駄だからね!』


 しつこい人だ、このまま聞き流そうかと考えたがあまりにもしつこいので少し話を聞くことにした。


 『はい、……何か用ですか?』


 顔を上げると一人の美少女が満面の笑みで『ねぇ、私達のチームに入らない?』と言ってきた。 

 

 『……はい?……』 

 さっきまでふて腐れていたこともありうまく頭が回らない。


 『考えなくてもいいから、さっはやく!』


 思案に暮れていると気が短いのかいきなり手を引かれて受付まで連れていかれた。


 『この人、私達のチームに入りますので申請お願いします。』

 

 願っても無いことだった。こんな俺をチームに入れてくれる人がいるなんて思っても見なかった。

 

 だが…何故俺をチームに?今のところ俺の需要と言えば荷物持ちと囮ぐらいしかない。……前者ならまだしも囮なんぞ

につかわれるのは勘弁してほしい。

 

 『あのー入る前に聞いておきたいのですがもしかして囮……なんかに使ったりしない…ですよね?』

 

 『しないよ!何でそんな事言うのさ!』    

 何故か逆ギレされてしまった。そんな事を言っている間にチーム申請が終わったようだ

 

 『さあ、とりあえずこのクエスト受けよう!この時間だと皆あそこにいると思うから』


 『あのーそちらのがたがまだ講習を受けていないので申し訳ありませんがクエストを受けるのは……』

 

 受付の人が申し訳なさそうに言ってきたがさっきの少女が講習は私たちが冒険を通して教えますのでと言い何かのシンボルを見せると受付の人は焦ってすぐに冒険の手続きを済ませてくれた。


 …聞きたいことが山ほどあったが、『じゃあ、行くよ!』と走り出してしまった。


 (まぁ後で聞けばいいか)っとめんどくさい事を一旦放り出して彼女の後を追った。……がギルドから出た時にはもういなくなっており『え?』っと言う間抜けた声が横道理に響いた。


『ごめんごめん忘れてた』

 1時間後、彼女が帰って来て早々謝られた。

『忘れてたじゃないですよ!こちとらこの街来たの初めてなんですから!』


 『だからごめんて、今度はちゃんと連れて行くから』


 そんな事を話しながら二人横道理を並んで歩く。目的地は仲間が待っている場所らしい。

 

 『それと…もし冒険者を続けようと思ってるんなら敬語はやめた方がいいよ。…他の冒険者に絡まれるからね』

 

 『分かりま……分かった。気をつけるよ』

 彼女は『うん』と頷いて俺たちはこの街の門を潜り冒険に出た。

 

 暫く行くと銀髪の小柄な女の子と大剣を持った青髪の女性が話してるのが見えた。

 二人はこちらに気づいて振り向き、俺を見つめた。…視線が痛い…。


 びっくりするほど冷たい視線を浴びせる二人に近づくと俺を勧誘した人が喋り出した。

 

 『とりあえず自己紹介から初めようか!私はリサ、そっちの銀髪の子はエリカ、こっちの青髪の子はナターシャ。みんないい人ばかりだからこれからよろしく!』


 矢継ぎ早に自己紹介を終わらせると次は俺の番と言わんばかりに俺の方を向く一同。

 

 『俺は染野霧雨といいます。そこの人にこのチームに入れと言われついて来ました。よろしくお願いします』


 自己紹介が終わると最初に無骨な大剣を持

ったナターシャと言われた女性が怪訝そうな顔で言った。


 『…リサ…自己紹介をするのはいいかコイツは使えるのか?言っておくが私は使え無いヤツと組む気はない。』


 『まあまあそういいなさんな、ナターシャ

……エリカはいいよね?』

『…いいけど…リサあまり勝手な行動は『じゃあ決まり!これからよろしくね?キリア!』

 

 『お、おい待て!私はまだ納得してな『いちいちうるさいひとだね!意見が分かれたら多数決!皆で決めた事でしょ?』

 『う…そ、それはそうだが……』


 言い淀んでるところでエリカが『ところで…キリアくん?はなんの職業なの?』と聞いて来た。それに答えたのは俺ではなくリサが『魔法使いだと思うよ』

 と言い、合ってる?と話を振ってくる。


 魔法使いは魔力値が一定値ないとなれないらしく逸材扱いされる。だから魔法使いかどうかで、チームに入れるかを決める冒険者も多いみたいだ。

 

だが魔法使いは基礎体力が低い、それを知ってて荷物持ちに選んだんだろうか?

 最初は純粋に仲間にしてくれるのかと思ったが、着用している剣や鎧を見てまずそれは無いなと純粋な期待をバラバラに砕かれた。…何より魔法使いになってまだ一日も経ってないどころか魔法が使えない魔法使いの俺をチームに入れる理由がさっぱり分からない。

 

 『………』


 『キリア?』


 名前を呼ばれて問いに沈黙で返していることに気づいた俺は急いで『はい!魔法使いです!』と返事をし、考えていたことを後回しにすることにした。



 『そっか、良かったー。チームに引き入れるのに必死だったから職業確認とかしてなかったもんね。』


 その言葉にピクッと反応する一同。さっきまでのホンワカした空気は一転肌を刺すような雰囲気を纏った二人はリサの頭と肩を掴んで『おい。それはどう言う事だ(です)?』とまるで脅迫するようにリサに食ってかかった。

 …これをきっかけに1時間の説教が始まった…

 

 『…すみませんでした…。』

そこには いつの間にか正座させられかなり落ち込んだ様子のリサの姿があった。正直二人の説教は怒りの矛先が向けられて無い俺も怖かった。つか少し引いた。

 

 でも二人が怒る理由も理解ができる。モンスターと戦うときお互いに自分の背中を任せて戦うんだ、信じられない奴に任せられるはずがない。


 すると正座していたリサが、こちらをチラッと見て『それよりも早くキリアの魔法見ない⁈』と必死に話を逸らし始めた。

 

 『確かに…新人の実力を見ておくのは必要だな…』


 意外にもあっさりリサの話に乗せられるナターシャ。

 

 

 『じゃあキリア、あれに向かって魔法撃ってみて!』


 何やら嬉しいそうにはしゃぎながら最低でも10メートルはあろう岩を指差している。岩と表現するより小さめな山と言われても信じるレベルの大きさだ。

 ……あれを破壊しろと?

…いやその前に魔法、どうやって使うの?

 

 『すみません…魔法、どうやって使うのですか?』

 俺の何気ない質問に全員が頭に驚愕の表情を浮かべていた。


 『え?…魔法使いなんだよね?』

 

 リサが皆の心境を代表して問いかけてきた。


 『はい、魔法使いです。…冒険者登録して一日目ですが……』


 最後の一言に皆それぞれがその顔に失望の表情をたたえていた。


 『えーと…あの……何かありました?』

 

皆の変わりように驚いて声を掛けるも皆んなからは『え?…あ…うん』という曖昧な返事のみでそれが更に俺の不安を加速させる。

 するとナターシャが変な空気に耐えかねて話を切り出した。

 

 『じ…じゃあ、エリカが魔法を教えてやれ。私は…[コイツの]説教の続きをしてくる。』

 そのまま引きずられて行くリサ。『え?ちょ待って!…助けてキリアぁー』と助けを求められたが…全力で目を逸らし知らないフリをした。というか俺荷物持ちなんだよね?なんで魔法教えてくれるんだろう?


 『じゃあ…キリアくん?……魔法教えるね。』

 

 『うわッ』


 いつの間にか俺の横にいた女の子に驚く俺。それを不服そうに『失礼です』と言い切られた。…いや、今のはしょうがなくない?

 そんな俺の心境をガン無視してペラペラと魔法について説明をし始める。

 『基本、魔法使いは魔力を火、水、土、風、雷、の五つに変換して戦う。でも最初から属性が使える訳ではなく習得するのに時間がかかるの。だから最初は純粋に魔力を属性変換せずに魔力そのものを放出する〈マジック・バースト〉を教える。やり方は魔力を身体に巡らせて詠唱するだけ。』

 

 

 淡々と説明を終えると、目の前の岩に手を向けて詠唱を開始する。

 『〈マジック・バースト〉』

 詠唱を終えると同時に手から一線の白い光が放たれる。白い光が岩に着弾すると同時に前方に亀裂が走りガラガラと音を立てて崩れた。

『……すげぇ…』


 初めて魔法を見て思わず感嘆の声を漏らす俺。それに何処か照れたようすで『次やってみて』と促してくる。

 

 出来るのかと不安はあったが言われたとおりに手を目標物に向けて詠唱をする。(厨二病みたいで恥ずかしいのでちっちゃい声で)

 『そんな声では魔法でない』と何やら憤慨した様子で言ってくる……マジですか?あの恥ずかしいのを大声で叫べと?


 葛藤する俺を他所に『…やらないならチームには入れない』と言われてしまい、やるしかない状況に…ええいもうどうにでもなれ!

 俺は魔法を使うべく魔力を身体に巡らせる……ありったけの魔力を…

  

 

    『『『ツッッ』』』 


 ただならぬ魔力に声にならぬ声を上げて各々武器を手に気配の方にその切先を向ける。その先にいたのは……他でもないキリアだった。

 

 『『『え?』』』

 状況が理解出来ない一同。

 

 キリアは魔力の制御に精一杯で武器を向けられた事には気付いていないみたいだった。

 〈マジック・バースト!〉


 叫ぶと同時に俺の意識はフッときれた。


この小説を読んでいただき誠に有難うございます!

つきましては『半年間』も間を開けてしまい誠にすみませんでした!


ヒロインの名前で半年もかかるとは思いませんでしたw。

こんな作者なのにも関わらずブックマークや評価ありがとうございます!!


前書きはこのくらいにしておいて本編に移ります。

2章から主人公のチートが始まりますw

出来るだけ早く投稿できるように努力します。


また次回も手に取っていただけるとありがたいです。

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