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詩*海辺にて*

夏光る

作者: a i o

絵をほどくように

色彩を語り合いたい

時間を止めるように

光を眺めていたい


時はあまりにも早く

過ぎ去ってしまうから


ハンカチの裾に触れる

たおやかな指先

微かに香る化粧品の匂い

日傘の隙間から仰ぐ空の

パステルブルー

君はうつくしいひと


声は白い貝殻に閉じ込めて

波も寝静まる頃耳を澄まそう

幾度でも寄せる

僕の名を呼ぶ細い音階


この夏に生きるもの全てを

ガラス瓶に閉じ込めて

砂浜に埋めてしまおう

触れれば忘れてしまう

夏の思い出


恋が恋である内に

干き潮の道を行こう

引き返すことなど

(つゆ)ほども思わないと言って


空と雲の一対

僕らはいつだって

変わらずにはいられないから


額に滲む光る汗

白く浮き出た喉元

呼び掛ける眼差し

君は僕のうつくしいひと


この夏を送らない

風と波の一対

凪いだとしたのなら今は


僕らを思い出へと送らない

アルバムになど収まらない

光を帯びたままの

ふたりでいよう







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― 新着の感想 ―
[一言] ラストの【アルバムになど収まらない】の一言に惹きつけられました。 ふたりの『今』を永遠に『今』のままにしておくために、『思い出』にしないために、僕たちは【光を帯びたままのふたり】でいる………
[良い点] 綺麗です。 細工ガラス越しの景色のように。 化粧の香を感じました。 [一言] 海を見たい 潮の風の匂い 生々しく迫る風に顔を晒したら 容赦ない太陽があるだろう ぎらぎらとして きらきらと銀…
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