表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

episode1 日常

友達はそこそこいて部活もクラスも居場所はある。しかし、この小さな町では一番荒れていると噂される私の中学校に、楽しく過ごすなんて権利はなかった。


女子も男子も、性格や趣味や容姿によって派手か地味かが分類されて派手な人たちの手でランクがつけられる。派手な人たちは地味な人たちから「チャラ軍団」と、地味な人たちは派手な人たちから「地味ーず」と呼ばれながらそれぞれの地位に相応しい行動をしなければならない。それがここのルール。


私は地味ーずの最低ランクだ。佐野和泉、私の名前が一番下に書かれた紙を見た。手入れしていない黒髪を三つ編みに結って、茶色い縁のメガネ、膝丈のスカート。そんな私が地味ーずと呼ばれる理由が自分でもわからなくもない。ついでに、どうやら美術部自体がどうやら地味ーずと呼ばれているらしい。


授業中に回されたランク表を後ろの席の人に渡そうとした瞬間、黒板を書き終えた先生が私を睨む。

「佐野さん、何してるんだ。」

「あ…、その……。」

言い訳をする前に私の声よりも高く響く声がかぶさる。

「佐野さん授業がつまんないから手紙回してるんですよー。いっつも先生の愚痴言ってますもーん。」

全員が私に注目し、返す言葉に困ったので、すみませんでした、と早口に告げ紙を机に押し込んだ。


逆らえない、そんな日常を繰り返していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ