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魔法の鍛冶屋ルミル・ミーリア  作者: 黄龍
妖魔襲撃編(フィヴァ珍道中編)
23/23

戦闘準備、各々奔走す

黄龍    「え~……。今回は世界観に関する説明がありません」


ルミル   「おや~?どうしたのですか~?」


黄龍    「あ~……。仕事で忙しかったのと、ソードワールド2.0のルールブックを買って読んでたら……」


ルミル   「向こうの世界も創りたくなったとか~?」


黄龍    「(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)」


ルミル   「それは仕方がないですね~」


ミュレス  「ちょっとルミル!そんな、優しいことでいいの?!」


ルミル   「ま~……。執筆が続くかは作者次第ですからね~」


ミュレス  「そりゃ、ぶっちゃけたらそうだけれど……。でも納得は出来ないわよ!!」


黄龍    「あ~……。勿論執筆は続けますよ。この世界の独特な環境は、流石にSW2.0では表現は無理ですしね」


ミュレス  「まあ、主人公が最強って辺り、バランスブレイカーよね……」


ルミル   「なろうでは、多いですけれどね~」


ミュレス  「メタな発言するな!!ったく、で、そっちもいずれは公開するわけ?」


黄龍    「未定かな?まずはこっちの執筆が大変だし。一応、文章化だけはしておいて、機会があれば、程度かな」


ルミル   「楽しみですね~」


ミュレス  「いや、先にこっちの物語でしょ……」


ルミル   「あたしは楽しめるならどちらでも~」


ミュレス  「はいはい、あんたはそうでしょうよ……」


黄龍    「そういうことなので、連載は一から二週間に一回のペースで更新するくらいになるかもしれません。ご了承ください。m(._.)m それでは本編をどうぞ~」


 翌日、ミュレス達を除く「お節介」の全員とアーニェ、そしてルミルは、ルミルの店の食堂に集まっていた。


「昨日、ゴルワスから聞いたのだが、近く妖魔の襲撃があるかもしれないということだが?」


 フェニエルが訊ねる。それに、ルミルは頷いた。


「そ~なんですよね~。ミュレス達が帰ってきてからなら、まだ楽だったのですけれどね~。ど~やら、向こうは待ってくれないようで~」

「ふむ、確かに面倒だな。しかし、妖魔といっても色々あるが、何が来るのだ?」


 ロイが訊ねる。ルミルは苦笑した。


「それがですね~……」

「ん?わからないとかなのか?」

「いえ、そ~じゃなくて~。少し挙げるだけでも、オーク、ゴブリン、コボルド、ホブゴブリン、ノール、オーガ、トロール、それから……」

「ちょ?!妖魔の下中級の奴、ほとんど全てじゃないか!」

「はい~。だから、大変なのですけれどね~」

「い、いや……、大変と言うより、既に戦争と言うレベルだと思うんだが……」


 焦りつつロイが言う。その場に居る全員は頷いた。ルミルが答える。


「ですよね~。にも拘らず、ミュレス達は居らず、聖騎士団員は少ないために大変なわけです~」

「つまり、私達が頑張らねばならないということか」


 フェニエルの言葉に全員が頷く。ルミルは微笑んだ。


「フェニエル~良く言ってくれました~。それで、各々準備をして欲しいと思いますね~」

「ではまず、昨日聞いたフィルナの情報を伝えようかの」


 ルルアトが立ち上がって話し始める。全員は耳を傾けた。


「まず、昨日クロスが言った方法で妖魔達が街に攻めてくる場合、現存する聖騎士団員で守れる城門は一つのみということじゃ。で、フィルナとしては分散させるより、一つで運用する方が効率的であり、また、フィルナの真言支援がしやすいことから、聖騎士団は西側の城門となる、海辺の街道の城門を守護するそうじゃ」

「ま~、それが順当でしょうね~。西側は聖騎士団員の大半が住む貴族区がありますから~。彼等としては、まずそこを守りたいでしょうね~」


 ルミルは苦笑した。フェニエルは立ち上がる。


「と言うことは、私達と騒ぎに気付いた者だけで、残りの二つの城門を守るということになるな」

「そ~いうことですね~。三つなら大変でしたから、二つに減って良かったですね~」


 ルミルは微笑んだ。フェニエルは苦笑する。


「……いや、そりゃ、一つ減ったことは良いことだが……、それでも大変だぞ?」

「ん~……。そ~でもないですけれどね~」

「何?!どうしてそう言える」


 フェニエルは疑問に思いルミルに訊ねる。ルミルは微笑んだ。


「フェニエル~。今まで貴方がしてきたことと、今の仲間を見れば一目瞭然じゃないですか~」

「私の?」

「ええ~。貴方は、一軍隊すら相手に単体で戦えるアムシェとほぼ互角に渡り合いました~。で、その時と違って今はラグも居ますし、更に貴方と互角に渡り合えたアーニェまで居ます~。つまり、貴方達四人で、軍隊一つ分を潰すのは容易なのですね~」

「ぐ……。た、確かにそうかもしれないが……」

「また、クロスやロイ達の方には前衛が出来るのが今まではゴルワスだけでしたが~。今はレニスが居ますから~、全く問題ないわけですね~」


 ルミルはそう言うが、クロスは焦って立ち上がる。


「いや……。ルミルさん、それはわかりますが、私は……」

「ん~……。クロス~、レニスを可愛がる気持ちはわかりますが~、更に進歩して、信頼してあげなさいな。相手を本当に愛するなら出来るはずですよ~?」

「クロス。私を信じてください。私も貴方の期待に応えます」

「レニス……。わ、わかりました。と、なると、私達やロイさん達がもう一つの城門を守ることになるのですね?」

「そ~ですね~。クロス達は東のシルモア街道側が良いでしょうね~。教会区が近いですから旧知の方も多いでしょうし~」

「なるほど。確かにそうですね」

「では、私達は南側、フィヴァ街道側だな」

「はい~、お願いします~」


 一通り話し終えた時点でロイが立ち上がる。


「なら、実際に現場に行ってどうするか話し合いたいのだが、シルモア街道側のみんな、現場まで行かないか?」

「そうじゃな、事は早い方が良かろう」

「はい♪ロイ様」

「了解です。ロイ殿」

「わかりました、参りましょうか」

「お供します」


 ロイの提案にクロス達は賛同し、立ち上がる。そして、次々と部屋から出ていった。ルミルは微笑む。


「自発的で頼もしい限りですね~」

「では、我々もフィヴァ街道の城門を見てこようか」


 フェニエルはセレイラ達に言い、部屋を出ようとするが、ルミルが言う。


「あ~……。ちょっと待ってください~」

「ん?どうしたルミル」

「屋上に来て貰えますか~」


 ルミルはそう言って部屋を出ていった。フェニエル達は顔を見合わせた後、屋上へと向かった。






「どうしたのだ?ルミル」


 フェニエルは屋上に着くと開口一番、ルミルに訪ねた。ルミルは微笑む。


「今回、妖魔達と戦うわけですが~、数多くの敵を倒すのに通常の武器では何本も持っていないと、すぐに朽ちて使い物にならなくなりますよね~」

「まあ、そうだな。私はラグロウゼスがあるから問題はないが」


 フェニエルの言葉にルミルは苦笑した。


「それはそうですが~。フェニエル~、セレイラやラグは精霊ですから問題ないとしてもアーニェにも武具は要りますよ~?」

「あ……?!」

「え?!私ですか?」

「はい~。フェニエルと互角の剣技であるならば、それを活かせる武具がないと勿体無いですからね~」


 ルミルはそう言いながら二本の棒状の物を取り出す。柄の方がやや長く、また剣のような刃はなく柄ではない方も軸のような棒が出ているのみだった。アーニェがそれを見つつ言う。


「これは?!」

「昨日、完成した武具でして~。「ジュレシュラ」と名付けてみました~。基本的にアーニェ専用ですね~」

「私専用?!どういうことですか?」

「ん~……。ラグは見えるのでわかると思いますが~。この武具はレビヤタンの素材とウインドドラゴンの素材を使用して「風」と「水」の力を用いるようにしてあります~。で~、このように「風」と「水」の力を使うと~……」


 ルミルがそう言うと、二本の棒の部分に白い輝く粒子が現れて、棒全体を覆い、更に槍のように突起状になった。


「この様に~、精霊力の力で剣になります~。両刃の剣で良く切れますよ~」


 ルミルは予め屋上に持ってきたのであろう丸太を事も無げに切る。しかし、アーニェは苦笑した。


「素晴らしい武具ですけれど、私、精霊力の操作は苦手で……」


 顔をやや赤らめて言うアーニェを見て、ルミルは微笑んだ。


「うんうん。だから、この武具を創ったのですね~。これは触媒の働きもするのです~。つまり~、アーニェの持つ精霊力を調整する働きですね~。まあ、百聞は一見にしかず、まずは実際に使ってみてください~」


 ルミルはアーニェにジュレシュラを渡す。アーニェは躊躇した。


「あ……あのっ!……わ、私……」


 手にジュレシュラを持つものの、そのまま立ち尽くして俯いてしまう。フェニエルは苦笑する。


「アーニェ、昨日、余りやったことはないと言いながらも、セレイラ達と一緒に私から絞り出そうとしていたのは誰だったかな?」

「ちょ?!フェニエルさん!!い……今、そんなこと、言わないでください……」


 アーニェは顔を真っ赤にする。フェニエルは微笑んだ。


「あ、いや、別にいじめたりしたくて言ったのではないんだ。少し考えてみてくれないか。殆どやったことがなかったアレですら沢山出来たのであれば、苦手だとはいえ、今まで何度もやっている精霊力の操作をやることを少しすることは難しいだろうか?」

「そ、それは……」


 アーニェは真顔になってフェニエルを見た。暫くしてアーニェは頷く。


「そうですね……。別に、まるっきりやったことの無いことをする訳ではないですし、ルミルさんの言われたことを信じて使ってみます」


 アーニェはジュレシュラを構える。暫く、何も起きなかった。


「あれ?何も起きないね」


 ラグは不思議そうに見ていた。フェニエルは微笑む。


「大丈夫。心配することはないさ。日頃使わなかった精霊力を使おうとしているから、緊張して畏縮しているだけだよ。ん~……、そうだな、アーニェ、いいかな?」

「あ、はい。何でしょうか?フェニエルさん」

「頑張ってジュレシュラを使いこなせたら、今夜は私を独占する権利をあげよう」

「え?!いいのですか?そんなこと……」

「まあ、私が今、アーニェにあげれるモノはそんなモノしかないからね」


 フェニエルはセレイラを抱き寄せた。セレイラはフェニエルの意図を悟ってニヤリとする。


「アーニェさん。逆に使いこなせないなら、今夜は私達がフェニエル様を独占しますわね」

「ちょ?!セレイラさんまで……。わ、わかりました!私、頑張ります!」


 アーニェはジュレシュラを構え直す。ルミルは微笑んでいた。

 暫くしてジュレシュラから白く輝く粒子が現れ始め剣の刃の形になった。アーニェは軽く振り回す。


「ルミルさん……」

「はい~?どうしましたか、アーニェ」

「これ、凄くいいです!軽いし、何より、私の意思で刃の調整が出来ます!私でも精霊力の調整が出来たんだ」


 アーニェは喜び踊るようにジュレシュラを振り回す。ルミルは微笑む。


「良かったですね~。でも実はジュレシュラは只の双剣ではないのですよ~」

「え?!」

「それぞれの柄の下の部分を見て貰えますか~?」


 アーニェはジュレシュラを振り回すのを止めて柄を見る。そこにはそれぞれが相対するような形になっていることに気が付いた。


「なんだか、柄の底が相対する形になっていますね」

「でしょ~。底同士を合わせて、ねじってみてください~。一体になりますよ~」


 ルミルの言葉にアーニェはジュレシュラをお互いに底同士をくっつけてねじる。カチャッと音がして互いは繋がり両端に刃を持つ一本の剣になった。


「こ、これは……」


 アーニェは驚きつつジュレシュラを見る。ルミルは微笑んだ。


「うふふ~♪あたしはジュレシュラのような剣を「両剣」と呼ぶことにしました~。棒術のように振り回すことで雑魚を殲滅させたりすることに向いている武器なのです~。金属で刃を造ると、こういう武器は使い物になりませんが~、精霊力のような力で刃が形成できれば、斬りまくれますからね~」

「た、確かにそうですね」


 アーニェはルミルの説明に納得しつつジュレシュラをチアガールが振り回すバトンのように振り回す。流れるような動きでアーニェが動くと、ジュレシュラの刃は綺麗な円を描いた。


「綺麗……」


 白く輝くジュレシュラの刃の軌跡を見つつセレイラは呟く。ルミルは微笑んだ。


「大変でしょうが、皆さんお願いしますね~」


 ルミルの言葉にフェニエル達は頷いた。ルミルは微笑みながら階下へ降りていく。アーニェはジュレシュラの刃を収め、フェニエルに近づく。


「これで、私も皆さんと一緒に戦えますね」


 アーニェの言葉にフェニエルはやや苦笑した。


「しかし、いいのかな。本来、アーニェはこの「お節介」とは無関係なのだが……」

「どうして、今更そのような言い方をされるのですか?私も既にフェニエルさんの関係者だと思いますけれど!」


 アーニェは憤然としつつ答えた。フェニエルは苦笑する。


「いや……。それはそうなのだが……。その……何と言うか……」

「私はもう用済みなのですね……。一晩寝ただけで捨てられるんです……」

「ちょ?!い……いや?!そ、そういう意味で言った訳ではないんだ!私達の都合に殆ど無理矢理巻き込むような形になってしまったし……」


 フェニエルはすまなそうに謝る。アーニェは微笑んだ。


「そんなことはないですよ。私も望んでここに来ましたし、フェニエルさんと寝ることを選んだのも私の意思です。フェニエルさんがそんな風に思う必要はないのですよ」

「そ……それは、そうかもしれないが……」

「それに……」


 アーニェはフェニエルに対して後ろを向く。暫くして振り向き言う。


「今晩は覚悟をしてくださいね?」

「へ?!」

「あれ?もう忘れたのですか?冷たい人だなあ……」

「えっと、な、何だったかな……?」

「もう!……。私がジュレシュラを使いこなしたら、今晩は独占させてくださるのでしょ?」

「あ……?!そういえば、そうだったな」

「今晩はベットに縛り付けて貪ってあげますね♪」

「ちょ?!ちょっと待て!!」


 フェニエルは焦る。アーニェはニヤリと笑った。


「ダメです♪男に二言無し。それとも約束を反故にするつもりですか?」

「う……。わ、わかった……。しかし、少し加減をだな……」


 フェニエルは焦りつつ言うが、アーニェはにんまりと笑みを湛えた。


「セレイラさん。貴女なら、こんなときわざわざ手加減を加えますか?」


 アーニェの質問にセレイラは首を横に振った。ラグもその答えに頷く。


「と、いうことです。目一杯、愛させていただきますね♪」


 アーニェの言葉にフェニエルはげんなりとした。勿論、皆、大切で愛してはいるが、毎夜付き合う身となれば自分はいつまで保てるか不安になるのであった。






 遅い繰る妖魔達に対処するため「お節介」の準備を進める仲間達。そして、その仲間の輪に自発的に加わるアーニェ。様々な思いを秘めながら事態は急速に進んでいた。また、ルーケルセリュアとは別に、フィヴァでもシニファ達が珍道中を続けていた。それについては次回にて。


フェニエル 「だ……だから、加減してくれと……」


アーニェ  「い~え!まだまだ行きますよ~!私はまだ行けます!」


フェニエル 「されることは嬉しいのだが……、私はいつまで身体が保つだろうか……」


アーニェ  「今度は逆向きで入れてみますね~」


フェニエル 「だ、だから待てって……、お、おいぃぃぃ!!」


アーニェ  「さあ、一杯出してくださいませ!」


セレイラ  「昨日よりまして激しいです……」


ラグ    「す、凄いね、姉さん……」


……( ̄▽ ̄;)

くたばらない程度に頑張れ……。

さて、次回はどうなるやら……。


シニファ  「何でも次回は結婚騒動とか」


アムシェ  「え?!だ、誰のですか?!シニファは渡しません!」


ミュレス  「いや……シニファに手を出したら、外見的にヤバイって……」


アムシェ  「え?そうなのですか?」


ミュレス  「まあ、アムシェはわからなくていいことではあるけれどね」


アムシェ  「はぁ……。では、誰の結婚騒動なのでしょう?私とは思えませんし……(シニファ以外興味がない)」


ミュレス  「…………(単純に消去法でわからないのかしら?)」


シニファ  「ということで、次回は「珍妙な結婚騒動」です。お楽しみに!」


アムシェ  「わかりませんねぇ……」


ミュレス  「天然って怖いわね……(汗)」


お楽しみに!

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