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物語の始まり

初めまして。

初投稿となります。

短編のつもりが、話を切るに切れなくなり、長編作品として書いてみることにしてみました。

独特の世界観を持たせる予定なので、理解しづらい面もあるでしょうが、楽しんでもらえたら幸いです。


執筆は遅い方なので恐らく更新は遅めになると思います。(読むのも好きなので)


ではごゆっくりお楽しみください。

それは、悠久の日々。

初めがなく、終わりの無い者。

それを、神、と言う。


神は、始めに天と地を創られた。

そして、人が生きることのできる「世界」を創っていかれた。


ここは、まだ、名の知られていない世界。

人は少なく、また、一生懸命に生きていた。




小高い丘に、一人の女性が木陰に静かにたたずんでいた。

女性の傍に立っている樹は、年月を物語る幹をその表に示していた。樹齢は幾百、いや千年もいくのだろうか?

そんな樹の傍で、女性は遥か彼方を楽しげに見据えていた。


「綺麗な場所だわ。それに、楽しそうな人達も一杯いそうね」


やや浅黒い肌から出たその言葉は美しく、他の誰もいない空気の中へ響いて消えていく。

と、同時に、柔らかな風が吹き腰までもある長い赤髪は綺麗に女性を彩った。

相変わらず、鮮やかに輝く緑色の瞳は遠くを見据えていた。

同じ場所に立って、彼女の見る方向を見たら、自分では見ることの出来ないほどの場所を見ていることに気づくであろう。

故に、彼女が只者ではないことは明白であった。

女性は歩き始める。

軽やかに。

まるでそれは歩くと言うより、空中を漂うようにも見えた。

軽やかに舞うその姿は、蝶や鳥が楽しげに舞うのに似ていた。

そう、ちょっとそこまで、と言うように。




村には、約50世帯ほどの家族がいた。

大抵は農家であり、ごく一部の者が、その他の仕事に従事していた。

今日も、日々の仕事をこなし、夕暮れも近づいたので、畑に出ていたものは徐々に帰宅を始め、一日の片付けを始めようとしていた。また、家でこまごまと仕事をしていた女性達は、夕飯の支度のために子どもたちまで総動員して水汲みに奔走していた。

そんな中に、先の女性が軽やかに歩いてくる。

その優雅な足取りに、仕事で疲れていた筈の男達も足を止めて見入っていた。

日頃見かけない人物を見て、子ども達も興味津々に近寄り、女達も声を掛ける。


「おや?旅人とは珍しい。何処から来たのかい?また、何処に行くんだね?」


よく行われる質問が女性に投げ掛けられた。

女性は微笑みながら、


「こんにちは。あ、こんばんわかしら?そうですね、ちょっとそこまでのんびりとしようかと」


穏やかに答えるのであった。

はっきりとした答えではなかったが、村人も、そんな答えが欲しいので訊いたわけではないので、深くは追求せず、何気もない会話が続いた。

女性は暫く村人達と歓談した後に、颯爽とそこを過ぎ去っていった。


「なんとも綺麗な人だったねぇ」


女性を見送った一人の女村人は感慨深げにそう言うのであった。


今はまだ、誰も知らない。いや、理解が出来ない。そんな物語の始まりはこうして始まったのであった。


女性の名前は「ルミル・ミーリア」。自称「魔法の鍛冶屋」である。




今、ルミルはのんびりと夜道を歩いていた。先程の村人達の話では、この先に少し大きな城塞都市があるとの事だった。そこであれば、自分の鍛冶の力も、そして、もうひとつの「力」も存分に使えそうな気がした、いや、存分に使える確信があるのである。


「楽しそうだな。」


一人ルミルが歩いてるところへ、不意に声がかかった。

驚きもせずにルミルが答える。


「ええ、これから「楽しむ」事が出来そうですもの。嬉しくて笑顔になるわ」


「やれやれ、この状況ですら楽しむか。やはり、只者ではないな」


「そう言う貴方こそ、あたしに一人でいつも挑むのだもの。同じく只者じゃないわよ」


「ま、強い者を見ると挑みたくなる。そんな只の命知らずさ」


男の言葉にルミルはくすりと笑いながら、


「そんな冗談、あたしには無理よ、フェニエル。引き際も優れた貴方が命知らずなわけがないわ」


多少身構えながら答えた。フェニエルと呼ばれた男は、その答えに満足なのか、手に持っていた剣を鞘に納めた。ルミルは、その反応に少しキョトンとしていたが、やれやれと、両手を広げつつ、


「目的は別にあるようね」


と言った。フェニエルは、その言葉に頷き、


「ああ、この先の街に、お前さんと一緒に行きたくなった、と言うところさ」


素直に答えるにであった。


「なるほど。色々ありそうなのね、あの街は」


「ああ、いろいろ、な」


意味深な言葉を述べてからフェニエルはルミルの傍に来る。ルミルは身長が150cmくらいしかないためフェニエルとは頭ひとつ分もの身長差があった。しかし、端から見て、二人の雰囲気に差はなかった。いや、むしろ、ルミルの方がフェニエルを圧倒する「なにか」を有していた。


腐れ縁とも言える二人は夜にもかかわらず様々な灯りが漏れている城塞都市に向かって歩みを進めるのであった。


そう、「楽しむ」ために。

ルミル 「と、言うことで、作者の気まぐれで連載化しました。今後とも宜しくね」


フェニエル「いきなりだな。そもそも、私の登場すら急遽決まったんじゃないか」


ルミル 「作者の行き当たりばったりは今に始まったことじゃないし……」


フェニエル「はぁ……今更言っても無駄か……」


ルミル 「うん」


フェニエル「仕方がない、次回紹介といくぞ」


ルミル 「はーい。次回は「城塞都市ルーケルセリュア」の予定ですよ」


フェニエル「気長に更新を待っててくれ」


ルミル 「叱咤激励も待ってるそうですよ~」


世界が楽しくあるだろうか……。

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