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学校散策

生徒たちを観察した後、男は教卓に立ち話し始めた。

「俺は氷室だ。これからよろしく。さて、早速だがオリエンテーションに入る。アサギ校長も言っていたが、ここは異能を育成するための学校だ。当然、うちでは国語や数学は学ばない。異能の仕組みや、異能を使った戦い方などを学ぶ。

これに順応できないなら、今すぐ席を立って自主退学することをお勧めするぞ。

そして、ここは学年という概念はない。学年こそ無いが、クラスはある。クラスは実力によって分かれていて、上から、S、A、B、C、D、Eだ。上のクラスの生徒ほど待遇がよくなるぞ。例えば、Aクラス以上の生徒はビュッフェ形式の食堂が使えたりする。

あと、上のクラスのやつには逆らわないこと。ま、逆らったとして勝てないがな。

最後に、年末にある期末テストで良い成績を出せば君たちは卒業できる。これは個人差が激しく、1年で卒業出来るやつもいれば、5年かかるやつもいる。さて、君たちは一体何年かかるかな?」


ここは目立ちすぎると動きにくくなるし、かといって落ちこぼれだと行ける場所が少なくなる可能性があるな。塩梅が難しい…

氷室がニヤリと笑って言う。

「明日、早速クラス決めがある。そのため、今日はここで解散だ。放課後は学校内を散策するもよし、明日に備えるのも良し。ではまた明日。君たちの活躍を祈っているよ…」

そう言って、氷室は去っていった。

暫くして、かんづめが話しかけてくる。

「なんかすごい学校だね。ちゃんと卒業できるか心配になってきたよ…で、これからどうする?学校散策する?」

「そうだな。行こうか」

「なになに〜?学校散策するの〜?私も行こうと思ってたんだ〜」

柳が話に割って入る。困ったな…俺とかんづめの二人のほうが散策しやすいのだが…

かんづめが、不審そうに柳を見ている。

「この人だれ?」

「あぁ…俺の隣の席の人だ。柳というらしい」

「よろしくね〜」

「俺は佐藤二朗!よろしく柳さん!」

「え〜!2人とも兄弟なんだ〜」

「ああ…俺は双子の兄だ」

「双子の弟です!」

「なんか正反対の雰囲気だね〜ねね、散策私もついて行っていい?」

ここで交流を深めるのもいいかもしれないが、まだ彼女を信用するわけにはいかない。

「悪いが、今日は兄弟水入らずで過ごしたいんだ。また今度でいいか?」

「え〜。でも確かに邪魔しちゃ悪いもんね。じゃあまた今度ね〜じゃあね」

「じゃあな」

柳が去る。彼女の方から話しかけてくれたのに申し訳ないが、今は慎重にいかなければ。

「俺達も散策しようか」

「はーい…」

かんづめは少ししょんぼりしていた。

教室を出て、廊下を歩く。入学式の前とは違い、やたら教師とすれ違う。しかも同じ教師だ。同じ道を歩いているわけではないのに、同じ曲に出会う……分身しているのか?

窓から見える景色は鉄の塀一色だ。さっきの教師と相まって、監獄に囚われているように感じる。


しばらく歩いていると、案内板を見つけた。案内板によると、敷地内はとても広い。校舎以外にも、医療棟や居住棟などの様々な棟があるらしい。


かんづめが案内板を見つめながら言う。

「この学校すごく広いね。しかも地下に闘技場があるみたい。これをすべて散策するのは骨が折れるよ」

「そうだな。いくつか候補を絞るぞ。お前は何処がいい?」

「うーん…俺は地下闘技場が気になるかな」

「分かった。明日の準備もある。そこを見たら帰るぞ」

「はーい」

俺達は地下闘技場に向かった。

闘技場に着くと、奥から何やら打撃音らしきものが聞こえる。俺は、警戒しながらも扉を開ける。

瞬間、強烈な風が吹き付ける。

「なんだ!?」

「うわわっ!」

そこでは、背の高い男と青い髪の男が熾烈な戦いを繰り広げていた。

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