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面接


振り返ると、背の高い女が立っていた。ピッチリとしたスーツを身に着け、髪を後ろに束ねている。かなり整った顔立ちで、町中にいたら必ず声をかけられるだろう。彼女は笑みを浮かべてこちらを見ている。

「ああ…久しぶり」

俺はぎこちなくこたえる。

「背後に立っても気づかないなんて、

修行が足りないわよ」

「バディーが死んで修行どころじゃないんだ。勘弁してくれ」

女の顔が曇った。

「あらそうだったの……いやなことを言ったわね。ごめんなさい。彼女はあなたと長く続いてたものね…ところで、その人は?」

「ただの居候だ」

女がにやつく。

「あなた、私がいなくなってよっぽど寂しかったのねぇ」

「そういうわけじゃない!ただの気まぐれだ」

「ふーん、ほんとかしらねぇ〜。ま、バディーを亡くしたことは残念だけど、気負いすぎないことね。人生楽しんだもの勝ちよ!そんな辛気臭い顔をしていても何も変わらないわ!それじゃ、私は仕事だから、かんづめくんによろしくね」

そう言って女は去っていった。

辺りは静寂に包まれ、電灯のハム音だけが響く。

残された俺は、しばらくそこで立ち尽くしていた。

楽しんだもの勝ち…か。

こんな俺にも、楽しむ資格はあるだろうか…

しばらくして、正気を取り戻したかんづめが言う。

「きれいな人だね。知り合い?」

「…姉だ」

「え!?玲哉姉いたの!?一人っ子そうなのに。てか、全然雰囲気違うね!」

「よく言われる」

「玲哉のお姉さんってどんな人なの?」

「あいつは、クラフトライン最強と言われている女だ。なんでも、敵対組織を一人で壊滅させるらしいからな」

「え!玲哉のお姉さんってそんなに強いんだ!」

「ああ。この組織の憧れだ。そして、俺が超えるべき目標でもある。」

そう、超えるべき目標。俺はあんたを超えて、今度こそ守る。もう誰も死なせたくない。

その後、俺達は中央の建物につく。

「この建物を入った正面の部屋に入れ。そこが面接の部屋だ。俺はここで待ってるから、頑張ってこいよ」

「あれ?玲哉来てくれないの?」

「当たり前だ。俺はお前の保護者じゃないんだぞ」

「わかってるけどさ〜心細いよ〜」

「はよいけ。終わったら飯作ってやるから」

「まじ!?じゃあご馳走用意しといてね!受かってやるから!」

かんづめはスキップしながら建物に向かっていった。

何か問題を起こさなければいいが…

そういえば、なんであいつがかんづめの名前を知っていたんだ?電話に出たのは違う上司だった筈だが…


かんづめ視点


俺は正面の部屋に着くと、扉をノックした。

「どうぞ」 

なんか聞き覚えのある声が響いた。気のせいかな。扉を開ける。

「また会ったわね」

そこには、玲哉の姉さん?がいた。まじ?早すぎる再会だぁ!

「まぁすわって。面接を始めるわよ。」

「は、はい!」

椅子に座る。初めての面接だから緊張する〜。

「まず初めに、あなたの能力を教えて」

「えっと…ものの性質を変える能力です!」

能力を発動しながら、持っていたペンを玲哉の姉さんに渡す。

「どうぞ」

ふっふっふ。姉さん。そのペン、持つときは気を付けたほうがいいですよ…鉄みたいに重いですからね…

「ありがと。…あら?いつのまにかダンベルみたいになってるわ。でも少し物足りないわね」

姉さんはそう言って、涼しげにペン回しを始めた。なんちゅう怪力だよ…驚くと思ったのに…

「この能力は汎用性が高そうね。範囲はどれくらい?」

「触れてるものや自分自身ですね。」

姉さんがニヤリと笑う。

「なるほど。つぎに、うちの組織を志望した理由は?」

これは簡単!こういう質問は漫画で予習済み!

正直に答えるべし!

「履歴書が書けないからです!ここは履歴書いらないときいたので!」


「ふふ、正直ね」

「それだけが取り柄なんで!」

よっしゃ高評価!意外と簡単だな〜

「さて、これで面接は終わり」

「随分と早いですね?」

「だって、あなた記憶喪失でしょ。覚えてないんだからこれ以上面接のしようがないじゃない」

「確かに…」

「だから、今から実技試験を始める!内容は私と戦うこと!」

「え、実技試験?き、急すぎません?」

「正直、興味があるのよね。あの子が推薦するほどの実力者。だから急遽面接代わってもらったの」

玲哉の姉さんの雰囲気が一気に変わった。

「安心して、あなたが勝てるとは思ってないから」

すごい圧だ…空気が張り詰める。本能が逃げろと言っている。だけど、ここで退くわけにはいかない。だって、玲哉は俺を助けてくれた恩人だ。これ以上迷惑はかけられない!

「さて、あなたの力を見せてちょうだい。面接はこれからよ!」



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