表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/32

08 兄上の恋愛相談8

少しの間、アーシアさんとふたりで話をしたあと兄上が帰ってきた。


「それで、この街の名物とは一体何なのでしょうか?」


帰ってきた兄上にアーシアさんは当然と言えば当然の質問をした。そんなアーシアに


「それは夜まで楽しみに待っていてください。きっと感動すると思いますから。」


そう少しキザに兄上はアーシアさんに答えた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




そんなこんなであっという間に日が暮れて、私たちはこの街の名物を見るために城に戻り、4階にあるベランダに出た。


その間、アーシアさんはなんで城に戻ってきたのでしょう?と不思議な顔をしていたが、同時にワクワクしながら着いてきているようだった。その気持ちを分かってかかなり上機嫌に


「さぁ、ここからこの街の名物を見れます。」


と、兄上は空に指を指した。




そうすると”ヒュ〜”と言う音とともに光が空にあがり、上で大きな光の花が出来た。少し間を置いて”バン”という音も空に広がっていった。


アーシアさんは初めて見る花火に驚きつつも感動を顔に浮かべていた。そんなアーシアさんに兄上は花火の説明をした。


「これは花火と言って音と目で楽しむこの街の名物なんです。この街の人達は行事などの嬉しいことがある時にはこうやって花火をあげ、大切な人と見るんです。」


そう、誇らしげに説明する兄上にアーシアさんは


「目が見えるようになってから素晴らしいものを色々見てきましたが、今目の前に広がっている景色は格別に感動を覚えます。」


と、キラキラした表情で答えた。


「でも、今日は何かの行事があったのでしょか。」


「何かの行事があった訳では無いですが、その答えはアーシアと私が初めてデートをした記念ってのは嫌ですか?」


「い、いえむしろ私には勿体なさすぎてなんというか……」


「そんなことは無いです。アーシアさんに喜んで欲しかっのはそうですが、アーシアと一緒にみたいと私が思ったか職人の人に頼んであげてもらったのです。」


そんな恥ずかしいセリフを言い合いふたりはその後の続く花火を見上げて自然と手を繋いでいた。


(兄上ってこんなにキザな人でしたっけ……)


私はちょっと複雑になりつつも微笑ましいふたりに心を暖かくしていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ