34 呪いと姫の恋愛2
ルイの母親の部屋に入るとそこはなんともうす気味ぐらいところだった。
「なんとも不気味なところですね。」
「まぁ、母上の趣味ですから。」
私たちは部屋を隅々まで探した。
しかし、お目当ての呪いについての本は一つも出てこなかった。
「ないですね…」
そう言い諦めて部屋を出ようとすると、私の呪いの力かま共鳴して、隠し扉が開いた。
私とルイは驚いたが進んでみることにした。
進んだ先には黒魔術を研究していたであろう部屋が見つかった。
(一体何の研究をしていたのだろうか?)
その事実はある一冊の本によって解決された。
その本にはルイの母親、リオネス姫が恋のできない呪いにかかり、それでも私のお父様を惹かれていたことが書かれていた。
私の呪いとの違いは好きになった相手が死なないという点。
しかし、呪いによって絶対に恋は敵わない。
それが、私のそしてリオネス姫の呪いの正体だ。
「この本が事実なら私の呪いは誰かに移すことができるということでしょうか?」
だからといって誰かに移す気はないのだが……
「確かに、母上と父上は恋愛婚では無かったですが僕の目には愛はあったと思います。ですから呪いは解けていたのでしょう。」
そうこうしているうちにまた一冊の本を見つけた。
呪いを移す方法という本。
そこには呪いの移し方が書いてあった。
呪いを解こうとしたが叶わなかった。そこで呪いを移す方法を考えた。もちろん代償なしとはいかない。多くの寿命と引き換えになる。
「リオネス姫は享年何歳でしょうか?」
「42歳です。今思えば病気でもないのに亡くなっているので多分呪いを解いたせいでしょう。」
「約50年ほどの寿命と引き換えに呪いを移したのでしょうね。」
呪いを解ける方法が見つかったのはありがたいが…寿命が50年も必要だとは…
「リズ様。僕の寿命で僕に呪いを移してください。呪いはもともと母上のもの。それを返してもらうだけですから。」
「ルイ、私のこと好きですか?」
「ええ、もちろん愛しています。」
「なら、この強力になった呪いをルイに移した途端、私が死ぬでしょうね。」
「確かに……」
「それに今回も寿命が50年ほどとは限りません。もしかしたらそれ以上かも。」
一体どうすれば良いのでしょうか?