30 女隊長と少年の恋心9
オークロードの攻撃を受けたレムはかなりの傷を負いその場で倒れた。
「「隊長!!」」
周りの兵士たちが声を荒らげて、レムに駆け寄ろうとした……が自分たちのボスの勝利に残りのオークや微かに息のあるオークたちが士気を上げ一斉に攻撃を始めた。兵士たちとオークの戦闘をかき分け私は私はすぐさまレムの元に行った。
(幸い息はあるようです。)
しかし、手を施さなければ命を失ってしまう状態だった。
(あまり得意では無いのですが……)
私は白魔術である、回復魔術をレムにかけ始めた。しかし、私の力では延命できるのがやっとだった。
目の前でレムが倒れたマルクはショックを受けて膝を着いていた。
「マルク!私はレムの命を繋ぐため手が離せません。誰かがオークロードの相手をしないと……」
「ぼ、僕のせいでレム隊長が……」
「今はショックを受けてる場合ではありません。早く立ち上がったて!」
「でも、レム隊長が勝てない敵に僕なんかが…」
「レムの事を愛してるのでは無いのですか……それなら命を懸けてでも守って見せてください。」
私はマルクを励ましたがショックで戦意を取り戻せずにいた。すると……
「マ、マルク!」
レムが微かな意識を取り戻した。
「レム隊長!」
「お…お前は私に勝つため第3部隊の誰よりも努力して来たはずだ。私の未来の夫になりたいならア…アイツくらい倒して見せろ!」
(どうやらレムと私の訓練を知っていたんですね……その理由も…)
「な、何故それを……」
「それにお前の強さは心だ。それが折れてどうする!」
「こ、心?」
「そうだ。お前の心は、意志の強さは私より強いはずだ。」
そのレムの言葉にマルクは戦意を取り戻し、立ち上がった。
「レム隊長……ありがとうございます。必ずオークロードを僕が倒してみせます。そしてたらその時は……」
「私の夫第一候補ぐらいにはお…思ってやる。」
レムはそう言ったあと意識を失った。