03 兄上の恋愛相談3
私は、兄上と別れアーシアさんの居る部屋へと向かった。
アーシアさんはこの城とは少し離れた領地に住む貴族だ。しかし、今は兄上との婚約を気に城へ引っ越してきたのだ。
「アーシアさん、リズです。少しお話があるのですが部屋に入ってもよろしいでしょうか?」
私は部屋の前でノックをしてそう言った。
「えぇ、リズ様。どうぞはいってください。」
優しい声で返事が返ってきた。それを聞き、私は部屋に入ることにした。
「リズ様どうかしましたか?」
「少し話がありまして……それよりもアーシアさん、前から言ってますけど、これから私の姉上になるのですからかしこまらず呼び捨てで呼んでくれませんか。」
「では……、リズさんと呼ばせてもらいますわ。」
アーシアさんは少し照れくさそうにそう言った。
「出来れば敬称もなしにして欲しいんですが……まぁいいです。それで私か尋ねた理由なんですが、いつものようにお菓子を食べに来た訳ではなく、ある提案があって来たんです。」
「”提案”ですか?ええ、少し暇をしていたところですから是非ともお聞きしますわ。」
優しい笑顔でそう答えてくれた。
「実はですね。この度わたし、リオネスの呪われた姫ことリズ・リオネスは一時的に目が見えるようになる魔法を完成させたのです!!!」
難しく捉えないようにおちゃらけた言葉を使いアーシアさんに伝えた。後ろに”ドン!!”という効果音がつきそうなくらい。
しかし……
アーシアさんはフリーズしたかのようにポカンとした顔になった。
(どうやらセリフを間違えたようです……)
私は恥ずかしさで顔が真っ赤になり、もう一度説明し直すという尚更恥ずかしいことをしようとした。
「あ…の」
私が説明し直そうとするとその言葉が吹っ飛ぶくらいにアーシアさんが驚きの声を上げた。
「ほんとですか! !一時的にも私の目が見えるようになると!!」
その姿を見て私は少し戸惑ったが驚き嬉しそうにしているアーシアさんをみて嬉しくなる私だった。
(顔はまだ赤いですけど…)