29 女隊長と少年の恋心8
ホブオークの後ろからの攻撃に防ぐすべもなく見えたレムだったが幸いにもマルクが攻撃を防いだ。
「助かった!マルク。だがお前にはまだホブオークの相手は無理だ。」
「いえ、レム隊長のためだったらこの命惜しくありません。」
そう言いながらマルクはホブオークに果敢に向かっていく。私も助けに入りたいのだがほかのオーク達に行く手を防がれた。
「マルク、気合いを入れろ!」
「はい!レム隊長。」
マルクはホブオーク、レムはオークロードと互角の戦いを繰り広げた。
(マルク強くなりましたね。これが愛の力ですか。)
マルクはホブオークの攻撃を持ち前のスピードで避けつつ細かい攻撃を与えていった。徐々に体力を奪われたホブオークはふらつき始めた。
またオークロードとレムの戦いはさらに激しくなり、お互いの武器が欠け破片が飛び散り火花を散らしていた。
「これで終わりだ。」
体力を奪われたホブオークにマルクは大きな一撃を入れ勝負が着いた。
(勝てたみたいで良かったです。)
ちょうど私も周りのオーク達を片付け終わった。他の兵士たちも傷つきながらもオークの大半を倒していた。
(あとはレムが勝てば……)
その時マルクが戦っていたホブオークの死をみたオークロードがマルクに向かって攻撃を仕掛けた。
「マルク!どけ。」
一瞬の気を取られたレムはマルクを突き飛ばし、オークロードの攻撃を受けた。