27 女隊長と少年の恋心6
「いたぞ、オークだ。」
そう言って兵士の1人がオークを見つけた。しかし、オークは群れで過ごすと聞いていたがどうやら一体だけのようだ。
「一体だけしかいないのか……少し怪しいな。」
レムもかなり不審がっているようだった。レムが悩んでいると兵士たちが我先にとオークに向かって行った。
「おい、少し待て!」
そういうレムの声は届かずオークと戦闘を開始した。幸いにもオークは簡単に倒せた。マルクがトドメを刺したらしい。兵士たちがマルクを褒めていた。
(訓練の成果が出ているようです。)
「マズイ……お前ら、構えろ!」
兵士たちがマルクを囲み喜んでいるとレムが急叫んだ。その声に我を取り戻した兵士たちが周りを見渡すとそこはオークに囲まれていた。
「どうやら罠だったようですね。」
「のようだな。くそ、お前ら行くぞ。」
掛け声とともに第3部隊全員がオークとの戦闘を開始した。私も黒魔術により、オークの足止めを始めた。
「眠りの牢獄」
この黒魔術は相手を夢の中のような幻覚を見せる。オーク達は足を止め混乱しているようだ。
「今です。」
兵士たちは止まっているオーク達を切りつけていった。
「さすがリズ、やるな。」
そう言いながらレムは大剣でオークを真っ二つにしていた。
(マルク……レムに勝つのはかなり遠くなりそうです。)
すると、奥から普通の大きさの2倍ほどあるオークが出て来た。
「あれがボブオークですか。あんなにでかいんですか?」
「いやあれはオークロードだ。」