24 女隊長と少年の恋心3
レムはフィーネ将軍にも引けを取らない実力と言われている。そんなレムに勝つとなると並大抵の努力じゃ無理だろう。
「そんな絶望の表情をしていては勝てるものも勝てませんよ。」
「で、でもリズ様。レム隊長は化け物みたいに強いんですよ。確かに頑張って努力はしていますが最近僕なんかが勝てる気がしないんです。」
「確かにレムは強いでしょう。でもマルク、君の愛はそんなものなんですか?レムに好きになってもらいたくて努力してるのではないんですか?」
「も、もちろんです。僕のレム隊長への愛とそのための努力は無限です。」
しかし、努力したところでレムに勝てるとは限らないし、勝てたとしても好きになってもらえるかなんて分からないだろう。でも……
「君の心意気はわかりました。私が力になりましょう。必ず君をレムに勝てるようしてみせましょう。」
「ほ、ほんとですか?」
「えぇ、友人のことをここまで思ってくれている人をほっとくことはできません。」
「ありがとうございます。リズ様。」
こうして私とマルクの訓練が始まった。
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「今から、マルクには仮想のレムと戦ってもらいます。」
そう言って私は黒魔術の幻術をマルクにかけた。今、マルクの目の前には仮想のレムが見えているだろう。
「これが黒魔術ですか?でも失礼ですがこんなので強くなるのでしょうか?」
「まぁ別に物理ダメージがあったりする訳では無いですが動きは私の知るレムと同等のはずです。イメージに勝てればある程度強くなれるでしょう。」
「確かに、それもそうですね。やってみます。」
そう言ってマルクは仮想のレムに剣を振りかざした。しかし、返す剣で一撃で攻撃を食らってしまった。
「あ、あと言い忘れていましたが攻撃を食らう度に精神にダメージを負うので気おつけてください。」
私の言葉をマルクは薄れる意識の中でも聞いていた。