02 兄上の恋愛相談2
私は黒魔術で呪われてからというもの何とか呪いをと解こう努力した。そして二つのことに気づいた。
一つは生まれて直ぐに呪われたおかげか私には黒魔術の才能があるということ。
二つ目はそれでもこの呪いは解けないということ。
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「実は兄上、最近新しく覚えた黒魔術に力になれるかもしれないものがあったんです。」
私は目の前にいる兄上に言った。
「力になれるって言うのはアーシアのために?」
「えぇ、それに兄上もきっと劇的なプロポーズができますよ。まぁ、"見ててください"」
そう言い私は兄上のそばにより頭に手を乗せた。
すると兄上が……
「目の前に自分が……!!!」
そう驚いた。
「いえ、正確には私の目と兄上の頭を繋いだだけです。今兄上は私の目がみている自分を見ているのです。」
私の説明を聞き、驚いた心を落ち着かせつつある兄上は、
「つまり、これを使えばアーシアは一時的に目が見えるようになると。」
「はい、そうなります。」
この黒魔術は感覚共有といい、相手の頭と自分の感覚を繋ぐものだ。相手が目の見える人かどうかは関係ない。
「しかし、目の見えないアーシアさんにとっては一時的に目が見えると言うのは少し酷なことかもしれません。」
目が見えない人が一時的にでも目が見えるようになるというのは希望と同時に絶望してしまう要因になりえてしまう。
「たしかに、それはそうだね。アーシアに聞いてみるよ。」
「いえ、兄上。アーシア様には私が聞いてみます。兄上はアーシア様が了承してくださった時のためにプロポーズの方法でも考えておいてください。」
「わかったよ……」
兄上は少し緊張した様子で返事をした。きっとプロポーズの方法を考えるのに戸惑っているのだろう。
「いいですね兄上、とてもロマンティックでキュンキュンするようなのを頼みますよ。」
兄上は更に緊張した顔つきになった。