15 戦場の恋4
「まぁ、兄様の恋の行方は一旦置いといて…この戦争についてはどうお思いですか?」
「今回の戦争はマルフィール王国が不作のせいで食料を求めて攻めてきたものだ。こんな戦いは不毛だと思ってる。」
「和解を考えで?」
「俺としては食料をマルフィール王国に貸す形で和解出来ればと思っていたのだが…既に泥沼化してしまっている。和解は無理だろう。」
確かにこんだけ戦争が続いていると相手も意地をはっているだろう。それにいくら優しいお父様も戦争のせいで国民がかなりの被害にあっているのに簡単に和解とは行かないはずだ。
「もう和解は諦めていると?」
「そうだな…和解はないな。マルフィール王国は和解の話も聞いてくれないだろう。」
「ならフィーネ将軍に和解を求めてみればいいのでは無いでしょうか?」
(フィーネ将軍に和解を持ちかければ兄様との仲も深まり一石二鳥な気がするのですが…)
「いや…彼女はかなりのバトルジャンキーだ。話は聞いてくれないだろう。」
フィーネ将軍はマルフィール王国1の戦闘狂だと聞く。確かにそんな彼女は話に乗ってこないだろう。
(いい案はないのでしょうか?)
私と兄様は考え込んだが、少し時間が経った後に私は単純に解決する方法を思いついた。
「フィーネ将軍がバトルジャンキーならば兄様が決闘で勝った上で勝者として話をすればいいだけじゃないんですか?」
「俺を同じことを思いついたのだが…冷静に考えれば、決闘に勝ったのに和解となるとこっちの兵士から反感が出るだろう。」
将軍同士の決闘にこちらが勝ったのに和解となったら兵士たちが不満を持つのは当然だ。
(なにか兵士たちの気を紛らわせる方法があれば……)
「兄様、明日の決闘の時は私も戦争に参加させてもらってもいいですか。兵士たちのことは私が何とかします。兄様は決闘に勝って、フィーネ将軍に和解を持ちかけてください。あと、ついでに仲も深めてきてください。」