12 戦場の恋1
私は呪いのせいで両親が少し過保護になっていてあまり政治に関わったりはしないのだが一度だけ戦争に行ったことがある。
そしてその戦争で付いた私のあだ名は
”呪われたドラゴン姫”だ。
まぁなんとも恥ずかしい名前である。
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今日は、珍しくお父様つまりはこの国の国王に応接間に呼ばれた。
「それで、お父様今日はどのような御用でしょうか。」
「実は、折り入ってお前に頼みがある……実は今、マルフィール王国との戦争に行っているライオスが珍しく苦戦しているそうなのだ。それの手助けに行って欲しい。」
ライオスというのは私の二番目の兄のことである。一番上の兄のライアンとは違い政治は得意ではないが戦術、武術、魔術の才能があり戦争では負け無しの男なのだ。
「そんな、兄様が苦戦する戦争に私が行ってもなんにもならないですよ。」
「ライオスがなぜ苦戦しているのか、お前の得意な黒魔術で解決してやれ。」
「まぁ、そこまで言うなら……」
「では頼んだぞ。」
こうして私は兄様を助けるために戦場に向かうこととなった。
戦場に着くと迎えの人が私を待っていた。
「リズ様、ライオス様がお待ちです。」
迎えの人に連れられ、兄様の元に迎かったがやはり戦場ということもありみんな気がたっていた。しかし、私の姿を見るなり皆会釈をしてくれた。そんなこんなで兄上の元に到着した。
「兄様、参りました。お久しぶりです。」
「あぁ、よく来てくれたリズ。どうもこの頃疲れていてな、お前の顔を見れてよかったよ。父上からは聞いてる…お前の力を借りたいところだが…そう簡単に解決出来ることでは無いんだ。」
「一体何があったのですか……」
そこで私の問いに隣にいた兵士が説明し始めた。
「実は相手の将軍がライオス様に決闘を申し込み、それを承諾したのですが……その相手の将軍って言うのが女性の方でして……」
兵士のその言葉に私は全てを察した……そう兄様は女性が苦手なのである。