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01 兄上の恋愛相談1

私は大陸でも有名なフォーネス王国で王族の子として生まれた。兄弟たちは全員男のため、初めての王女として私が生まれたことを街中で盛大に祝われた。


しかし、そのパーティで母上、つまりはこの国の王妃の恋敵であった、リオネス姫がそのパーティの最中、私に一つの呪いをかけた。


リオネス姫が国一の黒魔術師だったため………


また、王妃に対する強い恨みがあったことにより呪いはより強力なものになった。


そしてそのかけられた強力な呪いとは……………

 



 "恋ができない呪いだ"




――――――――――――――――――――――――――――――



 私の初恋は8歳の冬、城に来ていた貴族の男の子だ。


その子は体は弱いがとても優しく、私の呪われていることを知ってもなを気にかけてくれていた。


しかし、私が恋したばかりにその子は死んでしまった。


それからというもの私は恋をしなくなった……


しかし、恋に諦めが着いた訳でも無く恋愛そのものには憧れがあった。


だから人から聞く恋愛話、つまり恋バナこそが私の恋愛の全てである………



"恋バナがしたい"




「という訳です。兄上!!」


「なにがという訳なんだい?」


「つまり、私は恋バナがしたいのです。」


「だから、どういう意味だい?」


兄上はさらに聞き返してきた。私の目の前に座っているこの人は1番上の兄で名をライアン・フォーネスと言う。次期国王で、人柄・政治力・統率力オマケに顔までいい、なんとも完璧な人だ………


「私が恋愛できない分、人の恋愛話で心を踊らせたいという訳です。だから兄上がアーシアさんと普段どのようにチチクリあっているかを教えてください。」


「なるほどね……それよりもチチクリあうとか下品な言葉使ったらダメだからね。」


兄上は私の言葉に少し顔を赤くしつつも話をはぐらかすように軽く叱ってきた。


「話をそらさないでください兄上!!」


「いや…でもアーシアとは別に政治の話とかしかしないし……。」


「婚約者失格です、兄上」


「……。」


兄上はなんとも情けない顔をしていた。


前言撤回、この人は恋愛以外は完璧な人だ。


「しかし、そろそろアーシアさんと兄上は正式に結婚するんですよね。プロポーズとかしないんですか。」


「婚約を申し込んだ訳だから……まぁふたりっきりの場でって訳では無いけど………だから、なんだか今更感あるし……」


「それは、乙女の気持ちを全くわかっていませんよ兄上。しっかりとムードを作って正式にプロポーズすべきです。」


「確かに、それはそうだけど……」


兄上が悩んでいる理由は分かっている。兄上の婚約者のアーシアさんは生まれつき目が見えない。そのため簡単にムードだのなんだのとは行かないのだ。


何かいい案が無いものか……






 

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