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プロローグ
「ルリカ!」
兄の焦った悲鳴を聞いたときには、魔物がすでに、わたしに向かって剣を振り下ろしていた。
わたしは為す術もなく、呆然と、その剣を見上げた。
走馬灯のように、今までの思い出が駆け巡る。
___わたし、死ぬんだ。
死を覚悟し、目をつぶったその時だった。
誰かが、魔物とわたしの間に滑り込んできた。
そして、次の瞬間、温かいものがわたしに降りかかる。おそるおそる目を開けたわたしはその姿を見て、たまらずに叫んだ。
「お兄ちゃん!!!」
___それは、目の前を大好きな兄が血を流して倒れていく姿だった。




