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あなたに返すもの

あっけないほどドアは軽く開く。

サクラが電気錠を外してくれたからだろうが、

それにしてもあっけない。

ドアは開き、中に人影。

倒れているネココと、こちらに顔を向けている、色つき眼鏡の者。

見た瞬間、ウゲツの内側が暴発しそうな感覚。

こいつはネココに何かしたのかもしれない!

そう思ったら、散々兵士を殴ってきた武器を片手に走り出していた。

「待て」

相手は言う。

「待たない」

ウゲツはそう答えて、思いっきり武器を振り回す。

僅差でよけられた。

ウゲツは目を見開き、再度しとめようとする。

……待てって。

ウゲツの頭の中で、サクラが声をかけてきた。

相手はサカナ大佐といい、この戦艦の責任者。

ネココに外傷はない旨を伝える。

ウゲツは無視してまた、踏み込もうとする。

……早く首飾りを彼女に返してやらないと。

ウゲツは止まる。

そして、思い返す。

返しに来た。取り戻しに来た。

……だろ?それから逃げたり叩いたりでもいいだろ?

ウゲツはうなずく。

「彼女に首飾りをかけさせてください」

ウゲツは告げる。

サカナ大佐はうなずく。

「一級永久磁石がない兵器のお守りは、それなりに大変だったよ」

「お守り?」

ウゲツは聞き返す。

「まぁいい。使えるときに使えない兵器は、ただの危険物だ」

サカナ大佐は答えることなく肩をすくめて、言ってみせる。

「国には使えない兵器だったと報告する。君は彼女を取り戻す」

ウゲツはよくわからない。

それでもやるべきことはわかっている。

ウゲツは、倒れている彼女を抱き起こし、首飾りをかける。


部屋の空気が変わっていくのを肌で感じる。

危険物が、安全になっていくのを感じる。

それは理屈でない。

危険を察知する予感みたいなものが、肌で感じるものだ。


彼女が目覚める。

目の焦点がうつろではあるが、

確かに彼女は目を覚ます。

ほっとしたウゲツの後ろで、銃を構える音。

ウゲツは振り向き、サカナ大佐をにらむ。

「ここから、この高度から、どうやって逃げる気だ?」

サカナ大佐は問う。

「サクラがいってました。運命をつかみ取るようにできていると」

そうだろうサクラと、ウゲツは頭に問いかける。

サクラからの返事はなかった。

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