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醜く生まれ

コビトは、天狼星の町の中を歩いていた。

どいつもこいつも、調子っぱずれでぴりぴりとしていやがると、

コビトは思う。

電波が直接影響を及ぼしていると、

思うけれどコビトがどうにかできるものでもない。

ただ、コビトは道化になるしかない。

コビトというものがいることによって、

自分はまだ良い方なんだと思わせる。

そういう、道化になるしかない。


見目良く生まれたかったわけではない。

生まれてしまったものは仕方ない。

ただ、ちょっとの救いが欲しくないといったら嘘になる。

カミサマというものは、信じるものを救うという、

そんな与太話をずっと遠くの町で聞いた気がする。

この町にはそんなものは要らない。

コビトは直感的に思う。

この町はこの町で完結していると。

国が介入してくるのは、なんかおかしいと。

コビトは思うけれども、いつものように、行動に移すことはできない。


子供が泣いている。

子供は小人をみとめると、さらに激しく泣いた。

「泣くない」

コビトは短く声をかける。

「子供ってのは敏感だって聞くけどな、それでも泣くときは選べ」

子供は、でも、と、だってを繰り返す。

「コビト様はもっとひどい目にあったんだぜ」

コビトはそういうと、にたりと怖い笑みを作る。

そして、子供に向かって語りだす。

コビトの怖い思い出を、多少の脚色をつけて、

フクロに教わった噂の語り口を、多少、コビトなりに使ってみて。


「カミサマってのがその町にいてな…」


コビトは語る。

カミサマを信じるものによって、カミサマの作ったものでないものを、

どんどん狩って、きれいな町にしようとしていた、そんな町の話。

コビトは醜く生まれてしまった。

だから、カミサマの作ったものでないと。

狩られそうになるところを命からがら逃げてきた。

そんなコビトの話をする。


どれだけひどい目にあってきたかを、コビトは語る。

同情してくれとは思わない、ただ。


ただコビトは、泣き止んで欲しい、それだけで語った。

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