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やってくる

「中心が傭兵を雇った」

ついでのことのように、カガミは言った。

ここはギムレットの店。

ギムレットは少し前から、何かに取り掛かっているようだ。

カミカゼから何か伝達がいったのだろうが、

カガミはよくわからない。

それこそ、老頭の意思が、最近分裂している気がしないでもない。

三人で一つだったのが、なんとなく、違う気がする。

カガミはそんなことを思う。


「へぇ、傭兵か」

ギムレットは、少しだけ面白そうに返す。

「番人では役に立たないのだろうか……」

カガミは生真面目に思ったことを話す。

対して、ギムレットは含み笑いをした。

「戦いに命かけられるかってことさ。傭兵はそれが金なんだ」

「俺にはよくわからない」

「まぁいいさ。俺は俺は役目を全うする。それだけさ」

ギムレットはまた作業にかかる。

カガミがいようといまいと、という感じだ。

「ギムレット」

カガミは声をかける。

「おう」

「お前も逃げない、のか?」

「も、ってなんだ」

ギムレットは作業しながら、視線も向けずに返す。

「今までたくさんの人に問いかけてみた。逃げないのかと」

「逃げないだろう。俺はその理由を知ってるぜ」

ギムレットは愉快そうな、そうでないような、いつもの調子で語る。

「何かがやってこようが、みんなバカヤロウだからここを離れないのさ」

「みんなバカヤロウ?」

「そうさ、みぃんな、この町の愛すべきバカヤロウさ」


高音で金属の触れ合う不快な作業音。

カガミにはよくわからないけれど、ギムレットは確かに言った。

愛すべき、だと。

「そろそろ、国の先遣部隊が来るという話だ」

「そうか、なら、こっちも少し急ぐか」

ギムレットはそれきり黙る。

渦を巻くような大きな電装。

一体誰が何のためにと思わないでもない。


「オウムガイだ」

ギムレットは相変わらずかかりきりでつぶやく。

「こいつにバカヤロウが乗るのさ」


カガミが何か言いかけたそのとき、

あまり体感したことのない、揺れというものが襲ってくる。

「おいでなすったか」

ギムレットがつぶやく。

カガミは大体把握した。

国の先遣部隊なるものがやってきたらしい。

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