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作者: 雉白書屋

「だからさぁ! ビジネス用語を使えばいいってもんじゃねえんだよ! 言葉覚えたてのガキじゃねえんだかえあさぁ! 何だこの企画書ぉ! すぐやり直せ!」


 ……もうビジネスマンなのだから用語くらい使いこなせと言ったのは向こうなのに、この仕打ち。でも、これが社会人。新人。勤め人。ここが我慢のしどころか……。


 はぁ……、ええとコミットメントにスーパーバイザーにソリューション……エビデンス……リファレンス……サステナビリティ……イニシアチブ……ステークホルダー……いや、うん。ぱっと見ただけでこの量だ。癪だが先輩の言うように確かに多すぎたかもしれない。

 しかし、どうしようか。戻したところで今度は逆のことを言われかねない。そういう人だからな……。

 ちょうどいい塩梅で、ここをこうして直して……うーん、どこか味気ないなぁ。味気ない……? そうだ、ちょっと料理風に書けば面白いかもしれない。黒コショウにごま油に刻み炒めたニンニクとあとネギとそれから……おお、よしよし。

 と、ちょっと調味料を入れすぎたみたいだな、ふふん。なんてうまいこと言っている場合じゃない。味を薄めなければ。薄める……か。

 ガキーンキーンカキーン! ここはバリバリっといった感じでやってチーン! となるんでパミっとして、客ピッピにウワキンされないようシココシコのぐいゴぐいゴのアテンドして……うーんどうもなぁ、今度はライトライトな感じすぎるなぁ。

 もう少し、濃厚に……そうだ官能チックに……となるとハードボイルド風も入れなければな……で、アクションとあとホラーと残虐なシーンも入れて、あとはこうしてこれも入れて……おお、なんかいいぞ。筆が乗ってきたってやつだ。そうだ、それから言霊的なものも調べ取り入れて、それから黒魔術に宇宙に……。




「おう、書き直したか。どれっと……うんうん……じゅる、ゴクリ……パミミ……おうふっ、あ、あ、あ……フッー、やれやれ……ダァー! ……ヒッ……うっオエエエ! アブラマシマシ……ウキーッキー! はーい、三番線ダァーシェイリアス! ……ん? あ、あ、パルマラポリキキキ? アバンスベラトラカカカカ、ビバッ! キュレーション! キュレーション! ブアババババババババババアアアアアアァァァァァァァ!」

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