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エッセイあれこれ

翡翠海岸で翡翠(ひすい)を拾うなら知っておいてほしいこと

作者: 荒野ヒロ

翡翠拾いは宝探し気分が味わえます。

綺麗な石を拾うだけでもわくわく感があって、いいものですよ~


NHKの番組は途中から見たので、もしかすると石拾いのコツとかもやったのかな……?

 NHKで翡翠海岸のことをやっていたので、翡翠について語ってみます。


 新潟県から富山県までつづく海岸は「翡翠ひすい海岸」と呼ばれる、翡翠が拾える海岸として知られています。

 なぜ海岸で翡翠が取れるかと言うと、小滝川こたきがわヒスイきょうと呼ばれる場所から、川を流れて翡翠が海に出ていくからです。

(この翡翠谷での翡翠の採取は禁じられています)

 姫川などで採取するのはいいらしいです(数年前の話)。


 さて、その番組ではいろいろなタイプの人が石を拾っていました。

 中には子供もいて、その子供が翡翠について語っている言葉が一番、専門的でした。「キツネ石」とか「軟玉ひすい」なんて言葉まで知っているなんて、将来有望ですね!(学芸員になれるかも!)




 さてさて翡翠。

 翡翠はどんなものでしょうか。

 緑色で、キラキラしている宝石。


 うんうん、そうでしょう。その番組でインタビューされていた多くの人が、緑色の石を拾い集めていました。

 でも何人かの人は、白っぽい石を持っていましたね。──それはなぜか。


 翡翠海岸で取れる翡翠の多くは「白い石の中に緑色の部分が含まれる」ものが、圧倒的に多いからです!


 ちなみに翡翠の色は「緑」以外にもたくさんあります。白色、紫色、黒い翡翠なんてものも……

 ああ、それと、場所によっては「紫色の翡翠が見つかりやすい」(ラベンダー翡翠と呼ばれる)なんて言ってる場所もあるらしいですが、それはたぶん偶然でしょう。

 さらにこの海岸ではルビーも見つかったそうです。学芸員のかたに見せてもらいました。小さな、小指の爪より小さい原石でしたが。




 糸魚川市にある民宿に泊まってそこで話を聞いたところ、最近は翡翠が取れにくくなったそうです。なんでも波消しブロックを海に沈めたそうで、それが海岸にくるはずの翡翠を止めてるんじゃないか、なんて言っていました。

 わたしはその民宿のかたのご厚意で、新潟県糸魚川市にある「フォッサマグナミュージアム」という博物館のことを知り、そこで拾った石を10個ばかり翡翠かどうか、学芸員のかたに確認してもらえました。(学芸員がいないこともあるので、電話で確認してから行くといいでしょう)

 学芸員さんの話はためになりますよ! おすすめです!


 あ、ちなみに自分の拾った石は「流紋岩(火山岩)」「蛇紋岩」「軟玉翡翠(ネフライト)」「曹長石」「石英からなる変成岩」「角閃石岩(変成岩)」といったもので、ハズレでした。

 軟玉翡翠は中国では「ぎょく」と呼ばれ、価値のある石だとされているそうです。オリンピックのとき、メダルにその石を使用したものを作ろうとしてましたね。それくらい彼らにとっては歴史的に価値があるとされてきたのでしょう。

 翡翠は硬玉翡翠「ジェダイト」と呼ばれて、軟玉翡翠とわけられましたが、見た目は区別がつきにくく、軟玉のほうも「翡翠」と呼ばれているそうです(学術的には別物です)。




 ここで翡翠と()()()()()()偽物の石(()()()()と地元で呼ばれている石)について。


 それは蛇紋岩や軟玉翡翠といったもので、一見すると翡翠に似ています。というか下手をすると、翡翠の鑑定をできるくらいになった人でも見間違うらしいです。


 それではどうやって見分けるのか?

 ()()()()()わたしがお教えしましょう!


 それはフォッサマグナミュージアムでもらえる「翡翠探し」について書かれた紙があるので、そこに書かれたものを参考に説明しましょう!(ネタバレ)




 翡翠は細かな結晶が結びついて、表面に結晶が見えるものがあります。それは本当に針のように細かい、あるいは「繊維せんい状」とも言われるほど細かい結晶の集まりです。

 このキラキラした結晶の集まりが光を反射し、翡翠はほかの石の中にあっても「それとわかる」くらいに目立つとも言われます。

(海の中にキラキラ光る石があったら、それは翡翠かもしれません)


 そして翡翠の特徴はその密度ゆえに重く、とても硬いのです。

 ハンマーでたたくと、そのハンマーが丸くなると言われるほど翡翠は硬いです。

 重さも小さいものだとわかりにくいですが、大きなものになると、はっきりと重さがわかります。

 けど拾うのは小さな石ばかりなので、この方法は使えません。




 もし海岸で翡翠を拾いたいなら、いくつかコツがあります。



① 白い石を探せ。


② 角張った石を探せ。


③ キラキラした石を探せ。



 といった感じです。あくまで感じですよ。

 最初に説明したとおり、糸魚川などで採取できる翡翠は、白い石の中に緑色の線が入ってたりするものがほとんどです。


 そして2番目、これも大事。

 さきほど説明したとおり、翡翠はとても硬いです。

 大きな石が川を流れて海に出て、海岸まで転がり、無数の石のあいだで削られていきます。

 そうした石の中にある翡翠は、通常の石の部分が研磨けんまされ、()()()()()()()()()のです。「おにぎり型」などと呼ばれたりします。丸い石よりも、角のある石のほうが翡翠の確率が高いでしょう。

(重い石は軽い石の下に埋もれてしまいます。だからよけいに探しづらいのです)


 3番目のは感覚的なものですね。日光を受け結晶が光れば、海の中でも光り輝いて見えるかも。ということです。


 あとは石が濡れているとわかりにくいので、乾かすと翡翠の細かな結晶が見えることがあります。

 蛇紋岩の結晶と比べてみれば一目瞭然いちもくりょうぜんなので、サンプルを手に入れるといいでしょう。──わたしの場合は、泊まった民宿のご主人がご厚意でくれた翡翠があるので、それで比べられました。




 翡翠海岸は翡翠以外の石も、綺麗な石が多い海岸です。

 翡翠だけが価値のある石じゃないと思います。

 蛇紋岩も綺麗な表面をしているし、形もけっこう(多くは丸いですが)いろいろあります。見ていて楽しいのが原石のいいところです。

 いろいろな発見があるので、試しに翡翠海岸に行かれてはいかがでしょうか。

読んでいただきありがとうございます。

興味を持たれたかたは、ぜひ行ってみてほしいです。石ばかりの海岸は歩きづらい場所もあるので、対策をして行くといいでしょう。波打際は足首まで簡単に埋まってしまい、サンダルなどで行くと足の下に小石が入って痛いです。


フォッサマグナミュージアムは翡翠が多く展示されています。翡翠の装飾品は古墳などでも見つかっていますが、長くそれは国外からもたらされたものだと思われていましたが、実は日本でも手に入ることがわかったのはけっこう最近のことで、このミュージアムには翡翠の発見にある外国人が関わったりしていることも知ることができます。夏休みの自由研究の題材にいいんじゃないかな~


姫川薬石というものも翡翠海岸で取れます。この石はラジウム鉱石であり、微量の放射線が出ていて、昔から薬効があるとして使われてきました。

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