コント『ロボットのお仕事』
客「最近は何でもロボットでよぉ……あーあ、ここのラーメン屋もロボット式になっちまったか」
ロボ「いらっしゃいませ。スキャン開始──」
客「いきなりなんだよ。不審者じゃねーぞ俺は」
ロボ「ピポピポピホ……ピン!」
客「なんだよ!」
ロボ「──お一人様ですね?」
客「そうだよ! スキャンしてまで調べる事かよ!!」
ロボ「ご注文は?」
客「ラーメン」
ロボ「何ラーメンですか?」
客「チッ! だからロボットは面倒なんだよ! ラーメンっつったら普通は醤油ラーメンしかねーだろ!?」
ロボ「スキャン開始──」
客「今度はなんだよ!!」
ロボ「ピコピコピコ……ピン!」
客「早くしろよ急いでんだよ」
ロボ「──お一つですね?」
客「お一つだよ!! 俺一人で二つも食えるかぁ!!」
ロボ「麺の堅さを選んで下さい」
客「あー……普通で良いよ」
ロボ「1~100までの数字でお選び出来ます」
客「そいつはすげぇな。そういう細かい所は流石ロボットだわ。じゃあ70くらいで」
ロボ「だいたい70ですね」
客「だいたいってなんだよ!! 今細かいって褒めたばかりだそ! 俺の尊敬の眼差しを返せまったく……!」
ロボ「スープの濃さをお選び下さい」
客「これも1~100か?」
ロボ「0~100000000までです」
客「細かすぎるだろよ!! なんだよ0って! お湯か!? お湯なのか!?」
ロボ「指はお入れ致しますか?」
客「いらねぇよ! ロボが水に指入れんなよ!! 体張りすぎだろ」
ロボ「2分17秒。茹であがりです」
客「相変わらず細けぇな」
ロボ「麺の脱水に入ります」
客「湯切りって言え」
ロボ「ウィンウィンウィンウィン……」
客「おいおいお湯こっちに飛んできてるぞ!!」
ロボ「すみません……サービスでメンマ増やしておきます」
客「なんだそのお詫びプログラムは」
ロボ「ごメンマさい」
客「コイツプログラムしたやつ出て来い!!」
ロボ「完成です。お待たせ致しました」
客「お、見た目は美味そうじゃん。いただきます」
ロボ「スープから味わって下さい」
客「細けえってより、うるせえ頑固オヤジみたいだなコイツ」
客「ごちそうさま。まあまあ美味かったわ」
ロボ「ありがとうございました」
客「いくら?」
ロボ「醤油ラーメン一つでお会計700円です」
客「あ、一万円しかねぇわ」
ロボ「一万円入りまーす!!」
客「誰も居ないのにやる意味あるのかそれ?」
ロボ「スキャン開始──」
客「偽札じゃねーって」
ロボ「えーっと……10000円ひく700円は……ピロピロピロ……ピン!」
客「おいロボしっかりしろ!! 一番ロボらしくしなくちゃなんねー部分じゃねーか!!」
ロボ「──4700円のお返しです」
客「スクラップになっちまえ!!!!」