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積木君は詰んでいる2  作者: とある農村の村人
16章 クラスメイトとジム
99/131

☆99話 忙しない挨拶、赤髪美人のインストラクター達、ストレッチのお手本

※2023/10/16文末に美鼓心菜のイラストを追加しました!

※イラストが苦手な方はスルーで!

 土曜日、峰子さんのお父さんが経営するジム、プラチナジムにやって来た。

 ただ、現地集合の1時間前は流石に早過ぎた。


「それにしても……立派な建物だな……」


 4階建のビル丸々がジムで、プールにサウナ、食事処も完備だそう。

 外観を眺めるのもそこそこに、中で待ってる筈の峰子さんと、先に合流するのもありだ。


「積木くんリーダーうにー」

「あ、美鼓さん。おはようございます」

「来んの早くない」

「クラスリーダーが遅れたらアレなんで」

「さっすがー」


 ツンツンと肩を突いて来る美鼓さん。

 流石と言わんばかりに私服でもかなりアーティスティックだ。

 キャップ姿に色彩鮮やかなオーバーシャツ。

 左右色も長さも異なるタイツ。

 ごちゃ混ぜのペンキを被った様なスポーツバック。

 暖色系統が散りばめられた独創的な長髪も、一本束に纏めて背中に流してる。


「あ! 2人ともおはよう! 早いね!」

「鈴木さん、おはようございます」

「うにー今日もダイナミックな揺れ具合じゃん」

「もうー……揺れたくないのにー! 大きいのって本当にヤダー!」


 声を大にコンプレックスを切実に口にした鈴木さんは、確かに揺れが凄い。

 峰子さん級とまではいかずとも、上位級に君臨してるのは間違いない。


 ボーダーに白パンのシンプルコーデ。

 デコだしスカイブルーのセミロングヘアーも平常運転だ。


「おはよう」

「馬蝶林さん、おは……あ、あの、今日は私服でも良かったんですよ?」

「学生である以上、外出時は制服が適切よ」

「風紀員の鏡だね!」

「てか、着替えは持って来てる?」

「えぇ、この通りバッグの中……妹の体育バッグだわ、これ」


 明らかに2サイズ小さい体操服は、流石に着れないなと思ってる矢先。

 僅かばかりの可能性を信じ、シャツのボタンを外し着替えようとしてた。

 鈴木さんが全力で止めたお陰で、公衆の面前でのゲリラお着替えは回避。


「れ、レンタルウェアもあるそうですから、大丈夫ですよ」

「そうね、今回はお言葉に甘えるとして、次からは気を付けるわ」


 何事もなくボタンを閉め直す馬蝶林さん。

 ライムミントのストレートロングがお団子状態で、やる気は充分伝わってる。


 忙しない挨拶の中、ジムの出入り口からインストラクターコーデの峰子さんが姿を見せた。


「お、卓球チームが1番乗りか」

「おはようございます峰子さん」

「おはよ!」

「おはよう」

「うにー義刃さん」

「峰子でいいぞ」

「じゃ、峰っ子さんで」


 やっぱり生天目さんと似た者同士なだけあって、呼び方センスが似てる美鼓さんだった。


 ♢♢♢♢


 着替え終え、団体用スペースに来るも、美鼓さん達の姿はまだ無かった。

 待ち時間の有効活用で、先に準備運動を済ませれば、フォロー側の峰子さんの手伝いにもなるだろうから、善は急げだ。


 準備運動がてらジム内を見渡すも、団体用なのもあって設備が充実だ。

 ランニングマシンやエアロバイクを始め、数十種ものトレーニング器具。

 そして赤髪ショートのスレンダー美人インストラクターが目の前で屈んでる。


「って、しゅーちゃん?!」

「えへへ……びっくりした?」


 どうやら峰子さんから話を聞き、インストラクターとして来てくれたそうだ。

 インストラクターコーデだから尚分かる、引き締まったスレンダー体型は、まさにモデル顔負けだ。


 そのまま僕の準備体操をサポートするしゅーちゃんは、これでもかと言わんばかりに密着。

 詰み体質で不本意ながら人一倍、異性の身体に触れてしまう機会が多い。

 いつになっても平常心を保つのが難しいと、柔らかい感触に意識を持っていかれながら実感してる。


「お、東海の会長さんだ」

「本当だ! こんにちは!」

「何故にインストラクターの格好なのかしら……もしや、とても似ている別人?」


 美鼓さん達にあれやこれや詮索される前に、僕らが幼馴染であると簡潔に説明。

 花嫁話は抜きで。

 3人も混ざって準備運動を再開してると、峰子さんと一緒にもう1人インストラクターがやって来た。


「義刃蘭華です。姉様の右腕として全力でサポートします」

「という事だ。遠慮なく頼ってくれ」

「貴方は確か、西女の義刃蘭華さんよね。苗字も背格好も雰囲気も、峰子さんに似てるなんて不思議ね」

「姉様とは双子ですので」

「ほわー! 最強の双子って事だね!」

「ほへー」

「ふ、双子だとは想像出来ませんでした」


 今にも膝から崩れ落ちそうな馬蝶林さんは、ちょっとだけ抜けてる真面目さんだと、僕らはそう思った。


 ♢♢♢♢


 一足早い準備運動後、続々とクラスメイトが集い、集合時間前には全員が集まった。

 元々僕を含めてクラスに男子が5人しかいない中、唯一この場にいる同性が僕と青柳君だけ。


 普段の高校生活とは違う、男女比環境の詰み場を、青柳君と無事に乗り切らないと。


「では、卓球チーム以外は蘭華と秋子に従って、準備運動を始めてくれ」

「承りましたわ姉様」

「終わり次第合流する」

「あぁ。頼んだぞ2人とも」


 クラスリーダーの存在感が薄くなる程、峰子さんの指揮力は流石としか言いようがない。


 一旦しゅーちゃん達と離れ、峰子さんと移動して来たのは、ランニングマシンとエアロバイクのある場所だった。


「まず30分間、有酸素運動で体を温めつつ、基礎体力を付ける」

「えっと、どっちでもいいのかな?」

「好きな方でいいぞ」

「やっぴーランニング一択」

「私はバイクがいいわね」

「揺れの心配ないバイクで!」

「洋はどうする?」


 ランニングマシンなら、愛実さんと一緒にジョギングする時の練習にもなるから、答えは決まってる。


「ランニングマシンにします」

「分かった。丁度2対2なのも都合が良い」


 基礎体力付けなら、会話を交わせる運動強度が適切だそうだ。

 どんな事でも、無理に酷使して嫌になるより、自分が出来る範囲で継続するのが大事だ。

 それぞれ使い方を教わり、30分のタイマーがスタートした。


「へっほへっほ。進まないって変な感じ」

「ですね。まだまだ外は暑いですし、快適な室内の方が続けられそうですね」

「ホント、ジムはインドア派の味方。モニターで動画も見放題だし、分からなかったら聞けるし、最強過ぎるじゃん」

「まぁ、外は外なりの良さはありますけどね」


 それから僕と美鼓さんは、最近どんな動画を見てるか、夏休み何をしてたかと、何気ない会話を交えた。


 うっすらと汗を掻いて来た頃合い、美鼓さんがあの話題を振って来た。


「そういえば壱良木パイセンと同盟だっけ。あれ、どうなってんの?」

「今のところ怪しい動きはないですね。情報提供してくれてますし、随時情報も更新されてるので、中々纏めるのが大変ですけど」

「お疲れ山ーあ。ワタシもとっておきの情報入手方法思い付いちゃった」

「へ?」


 急に何を言い出したかと思えば、きょろきょろ見渡し峰子さんを手招いてた。


「ねぇ峰っ子さん」

「どうした心菜」

「あんさ? 自分達でもストレッチ出来るように、ストレッチ動画を残して共有したいんだけど、お手本になってくんない?」

「勿論構わないが、心菜が撮ってくれるのか?」

「んや、積木くんリーダーが」

「え」

「分かった。バイクが終わり次第撮ろう」


 間抜けなリアクションの僕を一目見て、ポッと頬を染めた峰子さんが離れていった。


「ちょ、ちょっと美鼓さん? 動画撮影と情報入手と何が関係あるんですか?」

「まぁまぁまぁ、今に分かるから。へへ」


 僕の肩をぽんぽんして微笑みかける美鼓さん。

 峰子さんのストレッチ動画で、どんなとっておきの情報が入手できるのか、全く見当がつかない。

挿絵(By みてみん)

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