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積木君は詰んでいる2  作者: とある農村の村人
5章 三つ巴ゲームイベント
35/131

35話 イベントの種明かし、反映される愛、バイトのお願い

 時間通り全員集合し、三つ巴オフ会イベントが本格的にスタート。

 くじ引き席替えは、僕・渕上先生・正面にマーシンさんと灯さん。


 マーシンさんは僕と同じテーブルになれ、全力ハグでホッとしてた。


 ただ灯さんや渕上先生を見ず、僕を見て来てるのが照れ臭くて戸惑ってる。


「みんなー! ドリンク持ったかい! 持ってるね! そんじゃ乾杯ー!」


 生天目さんの開催音頭で、オフ会が始まった。


「さぁさぁ私達も注文しましょうか! 私は3種のじゅんわりハニードーナッツ!」

「じゃあ、ベリーミックスパフェで。アンタは?」

「お、俺はコンソメフライドポテト盛りで! つ、積木クンは、どうする?」

「え、えっとー……ま、抹茶わらび餅で!」


 注文後、ドリンクバーに向かう渕上先生に続き、昨日の事を聞いてみた。


「あのー渕上先生」

「ふぅ? なになに?」

「その……どうして僕らの自陣に財宝を?」

「あー♪ サプライズだよ♪」


 どうやら僕らをこっそりサポートする目的があったようだ。

 もし対峙した際は、半殺して逃げようと、チームで決めたそうだ。


「にしては、全滅寸前でしたよ」

「えへへ~♪ 奥義で反撃されたから、つい反射的にね?」


 お茶目に小首を傾げる仕草は、何でも許せてしまう。


「お! やままーに洋君も注ぎに来たのかな?」

「そうでーす♪ 真中ちゃんはどこでもブラックコーヒーだもんね♪」

「職業柄、習慣は抜けないのよー。ま、美味しいからいいんだけど!」

「いいなーミルクと砂糖沢山入れないと飲めないから、羨ましい! 積木君は飲める?」

「あ、甘党なのでカフェオレが、ギリギリです」


 緑子先生に聞きたい事があったんだ。


「そういえば緑子先生って、デストロイとペイン、どっちなんですか?」

「私はペインさ! しずずーがデストロイね」

「あーだから、あの時……」


 ペインが生天目さん達を助けた理由が、ようやく判明した。

 

「しずずーって加減が苦手だからさ? ちょーっとアンデッドを様子見しに行ったら、案の定、空たそのチームが大ピンチ! マイエンジェルの仲間を助けない訳なかったよね!」

「あの時、僕一人じゃどうしようもなかったんで、本気で助かりました」

「いやいや~まぁ、マロンたその中身が違えど、空たそに貢献出来たからいいのさ!」


 どこまでも空に対する愛に迷いがない。

 関心を示していたら、渕上先生がちょいちょいと僕の服を摘まんでた。


「ねぇねぇ積木君。真中ちゃんがスターニンジャじゃないって、分かったの?」

「え? あ、あー……呉橋会長と忍さんの名前をミックスしてるって、分っちゃったんで……」

「「あー……」」

「しののーは昔から、ヒカリん愛が年中無休で爆発してたもんね。あ、今もか」

「うんうん。私が北高に就職決まった時も、星ちゃんの事を頼まれたもん」

「渕上先生ほど心強い人が見守ってれば、安心ですもんね」

「えへへ……そ、そうかな?」


 現に北高生徒達から絶大な信頼を得てるんだ。


 立ち話もそこそこに、戻る道中でも軽く昔話を語ってくれた。


 静香さんの初依頼作品が、忍さんと呉橋会長のペアマグカップだったり。

 緑子先生の初投稿漫画を皆で手伝ったり。

 忍さんの壊滅的家事スキルを全力で改善したり。

 渕上先生の生徒役を皆でやったり。

 仲睦まじさを感じれる話に、ほっこりした。


 テーブルに戻ると、灯さんとマーシンさんが話してた。


「へぇー美容学校通ってんだ」

「ま、まぁ、素人に毛が生えた程度ですけど……」

「最初そんなもんだろ? 立派に独り立ちした日には、お姉さんが労いに行ってやんよ!」

「きょ、恐縮です」


 どうやら一方的に灯さんが話しかけてる感じだ。

 見た感じは、怖い女先輩に絡まれる、気弱な後輩男子と言ったところだ。


「そんな畏まんなよ! な?」

「は、はいっす」

「今度は私達が注ぎに行く番だ!」


 コップ片手にマーシンさんを引っ張り、ドリンクバーに向かった2人。


 相性的にもお似合いな2人を、渕上先生と納得しながら椅子に座ると、ゴリリンさんとガオガオさんが来た。


「ガオガオさんにゴリリンさん……ですよね?」

「はい。ガオガオこと戸羽女(とばめ)麗央(れお)です」

「ゴリリンの剛山(ごうざん)メリアだ」


 とりあえず座って貰い、本題を切り出して貰った。


「実は積木さんに、折り入ってお願いがあるんです」


 要約すると、8月初めに海の家バイトの人材確保を任されたらしい。


 夏休み中のバイトも許可されてるし、力になりたいのは山々だけど、流石に一人じゃ心細い。


「あの……マーシンさんには聞いたみたんですか?」

真人(まひと)さんは、外見のイイだけのポンコツなので、客寄せパンダ的な役割で誘いましたけど、無理でした」


 酷い言われようだけど、マーシンさんこと真人さんを知る戸羽女さんが言うのだから間違いない。


「できれば、あと数人人材が欲しいので、お友達にも声を掛けて頂けませんか?」

「僕の友達ですか?」

 

 詳しい日時を聞くと、バイトは3日後だそうだから、今日中に聞かないとだ。


 戸羽女さんと連絡先交換し、ペコペコと戻る2人を見送り、カルピソを飲んで一息。

 ふと視線を感じると思えば、ニコニコの渕上先生だった。


「か、顔に何か付いてますか?」

「ううん? 積木君って頼もしいから、先生も頼っちゃおうっかなーって思ってたの♪」

「是非とも頼って下さい! ……ハッ!」


 あまりの可愛らしいお言葉に、ついつい本音が漏れ、一気に恥ずかしさが込み上げた。

 よしよし撫で撫でされ、より恥ずかしくなった。

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