127話 感度の上がるお尻、お腹下の境目、母性覚醒、硬いデカいアレ
ニヨニヨ顔の霞さんは、ご所望の箇所を早速チョンチョンと指差してた。
「って事でよー尻を揉み解してくれー」
「ちょ、直接的過ぎるんで、別の箇所の方が……」
「さっさとやれい」
力付くで掴まれた手を、お尻へと強制フィットイン。
プリっと張りがありつつも、吸い付く艶肌が手の平一杯に広がった。
胸とは違う柔らかさに、多種多様なフェチズムがこうして生まれるんだと、理由が少し分かった気がした。
何がともあれ、繊細な異性の身体は、丁重に扱わないとなんだ。
目の前のお尻は視界に入れず、手の平だけに集中し、優しく揉み解しを始めた。
「あーコレは……人をダメにする系のヤツだー……」
「や、やめます?」
「ダメになるまでやってくれ……」
「て、適度な所で勘弁を」
揉み解しが進むにつれ、脚がモジモジと動き、最後の追い込みで若干力加減を上げた所、キュッと内股になって手を掴まれた。
「……か、感度上がっちまうわ」
「へ? あ……す、すみません……色々と……」
「あ、あーしが頼んだんだし、洋は何も悪く無いってーの」
揉み解しを強制終了した霞さん。
去り際に自分のお尻に触れ、ピクンと身体を反応させ、チラッと僕を見て顔を赤らめてた。
なんだか申し訳なく、心の中で反省会を開き、次なる相手に備える僕に、案の定里夜先生がムギュッと背後から抱き締めて来た。
「わたし、超絶に安産型ですので、是非とも色々と確かめてみませんか?」
「そろそろ眞燈ロさんに言いますよ」
「しょ、しょんにゃ……しょぼぼん……」
いざって時の対策で、眞燈ロさんが直々に名前を出して良いと許可してくれてるんだ。
効果は覿面、眞燈ロさんには感謝の一言に尽きる。
「り、リーダー?」
「へ? お、大米さんも何かして欲しいんですか?」
「う、ううん!? う、ウチはその……リーダーに日頃のお礼をしたいの」
「日、日頃のお礼? そ、そんな事してましたっけ?」
思い当たる節で言えば、クラスリーダーの仕事ぐらいだ。
それも皆の力や支えがあってこそ成り立ってんだ。
大米さんにはむしろ、お礼してもしきれないぐらい僕より頑張ってくれてるんだ。
そんな僕の理解してなさそうな間抜け面に、大米さんはクスッと笑ってた。
「ふふ、凄くしてるんだよ。でね、何がお礼にいいか、色々考えてる内に思い出したの」
「?」
「リーダーが日焼けフェチだって」
「え、あ、いや?! た、確かに健康的で好きではあるけど、ふぇ、フェチじゃないですよ!? 喫茶店の時にも言いませんでした?!」
「言ってたね。だから、お礼には及ばないけど、好きなだけ見ていいよ」
だから、の意味に少々理解が追い付かない中、大米さんは恥じらいつつ全身がよく見える様に、距離を縮めて来た。
全身小麦肌の愛実さんと違い、普段衣服で守られてる胸やお腹は白いままだ。
過度な露出よりも、不意に見えた方がグッと来る。
そんな感覚に似たものを感じる。
「間近で見たら……境目……くっきりと分かりますね……」
「え?! あ、あぁ! 日焼けの!」
「?」
急に物凄く動揺して、真っ赤な顔でたらたらと汗を流してる。
しきりに自分のお腹より下に視線を向けてるけど、お昼時もあってお腹が空いてるのかもしれない。
瑠衣さん達のお願いと違って、健康的な日焼け肌を見るだけで良く、目の保養にもなって癒された。
鑑賞後、いそいそ離れた大米さんと入れ替わりで、心菜さん、爽さん、野乃花さんが若干照れ臭そうにやって来た。
「さ、洋クン。いよいよワタシ達の番」
「私達が積木君にしてあげるからね!」
「お好みの行為はあるかしら? 特に無ければ、お任せになるわよ」
詰み場によるお任せ程、怖いものはない。
幸い選択の余地があるのなら、健全な手のマッサージをお願いしよう。
「じゃ、じゃあ手のマッサージで」
「ほい来た得意分野。任せろい」
「卓球してたら手疲れるもんね!」
「日頃の感謝を込めて、やらせて貰うわ」
椅子に座り準備完了するも、3人ともなると1人溢れる気がする。
もしくは交代交代でやるのかもしれない。
1人で納得してる中、僕の上に爽さんがムチっと、対面式で跨り座った。
「あ、あの……そ、爽さん?」
「ちょ、ちょっとムチムチだけど、こう見えて癒されボディーって言われてるの!」
「つまりそういう事よ」
「爽チンボディーで癒されろい」
「積木君! 私で癒されて! えい!」
「むぅぷ?!」
強制生肌胸埋めで、谷間の深みへと沈めるだけ沈められた。
それプラス、新陳代謝の良さで、体温湿度が共にサウナ状態。
両手もニュチャニュチャとマッサージされて、一種のトリオ技を決められてる気分だった。
ただ不思議なもので時間が経つにつれ、サウナ胸埋めも段々心地良さを覚え、何だかんだで癒されてた。
「ほい、マッサージ完了」
「もういいわよ、爽ちゃん」
「これがお母さんの気持ち……」
「マザートリップしちゃってるじゃん」
「ほら爽ちゃん。積木君は貴方の赤ちゃんじゃないのよ」
野乃花さんと心菜さんが引き剥がしてくれ、数分振りの新鮮な空気を吸い、ボーッとしてた頭を元に戻した。
「ごめんね積木君……おっぱい出なくて……」
「え」
「あーこりゃ、母性覚醒の前兆じゃん」
「覚醒するにしても、まだ未熟だわ。とにかく今は、爽ちゃんと積木君の距離を離すのが先決よ」
よく分からないまま、ずるずると2人に引き摺られた爽さん。
母性覚醒が一体何かは分からないけど、首を突っ込まない方がいいらしい。
なんだかんだ癒されたと実感してたら、六華さんと峰子さんの2人が来た。
「私達も洋にしてあげる側の人間だ」
「峰子は後ろから、私は正面からハグってやるから、立て」
「は、はい」
身長差が最もある2人のハグサンド。
アンバランスな2人だけど、大層ご立派なものをお持ちになってるから、かなり緊張はしてる。
「洋、いくぞ」
「は、はい」
「おっ立てても大目にみてやっから、大人しくしとけ」
前口上を合図にハグサンドが発動。
六華さんの胸潰しインナー無し状態での、生肌真っ正面ハグは、身長差もあってお腹でギューっと柔らかな感触が広がり、新鮮な気持ちになった。
峰子さんの背後ハグは、里夜さんに似てる様で似てない包容力で、安心安全が保証出来てる。
「なんかお前に触れると、落ち着くんだよな……ん? こ、この硬いのって……お、お前……」
「へ?」
「ど、どっちに意識向いてんだ、お前?」
「え?」
意識が向いてるで言えば、珍しさ補正のある六華さんになる。
「し、強いて言うなら……六華さんですかね?」
「んなっ?! ……ま、マジか……こ、こんなデカいもん無理だっての……」
ハグ状態で表情が見えないものの、声色が明らかに変わってる。
そしてモジモジグイグイと僕の下腹部辺りで、身体を動かして何かを確認してる気がする。
六華さんの言動を振り返り、僕のアレに反応してるんだと分かった。
「あ、すみません、六華さん。気が付かなくて」
「ふぇ?!」
「今出すんで、一回離れて下さい」
「え、そ、そんなみ、皆がいるこ、ここでぇ?! ま、待ってぇ!? こ、心の準備がぁ!?」
何故かワタワタと大赤面する六華さんに、僕は見せつける様にソレを取り出した。
「予備の卓球ラケット、当たってましたよね」
「ま、紛らわしいもん変なとこに入れんぁあああ!」
「ぐべぇ?!」
渾身の鳩尾パンチからの頭突きを食らわし、プンスカ怒って離れた六華さん。
か弱い威力でも狙い所が的確で、それなりにダメージがあった。
「大丈夫か、洋」
「は、はい。ぼ、僕がこんなとこにラケットを持ってたのが悪かったんで、六華さんのお怒りも妥当でした……」
「意味合いが違うと思うが、とりあえず独り占めしていいか?」
「も、もうしてますよね」
「ふふ、だな」
密着が増したハグを数分やって貰い、離れ側にラケットに視線を向けてたので、なんとなく手渡した。
「ほぉ……成程……洋のアレはこのぐらい……ふむ……参考になるな」
ラケットの持ち手を入念にニギニギ触れ、何故か谷間にも挟み込んで1人納得する峰子さん。
ラケットを返す流れで、最後にギュッと抱擁した峰子さんの次は、いよいよオオトリの愛実さんの番だ。




