126話 教室詰み、綺麗な背中に日焼け止め、脚全域マッサージ、肩揉み正面派
1-Bの教室前へと着くと、女性陣の楽し気な声が、中から聞こえる。
昼休みから10分ちょっと経ってるんだ。
先に仲睦まじくお昼を食べてても、なんら不思議じゃない。
雰囲気を損なわないよう、元気良く教室の扉を開いた。
「少し遅れちゃいましー」
楽しいお昼ご飯光景ではなく、女性陣の絶賛着替え光景がそこにあった。
数秒の沈黙後、ハッと我に帰り扉を閉めようとするも、背後から誰かの手が伸び、閉めるのを阻止された。
同時に背中に柔らかな感触を感じ、恐る恐る後ろを振り向いた。
妖艶な笑みを溢す、里夜先生の顔が目と鼻の先にあった。
「り、里夜先生……」
「ふふ、さぁ一緒に中へ入りましょう」
グイグイ身体を押し付けてで強制的に入れ込まれ、教室詰み(着替え中)が。
教室にいる10名弱もの女性陣は、白い目で見るどころか、ウェルカムな眼差しだ。
「いやーそのさ積っち? 更衣室で着替えるってなったらさ、激混み待ったなしじゃんか?」
「でーどうせ教室で昼飯食うならーそこで済ませちゃえば一石二鳥ーって感じー」
「洋が来る前に済ませるつもりだったが、皆の鍛えられた身体を見て触れて楽しんでる内に、こうなってしまったんだ」
「他意はないんだよ♪ ホントだよ♪」
「で、でしたら、今すぐ着替えに戻って下さい!」
説明中も着替え途中姿なもんだから、聞く耳立てるどころじゃないんだ。
多少隠すなりしてくれるならまだしも、誰1人としてそんな素振りはせず、着替え途中姿を晒したままだ。
もし心許してくれてるのだとしても、異性としては心臓にとても悪いから、今すぐにでも考えを改めて欲しい。
兎にも角にも、渋々と着替えを再開した女性陣に、ホッとした。
かと言って、いつまで見てたらダメだ。
教室の扉に向き直すも、行手を塞ぐように迫力ボディーの里夜先生が立っていた。
「何処へ行くつもりですか?」
「こ、こっちのセリフです。着替えが終わるまで教室の外に」
「その必要はありません。むしろ静観なさるべきかと」
「い、いやいや! ただでさえ、この場に男の僕が紛れてるだけでヤバいんですよ? それなのに静観するなんて絶対ダメんぷぅ!?」
目にも止まらぬ動きで胴体に手を回され、グッと引き寄せて強制胸埋めをされた。
ピーピー小煩い口を塞ぐには、胸埋めが手っ取り早かったに違いない。
「いいですか。球技大会の期間中、皆様は体に鞭打ち、頭も働かせ、心身共に疲れてます。そして彼女達は特に、心のオアシスとの時間を削られ、色々と溜まってるのです」
「ふぉ、ふぉふぁふぃふ?」
「えぇ。ですので、オアシスであるつみき君に、彼女達は見て欲しいのです」
クルッと身体を振り向かされた。
愛実さん達も僕に視線を向け、見て欲しい空気を溢れ出してた。
自分が今、赤面してるのが分かるぐらいに、顔が熱いけど、愛実さん達が望むのならば、もうやるしかない。
「わ、分かりました。さ、最後まで着替えを見届けます!」
「ふふ、それでこそつみき君です」
女性陣にも聞こえた様で、嬉しそうに楽しそうに着替えを再開。
ひたすら無心で静観するも、一つ一つの動きが色っぽく、視線を思わず逸らしてしまいそうになる。
「ねぇねぇ積木君♪」
「へ? な、何ですか瑠衣さん」
「日焼け止めで届かないとこ、塗って欲しいの♪」
「え」
下着姿の前傾姿勢もあって、ググッと大きな谷間が強調されてる。
水着には無い異性の色香に、動揺を隠せない僕に、ニコニコと何か手渡した瑠衣さんは、背を向けて下着を外し、まっさらな綺麗な背中を晒した。
「じゃあ、お願いね♪」
手渡された日焼け止めクリームから、早く塗ってとプレッシャーを感じる。
瑠衣さん自身も催促のくねくね動きと、チラチラと視線を向けてる。
この手のシチュエーションは、今に始まった事じゃないんだ。
平常心を保って、いつも通り接する様にやればいいんだ。
背中にクリームを適量垂らし、手の平で優しく触れた。
「あっ♪」
「す、すみません!?」
「あはは♪ 気持ち良かったから、思わず声が出ちゃっただけだよ♪」
「そ、そうですか……」
塗り広げる度に可愛らしい声を上げ、ピクピク身体が反応するものだから、平常心の足腰はガクブルだ。
「んっ♪ ふぅぁ……気持ち良かった♪ 上手だったよ♪」
「きょ、恐縮です」
「わたしも全身を隅々までやって欲しいと、切に思いました」
「り、里夜先生……」
「本気ですよ?」
「余計にダメです」
残念そうな顔を見せ、Yシャツの胸元ボタンを開放し、準備だけ虎視眈々と進めてた里夜先生。
そんな里夜先生とのやり取り後、ペタペタとした足音が、目の前で止まった。
「積木! オレもやって貰いてぇ事があんだけどよ!」
「あ、ありすさんも? で、でも立派に日焼けなさってますけど……」
「違う違う! オレのは脚マッサージだ! ほれ!」
「わ!?」
「そんじゃ、頼むぜ!」
マッサージ用ローションをポイっと投げ渡し、近くの椅子を持ってドカッと座り、美脚を伸ばしてきたありすさん。
足の指先を器用に動かして、急かして来てる。
瑠衣さんと同じ要領でやる、たったのそれだけの事だ。
「ザッと足先からモモまでよろしく!」
「……や、やらせて頂きます!」
脚全域というハード内容に覚悟を決め、美脚にローションを適量垂れ掛け、指先から足裏、ふくらはぎへ指先を滑らせた。
幸い、瑠衣さんみたいな反応はなく、非常にリラックスした声が漏れてた。
「おぉ……いいぜー積木……専属のマッサージ師になって欲しいぐらいだぜ……」
「あ、ありがとうございます」
褒めて貰えるのは素直に嬉しい限りだけど、次は問題の太ももゾーンなんだ。
格好と箇所も箇所なだけあって、極力視界を外しても、青の下着がチラ見えするかもしれない。
それでも最後までやり切るのみ。
「で、では行きます……」
「おぅ! っぉ」
水泳で洗練された美脚は、しなやか且つ張りがあり、女の子にしかない柔らかな感触もしっかりとしていた。
手先が思わず気持ち良くなれ、気付かない内に夢中に手先が動いてた。
「んっく……や、ヤバっ……く、クセになりそうだぜ……」
「……病みつきになりますね……」
「あっ……ちょ、ちょっとそこ弱いかも……っ」
ありすさんがじわじわと太ももを閉じてこようとも、ひたすら付け根方面へと手を動かし続けた。
そして青い下着が視界に入って数秒後、太ももが急に閉じられ、手がギュッと挟まれ止められた。
「あ」
「あ、あんがと! き、気持ち良かったぜ!」
スポッと僕の手を抜き取り、タオルで脚を雑に拭き去ったありすさんは、珍しく顔を赤くして離れた。
ぬちゃぬちゃな両手の僕に、里夜先生がソッとタオルを渡してくれた。
「ありがとうございます」
「いえ。今度は是非わたしがつみき君に、全身を使ってヌルヌルマッサージを」
「それ以上はマズいです」
「健全でも?」
「ダメです」
いつの間にか下着姿の里夜先生が耳元で、誘惑する様に囁いてくるも、ダメなものはダメだ。
豊満な胸を腕に当てて、更に甘く囁かれてる中、ヌッと人影が目の前に現れた。
「私も構わないかしら、積木君」
「へ? な、長平さんもですか? い、一体何を……」
「肩を揉んで欲しいの」
「へ? あ、肩ですか? いいですよ」
両刀使いとして野球の主戦力になってる長平さん。
肩揉みの一つや二つ、お安い御用だ。
長平さんが椅子に腰掛け、長い脚を組んで向き合う形になった。
「さぁ、やって頂戴」
「……え。しょ、正面から……ですか」
「正面派なのよ」
本当にそんな派があるのかは正直、表情変化が無いから全然分からない。
けれど、特大級の胸を持ち上げる腕組みと、ジーッと見透かされそうな視線が、肩揉みの催促をしてる。
一度引き受けてしまった以上、お引き取りするのはあり得ない。
気合い注入の頬叩きをして、肩揉みを始めた。
見た目じゃ分からなずとも、確かに硬さを感じて凝ってる様だった。
「上手ね。お金出してでもやって貰いたいわね」
「そ、そうですか?」
「えぇ。見ての通り、発育の良い大きな胸だから、疲れが出ると肩が凝るのよ」
「た、大変ですね」
「そうなのよ。だから、胸の周りも解して欲しいの」
胸周りを解そうものなら、細心の注意を払おうとも、きっと触れてしまうのは目に見えてる。
それでも長平さんのご希望ならば、一肌脱がせて頂くだけだ。
数分後に肩揉みを切り上げ、1番被害の無さそうな上胸部から側胸部、そして下部の順に解しを開始。
優しく繊細に動かす度、ふるふると胸が揺れ動き、軽く汗で肌が艶めいてるのもあって、谷間からたぱたぱと音が鳴ってる。
気が気でない胸解しを数分こなし、相変わらずな表情のままな長平さんが言葉を放った。
「もう大丈夫よ」
「あ、りょ、了解です」
「……かなり楽になったわ。機会があれば、またお願いしたいわ」
「け、検討しておきます」
スッと立ち上がった長平さんは、感謝の軽い胸埋めをしてきた。
表情に出ずとも身体は正直なのか、体温が少しばかり熱く、心臓の音も早い気がした。
長平さんが離れ、ホッと一息付く間も無く、重量感のある柔らかな感触が、肩周りに乗っかって来た。
「知ってますかつみき君。大きな胸はお手頃な所に乗せると、非常に楽になるんですよ」
「だ、だったら、僕の肩でなくてもいいのでは……」
「つみき君の場合は、お手頃ではなく特別なので、乗せないといけないのです」
胸をグイグイ押し付け、嬉しそうな声を漏らす里夜先生に好き放題されてると、新たな人影が目の前に現れた。
「次ーあーしの番なー」
足長美脚の後ろ姿を見せる霞さんは、一体何をご所望なのか思考を巡らせる一方。
峰子さんや心菜さん達も、ソワソワと順番待ちをしていて、まだまだ終わりそうになかった。




