俺tueeeeeeは求めてない
主人公はコツコツと強くなりたい派
洞窟を出て草木が生い茂る森に入る。
「……しっかし、暑いなぁ……」
「ゲンヤあつい?」
「ん?ああ……ガイアは暑くないのか?」
「ぜんぜん!」
「そっかー、まあ、ほぼ服着てないもんな」
一応、替えの服を着せようとしたが、かなりぶかぶかで動きにくそうだったので、腰の布以外は身につけれていない。
…まあ、街に行ったらどうにかしよう…。
(右から2つの生命反応を受信しました。
明確な敵意をもって襲ってきています)
「了解、ガイア!」
「ヤー!」
これで3回目か……本当に神託さんに索敵を頼んでよかった。
最初は頭に直接警報が鳴って死ぬかと思った……。
おっと、敵さんのお出ましか。
「「ガァ!!!」」
「また、狼かよ」
「ヤー!!」
奇襲しようと襲ったところをガイアが合わせてカウンターをする。
と言っても、まだ戦闘経験の少ない俺たちは、戦闘経験豊富かつ、敵の縄張りと言うこともあってそこまで深い傷を与えられなかった。
っと、冷静に観察してる場合じゃないな、流石に1:2では分が悪い。
ちょうどもう一匹の狼がガイアに迫ってきてるし、防ぐか。
「オラァ!」
「キャイィィィィィ………」
「あ!また、調整をミスった!」
「さすが!ゲンヤ!まけてられない!」
「ガルルルル…」
まあ結果オーライ、これで1:1にできたし。
やる気満々で剣を構えるガイア、それを睨みつける狼……もちろん先に動いたのはガイアだった。
「ヤー!!」
「フ……ガ!」
「ッツ〜!」
しかし、それは華麗に避けられて剣を持つ腕を噛まれた。
「大丈夫か!」
「ッ〜もん……だい…ないっ!」
「!?」
ガイアは噛まれていない腕を使って狼の顔を何度も何度も殴り、そして…。
「ヤー!!!」
狼はガイアの打撃に耐えられず、ガイアは狼の牙を耐えきった。
「お疲れ様、怪我したところを見せてくれ」
「うぅ〜…」
「結構深いな…確か、光属性魔法に…あった…?」
[光属性魔法]
光球 回復 即時回復 光線 光雨 中位回復 持続回復………
まあ、いつも通り項目が多いのは置いといて、なんか回復系にも色々あるのか?
(速さは即時回復、回復、持続回復の順ですが、回復量はその逆であり、さらに、即時回復は少し痛みを伴います。
ご注意下さい)
「なるほど、それなら持続回復」
呪文名を言うとガイアの体が少しだけ光って見えた。
分かりにくいが傷口も少しずつ治っていっている。
「!すごい!痛くない!」
「まあ、あまり無理せず戦おうな」
「わかった!」
そう言って、治った腕で剣を振って答えた……分かっているのだろうか……。
にしても今どこらへんだろうか…真っ直ぐ言っているつもりなのだが…。
(地図で現在地を表示しましょうか?)
「あ、お願いします」
(かしこまりました)
地図を広げて見てみると、赤い点の他に緑色の矢印が増えた。
…お!もうそろそろ、道が見えそうだ!
「ガイア!もう少しで道につくぞ!」
「ヤー!」
よしこの調子で……ん?そう言えばこの世界でゴブリンって…
(人類の敵である魔物の一種であり、許可印を持っていなければ連れて歩くことができません)
「え!?」
「!どうしたゲンヤ!」
「あ、いや、なんでもない」
ま、まずい。
許可印なんて持ってないし、このまま道に出て街に行こうものなら、俺捕まってしまうんじゃ!?
(そうですね)
そうですねじゃなーい!
どうにかできませんか!?なんか、こう、収納とか…。
(収納であれば、空間魔法の異空間をお勧めします)
へー、それなr
(ただし、現在のMPの1,000ほどを減少させます。)
え、あ、はい……なんだろう…大きい数字のはずなのに小さく思える…。
「とりあえず、異空間」
呪文名を言うと目の前に真っ白な穴が開いた。
「どれどれ…結構広いな…ガイア、少しここで待っててくれないか?」
「う〜?分かった〜」
「すぐに…は無理かもしれないが早めに迎えに来るから、その間は素振りでもしておいてくれ。別にやらなくても良いけどな」
「ヤー」
ガイアが開いた穴に入っていった。
…そう言えば、ガイアの飯とかは…神託さーん
(召喚術で召喚され、さらに従属した場合、召喚者のMPを必要な分だけ吸収します。
なお、物理的な食事も可能であり、それでMPを補うこともできます)
なら、別に良いか…………て言うことは、最初から上位とか特位とかしなくて正解だったか…。
とりあえず、早く街へ行って許可印をもらいに行かなければ。
戦闘描写は難しい。
ちなみにステータス表記に力等の身体値はありますが、神族である主人公はすでに身体がどこかのヒーロー並みに強いので、もはや伸びるのはMPくらいのため身体値の表記がありません。
次回:親の顔より観た光景