ハリウ○ド系イケオジって渋くて良いよね
地図を見ながら男を3人引きずり、足元とたまに出てくるバッタを倒し、入り口まで戻って来れた。
「あ、ハーネットさーん!」
「おお、もどら…!?何事ですかな!」
「あ、いやー、なんかこの子がこいつらに攫われてたっぽくて…」
「むむ、ややや!こ、コレット様!?」
ハーネットさんが女の子を見るや否や声をあらげて驚いて目をまんまると開けていた……という、やっぱりこの子ってお偉いさんなのね…。
「これはいけない!ゲンヤ殿、すみませぬがその者達は上に上がってすぐ右にある兵舎まで運んで事情を話しておいてくだされ!自分は急ぎこの事を兵長殿に報告せねばならぬが故」
「え、ああはい」
「ああそれとコレット様はゲンヤ殿と一緒に行動なさってください、それでは!」
「ええ分かり…行ってしまいましたね…」
「え、ええ、そうですね、ではおr、私たちも」
「そうですね」
そう言ってコレットさんの後ろから男達を引きずりつつ…と言うか立ちそうにないからめちゃくちゃ階段に当たってるけど痛く…いや、なんか立とうとしてるし立たせてからついて行くことにした…。
「結構長いですね」
「そうですね、休みますか?」
「あ、いえいえ、このくらい平気です!これでも少しは鍛えているので!」
「へー、そうなんですね」
「はい!あ、出口が見えてきました!」
コレットさんが指さす方向に光が、街の光景が薄ら見えてきた。
やっと、地上…と言ってもそこまで時間経ってないな、まだ日もあるし…。
「えっと、ここから出てすぐ「あれですよ!」え、ああほんとだ」
「私よくこの兵舎に来るので覚えてるんですよ!」
「へー、意…そうですね」
意外って言いかけたけど、あまりそう言うことって言わない方がいいよな?お偉いさんだし。
そんなことを考えていると兵舎の方から他の兵士が身につけている軽装を身につけた女性がこっちに向かってきた…へー女性の兵士っているのか…。
「あ、バイオレ姉様!」
「おお、私の愛しいコレット!無事だったか!良かった…ん、君は?」
「え、お、私は冒険ギルドに所属しているゲンヤと言います」
「おお、君が私の愛しいコレットを悪漢達から見事救ってくれたのか!話は聞いている!ありがとう!!」
そう言ってずいっと近づいて空いている左手を両手で上下に力強く振られた…け、結構力強いなぁ…。
「お姉様、ゲンヤ様が困っていますよ」
「おお、これはすまない」
「あ、いえ、問題ないです、はい…それでこいつらは」
「それならついてきてくれ、コレットはもうすぐ迎えがくるが、この件について聞きたいことがあるから少し時間がかかるがいいか?」
「はい、お姉様」
「よし、では案内しよう」
そう言ってバイオレさんが歩き出したので歩こうとしたら、捕まえている奴らが逃げようともがいていたため、めんどくさいから足も縛って引きずることにした。
「よし…ああ、すみません」
「いや、別にいいが重たくないのかな?」
「ああ、それなら問題ありません、鍛えてますので」
そう言って引きずって見せると、ならいいか、と納得して案内を続けてくれた…。
兵舎に入るとすぐに捕まえた奴らが他の兵士に連れて行かれた。
「さてと、ではこの件に関しては「副長!」ん?なんだジャーラ」
バイオレさんが、いかにも真面目!という感じのジャーラさんに呼び止められた。
「兵長がお呼びです!」
「む、そうかならジャーラ、コレット達を」
「いえ、コレット様方も一緒にとのことです!」
「そうか、わかった、さがっていいぞ」
「は!」
そう言って敬礼してから、駆け足で遠くに行った。
「それでは、行くとしよう、こっちだ」
結構進んで2階に上がり、奥の部屋についた。
いかにもお偉いさんが居そうな立派な扉の上に“兵長室”と書かれている。
コンコンコンコン
「入ってくれ」
部屋から低い老人の声がした…兵長ってお年寄りなのかな?
「失礼します、バイオレ、今回の件被害者方を連れてきました」
「お久しぶりです、ジョゼン兵長様」
「うむ」
そう答えながら椅子をこちらに向けて、こちらを見つめてきた…うわぁ、ハリウッ○とかでよく見るイケオジって奴だぁ…。
「君が報告に上がったゲンヤ殿で良いかな?」
「は、はい!冒険者ギルドに所属しています!ゲンヤです!」
「ほほほ、そうかねそうかね、
さて、ここまで来るのは疲れたであろう、そこにかけてくれ」
そう言って俺、コレットさん、バイオレさんの順に座った。
座ったと同時に飲み物を持ってきた人が入ってきて目の前に置くと、そそくさと退出した。
「私の紹介がまだだったね、私はこの街の兵士の長のジョゼン=クラバス、まあ兵長でもジョゼンでも構わん」
「で、ではジョゼンさんで」
「うむ、それで本題なのだが、ある程度のことは報告されておるから、その確認をする」
そう言ってジョゼンさんが手元の資料をめくり
「まず、コレット」
「はい!」
「攫われたとあるが、その経緯を教えてくれんか?」
「はい、と言っても今日は屋敷の庭でお茶をして居たら突然ローブの男が現れて、そしたら何故か眠気がして、気がついたら捕まっていて…」
「ふむ、ローブの男はゲンヤ殿が捕まえた男達の中にいたかね?」
「はい!ローブが一緒でしたので」
「ふむ…ありがとう、それでゲンヤ殿」
「は、はい」
「ゲンヤ殿はどの辺りで男達を捕まえたのかね?」
「えっと、ちょっと待ってください、地図を…あった、ここです」
そう言って地図を広げて見えやすいようにジョゼンさんに見えやすい角度で捕まえた場所を指さした。
「ふむふむ…なるほど、ありがとう、これで聞きたいことは以上だ、時間を割いてくれてありがとう」
「あ、いえ、問題ないです」
「はい!お役に立てて良かったです!」
「そうかねそうかね、さてゲンヤ殿の報酬金は下の…む?」
ジョゼンさんが急に話を止めて扉の方を見る…ん?
なんか近づいてk
バタンッ!
「コレット!!!無事か!!!」
設定メモ
一つの街には必ず兵団があり、そこに兵長といくつかの隊で街を守っている。
なお、周辺の村などは近くの街の兵団が兵を派遣している。
次回:親バカ




