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俺は平凡な人生を送りたい  作者: ハズカシダリア
18/27

美味しい店ほど隠れている…多分

大体なんでも食べれる主人公です。

「助かったよ、また頼みたいぐらいだ」

「あはは、できれば使用人を雇ってほしいですねーそれではー」

「ははは、考えておくよ」


 絶対考えてないだろ...まあ、これで3軒目か、全員が学者ばっかりで薬品やら資料やらがぐちゃぐちゃで魔法きれいにした後、整頓に疲れたわ...。


 ゴーン...ゴーン...ゴーン...


 もう昼か、この近くでおいしい食事処はー

(肉系であればそこを右へ野菜系であれば左へお進みください)


 あ、ありがとうございます。

 んーむ…野菜かな、とりあえず案内お願いします。


(かしこまりました)





 路地裏をあっちこっちと進んでいく。

(そこを右に曲がって、少し先の右にあります)


 お、やっとか、にしても人があまり居ないなぁ。

 まあいいか、お店はやってるかな?


「すみま「あん?」…」


 中を覗くと、山賊のような男と目が合った。


「え、ええっと、ここって御食事処ですかね?」

「当たり前だ、看板もある」


 そう言われて少し外に出て探すと“森人の食場“と書かれた看板がひっそりとかかっていた。


「あ、本当だ…」

「それであんたは客か?」


 …どうしよう、神託さんは美味しい店として紹介してくれたんだろうけど、どう見ても料理できるような人ではない。


 …いや、逆に考えるんだ…マンガとかアニメとかでこういう人ほど実は凄かったりするし…よし!


「はい、おすすめでお願いします!」

「分かった、席に座って待ってろ…おすすめェ!!」


 !?席に座ろうとした時、急に山賊さん(仮)が大声で怒鳴る。

 何かまずいことを…と思ったらどうやら厨房の方に言っているようだ。


「あいよぉ〜」


 厨房からふんわりとそして穏やかな返事が返ってきた。

 ということは、山賊さんが作るわけじゃないのか…ほ…。


「にしても、あんた」

「は、はい!なんでしょうか!」

「あー、なんつうか…よくこんな場所に来れたな?」

「あー…まあ、ぶらついてたらたまたま目にとまったんで…」

「ほぉーん…」


 なんだろう…この間は…すごく気まずい…。


「あんた、何者だ?」

「へ?」

「その見た目的に商人か?」

「ああなるほど、違いますよ、これでも冒険者ですよ」

「ん?そうか、武器がなかったのもあって、てっきりな。

 そうか、冒険者か…間違えてすまん」


 そう言って頭を下げられた…!?


「あああ!?いえいえ、そんな、頭下げなくていいですから!?」

「ん?そうか?」

「はい!全然!気にしてないので!」

「そうかそうか…ありがとな」


 そう言って頭をかいていると、


「サンちゃん、サンちゃん、お料理運んで〜」

「あいよ!」


 山賊さんが厨房の方に呼ばれてそちらに向かっていった。

 そしてすぐに厨房から料理と一緒に戻ってきた。


「はい、お待ち」

「おお!」


 なんか木製のボールにキャベツみたいな葉野菜と何の肉かよく分からないけど美味しそうな薄くスライスされた肉にドレッシングがかかってるし、盛り付けがシンプルで食べやすそう!


「うちのおすすめの…あーっと……」


 …………え?

 まさかおすすめの料理名忘れてる?

 すると、厨房の方からスラッとした体型の女性がひょっこり出てきた。


「サンちゃん、まだ料理名覚えてないの?」

「仕方ねぇだろ、一々料理の名前なんて覚えなくとも美味けりゃ良いだろが!」

「もー、ごめんなさいねーお客さん、それね、『グラァジラス』って言ってーうちのおすすめー…と言うより、出せる料理ってそれしかないんだけどねー」

「あ、そうなんですね、それじゃあいただきます」


 木製のフォークで先ずはキャベツっぽい野菜を食べる。


 パリッ…

「!おうぃひぃい!」

「だろうな」

「良かったー」


 瑞々しく、パリパリとした食感、そしてドレッシングがこのキャベツっぽい野菜の少しだけある苦味を優しく包み旨味に変えている。


 続いてスライス肉と一緒に食べると、今度は肉が舌の中で溶けたと錯覚させるほど柔らかく、そこに野菜が入り、さらに旨味が上がった!!



 そして、いつの間にかボール一杯に入っていた料理が綺麗になくなっていた!


「ふぅー…ごちそうさまでした!」

「「おう(はい)」」

「いゃ〜とっても美味しかったです、その〜…グラジラス!」

「ふふ、ありがとうございます〜後、発音はグラァジラスですよ〜」

「んなのどうでもいいだろ」

「あはは…それでお代は?」

「580Rだ」

「分かりました」


 そう言ってカードを取り出して支払い、出入り口に手をかける時、少しだけ振り返って


「…また、来ても良いですか?」

「おう、いつでも来い」

「良いわよ〜また来てね〜」

「はい!」


 そう言って外に出た。

 さてと、次の仕事に行くか…ってここってどこら辺なんだろうか?


(次の仕事場までご案内します)


 …そうですね、よろしくお願いします。


(かしこまりました)


 …午後も仕事頑張るとするか!

設定メモ


”森人の食場“

山賊あがりの店主の男(サン=ゼリデア)と森人の里から修行のために出た料理人の女(ミラゼ=ゼリデア)が切り盛りする御食事処。

グラァジラスという鹿に似た魔物の肉と自家製のキャッベにミラゼの秘伝のドレッシングを使った料理。


ちなみにサンは最初の頃に出てきた山賊の初代頭だったが、ミラゼに一目惚れして仲間達の引き止める声を叩き伏せてミラゼにその勢いで告白した。


なお森人は俗に言うエルフと同じ感じのため、見た目は若くても…という場合が多く。

ミラゼは里の掟(ある一定の歳になったら外へ出る)と料理の修行のために出ており、告白にOKしたもののサンの事は子どもっぽく見ている。


なおミラゼの強さは主人公と神を除いてこの街の最強である。



最後までありがとうございます。

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