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俺は平凡な人生を送りたい  作者: ハズカシダリア
17/27

生活魔法の実態

遅れました、よろしくお願いします。

 ..........


「ぅ...うん?ここは...あー」


 起きて自分の部屋じゃなくて少し戸惑ったが、すぐに思考が回復して昨日のことを思い出した。


「うー...んっと、あれ?」


 起きてもう一つのベッドを見るといるはずの人物がおらず、というかすでに布団がかたずけられていた。

 あれか、冒険者の朝は早いってやつか。


「って今は」

(ただいま6時35分38秒です、もう少しで日が昇ります)


 な、なんだ、まだ日が昇ってないのか...。

 それなら二度寝...


(失礼ながら申し上げます)

 

 ん...なんでしょうか...。


(今の時間帯は冒険者や商人が仕事に動き出しておりまして)


 なるほど...なるほ...。


(ゲンヤ様のような新人の場合仕事も限られますので動き出したほうがよろしいかと)


 ...


「...起きるか...」


 朝の異様な布団への執着から逃げ、背伸びして食堂へ向かう。



「あ、お客さん」

「おはようございます、食堂空いてますか?」

「はい、朝食はお肉とサラダとスープのどれでしょう?」

「あー、スープで」

「かしこまりました、お席でお待ちください」


 そう言って店員さんが奥の厨房に注文を伝えに行った。

 俺は言われた通り空いていたカウンター席に着いた。


 席に着いて1分もしないうちにスープとパンが出てきた。

 パンはフランスパンみたいに少し硬い。


「パンはスープにつけるとおいしいですよ」

「へー、ありがとうございます」

「はい、ごゆっくり~」


 店員さんに言われた通り、パンをちぎってスープにつけて食べる。

 甘くないパンに少し味の濃いスープが絡み、朝としては少し重く感じた。

 まあ、これはいずれ慣れるだろうし、慣れないならどうにかすればいい。


「ふぅ、ごちそうさまでした」


 そう言って、皿を戻し、会計を済ませて冒険者ギルド...の前に昨日役場でガイアのための許可印を取りに行くとする。



 役場に着くと朝というのもあってまだ人は昨日より少なかった。

 昨日の受付の場所まで行く...昨日の役員さんとは違う人だが、大丈夫だよな?


「すみません、昨日ここで許可印を注文したゲンヤなんですが」

「はい、少々お待ちください」


 耳のとがった役員さんが奥へ向かい、すぐに小さなタグを持って戻ってくる。


「こちらが従魔用の許可印です、お確かめください」

「へーこれが...」

「使用する場合は従魔に向かって使う意思を願えば従魔にあった形で従魔に装着されます」

「なるほど、ありがとうございます」

「いえ、ほかにご用は?」

「あ、ないです、はい」

「そうですか、またのご利用お待ちしております」

「はい、ありがとうございました」


 そう言って俺はそそくさと出口に向かい、冒険者ギルドに向かう。




 冒険者ギルドに着くとそこはまるでデパートのセールでの混雑と同じような光景だった。


「うわぁ...」

「おや?ゲンヤさん」

「へ?」


 名前を呼ばれた方を見ると昨日の登録の時の職員さんがいた。

 え~っと...名前は...。


「え~っと、おはようございます」

「おはようございます、そういえば昨日名乗っていませんでしたね、ここでギルドマスター補佐をしています、ドドラ=ベベヌと申します。

 ドドラで構いません」

「あ、ご丁寧にありがとうございます」

「いえいえ、それより今から依頼を受けに?」

「そうですね...でも」

「あははは、まあ、冒険者を始めたばかりの方は誰もが驚きますよね。

 まあ、昔はもっと酷かったようですが...」


 これより酷いって...。


「それよりこの人混みのなかでいい依頼とれるかな...」

「そう思いまして、こちらで斡旋している依頼がありまして...」

「え?」

「と言ってもこちらはこの街の住人の方々の依頼が主で外での仕事がないんですよ」

「なるほど、それでどんなのが」

「受けていただけるのですね!」

「!?」


 筋肉ムキムキのマッチョマンに急に手を握られてビックリしたぁ...。

 というかそんなに喜ばれるのか...。


「では、こちらに」


 そう言って席に...なんか机の上に積み重なってる書類がみえる...もしかして。


「ああ、ご安心ください」

「ぉお、よかった」

「全部やってもらうわけではありませんので、それでですね」


 そう言っていくつかの書類を手に取って渡してきたのでい見てみる。

 どれどれ...部屋の掃除に、下水道の掃除、兵舎の掃除に風呂掃除...。


「掃除ばかりですね」

「そうですね、失礼ながらゲンヤさんが"生活魔法"を使えると聞いたので」

「え?そうですけど」


 この魔法って普通に持っているものなんじゃ...。


(生活魔法というのは無属性魔法であり、誰でも使えますが覚えるにはそれなりの家事能力が必要となるため使い手が少なく、持っていたとしても魔力量によっては自力の方が早いのです)


 なるほど、じゃあ俺ってすげぇ家事ができる人間ってことか、まじかよ...。


「それで、こちらの依頼受けていただけますか?」

「え、まあ、報酬も良いですし、こちらこそお願いします」

「おお、ありがとうございます、それではよろしくお願いします」


 とりあえず昨日やった通り依頼にギルドカードをかざして登録してドドラさんに別れを告げてギルドを出て一番楽そうな部屋掃除の依頼人のところまで向かう。

設定メモ

ギルドカードがなかったときは依頼書の奪い合いが起きたり、それによる書類の劣化や破損が起きたり、書類を盗まれたりと色々事件が起こったりした。


無属性魔法のほとんどは何かしらそれに関することを勉強したり実践しなければ覚えられないものが多い。


次回:無双()しますよ!

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