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俺は平凡な人生を送りたい  作者: ハズカシダリア
16/27

王族って大変だよなぁ

とりあえず前回のあらすじ

襲われたけど完璧なセコ◯のお陰で助かった

 振り向くとそこには木に絡まった人が居た。


「!?」

「な!?」


 絡まった襲撃者とそれを雇ったと思われるグレムは驚き、俺の方を見る。


 え、いや、え?


「どういうことだ?なんで?あ…あーそういうことね」


 グレムに聞こうとしたけど、すぐに理解した…。

 多分、グレムはここの国の王族でお忍びで来ているのだろう。

 しかし、何か良からぬ事をして兵士に捕まって牢屋へ。

 そこで俺が名前を聞いてしまったから口封じってことか…。


「いゃ〜口封じされなくても話さないし、なんなら今の今まで忘れてたし…」

「ど…どういう事だ…完全に不意打ちだっただろ…」

「ん?まあ、見事な不意打ちだったけど相手が悪かったな」


 と言っても俺は神託さんのおかげだけどな!


「とりあえず、俺はお前のことは話さない、今日あったことは全部なかった、これで良いだろ?」

「………本当に話さないんだな?」

「男に二言はねぇよ…大体お前を脅す理由がない。

 あってもやらんがな」

「…そうか…」

「私の言った通りでしたね、坊ちゃん」


 そう言いながら店の奥からさっきのおじいさんが出てきた。

 と言うか、坊ちゃんってやっぱり…。


「失礼しましたお客人、私はフコと申しまして、グレム坊ちゃんの教育係をさせていただいております」

「あ、どうも、ゲンヤって言います。

 作法とかよくわからないんで、そこら辺は許してください」

「いえいえ、さきに無礼を働いたのはこちらなので…坊ちゃんも謝りなさい」

「坊ちゃんはやめろよ…ゲンヤすまんかった」

「いいよ、命に別状無いし…それよりそろそろ解除した方がいいか」


 そう言って木に絡まって完全に身動きができない人を見る。

 神託さん、これってどうやって解除したら?


(解除しますか?)


 あ、はい。


(かしこまりました)


 神託さんがそう言うと木が幾何学模様の中に吸い込まれるように引っ込んでいった。

 拘束されていた人は静かに着地し


「申し訳ありません主」

「いや、相手が悪かったし、不意打ちにも関わらず合図をバレバレにした俺も悪かった」

「いやいや、普通なら気づかなかったし、あの合図もカッコよかったぞ?」

「「………」」


 俺がそう言うと2人とも無言で俺を見た。

 ん?なんか変なこと言ったか?


「まあでも、こういう時って最初に『黙っててくれ』とかなんとか言ってダメだったら力づくってのが普通?だと思うがな」

「………」

「ほほほ、私の言ったことそのままですね?坊ちゃん?」

「あーそうだよ俺がじじいの言うこと聞いてたら良かったんだろ!」

「ほほほ、逆ギレとはまだまだ未熟ですなぁ」

「おじい、説教は後にして」

「そうでしたな、まあ、お客人実のところ今回の件でお客人を密かに追跡させていただいていたのです」

「え?そうだったんですか?」


(はい、ただ襲ってくる気配がなかったので報告しておりませんでした」


 あ、そうなのねー。

 できれば、そういうのも教えて欲しかったなぁ…。


(かしこまりました、今後はそうさせていただきます)


 お願いしまーす、となんか話が進んでるな


「それで今回の件のお詫びと言ってはなんですがこちらをお納めください」


 そう言うとフコさんが後ろの棚にあるお酒が入ってそうな瓶を渡してきた。


「あ、お酒は…」

「はい、ですので先ほど飲んでいただいたヴィクサーです。

 なくなったら、またここに来ていただければ、下のものに言っておきますのでお気軽にお越しください」

「え、いや、そこまでして頂かなくても…」

「先ほども言いましたが、これは王族の責任問題ですので…」

「……よくわからないけど、まあ、そこまで言うなら貰っときますね」

「ありがとうございます」

「…にしても一国の王族がこんなところに…お忍びですか?」

「ん、そんなところだ…というか別に言葉遣いとか気にしなくていいぞ?別に王族っていっても「坊ちゃん」坊ちゃんはやめろよ!」

「いいえやめません、それより坊ちゃん、いくら坊ちゃんが王族であってもしっかりと王族であるという自覚を持ってください」

「分かってるよ、でもじじいが昔から言ってんだろ?

『王族とは民に寄り添い国のために働き世界とともに生きろ』って」

「坊ちゃん、民に寄り添うというのは民と同格ではなく民目線になってということであって、王族という肩書を疎かにするという意味ではありません」

「だー難しいんだよじじい、そういうのは真っ直ぐ言ってくれよ!」

「坊ちゃんなら分かると思って、あえて言わないでおいたのですがね…」

「う、うるせぇー、どうせ俺なんか所詮第2王子だよ。

 兄さんや姉さんのように頭良くねえんだよ」


 そう言うとグレムはグラスに3分の1ほど入っている液体を飲み干し、カウンターに伏した。


「ぅぅ…」

「御師様、今日はそのくらいで…」

「そうですね、ゲンヤ様今回はご迷惑を」

「良いですよ、二度も三度も謝られても困るんで、

 それじゃあ、夜も遅いんで寝ますね」

「左様でございますか、それでは」

「ええ、それじゃあ」


 そう言って入ってきたドアを出ると大通り近くの小道に出ていた?どゆこと?


(先程の老人のスキルによるものです。

 宿ですとここを出て右側にあります)


 へー、なんかジ◯リの作品であったような…。

 まあ、いいや、とりあえず宿にでも帰って明日から頑張るかぁー


 全く異世界での初日が日を跨ぐレベルのイベント揃いって…アニメの主人公とかよりよっぽど大変だよな俺って…。

設定メモ

この世界での1日について

なんと1日24時間であり、1月は30日である。

というものの現地の人にとっては

陽が登れば働き出す、陽が落ちれば家に帰って過ごす。

というだけであり、朝、正午、夕方の3サイクルのみ鐘が鳴らされるだけである。

なお、地域によっては1時間毎に鳴らすところや、大時計などもある。



最後までありがとうございます。

次回もゆっくりお待ちください。

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