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俺は平凡な人生を送りたい  作者: ハズカシダリア
14/27

どこの世でも大事なことは同じ

また長いですがよろしくお願いします

 街の門を通り少し急ぎ足で冒険者ギルドを目指す。

 日も傾いて少し人通りも多かったため歩き難かったが、なんとか冒険者ギルドに到着した。

 …が、オーリー達と逸れてしまったため俺だけだ。

 幸い神託さん情報によると別に変なことに巻き込まれていないようだ。


 夕方に近いせいかギルドの中も人が大勢で、受付前も人で一杯だ…どうしたものか。

 そう思い辺りを見回すと


「ん?なんだテメェ見たことねぇやつだな」

「はい?」


 後ろから声がして振り返ると眼帯をつけた大男が立っていた。


「あ、どどうも、今日冒険者になったゲンヤと申します」

「ん?ああ、なるほどな…それよりなんか探してんのか?」

「あ!そうでした!さっきゴブリンソルジャー?ってのに追われてて「なんだと!?」うひっ!?」

「それは本当なんだな!!」


 大男の大声にビビりながらも縦に何度もうなずく。


「ほかに何か居たか!?」

「え、えっと、ゴブリンが複数居ました、はい」

「となると…おい!ヴェリー!ヴェリーはどこだ!!」

「ここです、さっきからうるさいですよ()()()()()


 大男が名前を呼んでいるといつの間にか近くに俺より少し小柄な男子が居た…というか!?


「長ぁ!?」

「ん?ああそういやぁ自己紹介忘れてたな、俺はバンガー。

 ここで副ギルド長やってる、ついでにいやぁ、こいつが」

「こいつではありません、ヴェリー=ウォルナートです。

 ここでギルド長をやっています。

 それより、なんのようですか?見たところここに来るのは、はじめてでしょうか?」

「あ、えっと、まあ、そうですね?」

「?」

「んなことより!そのゴブリンソルジャー達は!」

「ほぉ…ゴブリンソルジャーが…」

「一緒にいたジャグラさんとフラムさんが足止めしてくれたので逃げ切れました…」

「なるほど…一応、応援を読んだ方がよろしいですね。

 報告ありがとうございます」

「あ、はい」

「「ゲンヤ!」さん!」


 報告を終えると同時にコロンとムサシが俺の名前を呼びながら入ってきた。

 良く見ると息を切らしながらオーリーも付いてきていた。


「おや?どうされましたか?」

「え!?だ、誰?このk」


 次の言葉を喋ろうとした瞬間ヴェリーギルド長がコロンとの間合いを詰めて口を塞ぐ。


「おっと私はここのギルド長です。

 子供扱いはやめてくださいね?」

「…ぷは!?ギ、ギルド長!?」

「君たちもゲンヤ君と同じ件でしょう?

 そこのテーブル席にでもかけておいて下さい。

 こちらも色々手配するので」


 そう言ってヴェリーさんがカウンターに行き、何か話すと職員さんが引っ込み、紙を渡されると依頼板に貼ると、こっちに真っ直ぐ来た。

 依頼板が貼られた瞬間、何人かがすぐにギルドカードで依頼を受けていた。


「とりあえず、ジャグラとフラムなら問題ないだろうし、あの辺りは2日前に王都から冒険者を護衛につけた商人が来るから大丈夫だ」

「え?それなら何をしに?」


 誰もが疑問に思った事をムサシが代表するように聞く。


「あれは調査依頼さ。

 今回みたいな異変があれば高ランクの冒険者に頼んで調査するのんだ。

 まあ、ここは高ランクの冒険者が常駐してるから依頼を貼れば良いから楽だけどね」


 なるほど…さっきの人たちが高ランクの冒険者か。


「それよりも襲われた時の様子を聞かせてくれないか?」

「あ、はい」「分かりました」


 俺とムサシが主に今日の出来事を話しつつ、要所でオーリーとコロンが話す。






「なるほど、それじゃあ今日は初依頼のだったのか…おや?」


 話し終えてギルド長が話をまとめていると、ギルド長の目線が入り口に向いて、全員が振り返るとそこには、


「「「「あ!」」」」

「おう!無事だったか!」

「ん、ギルド長か、という事は」

「話は聞いている、とりあえず今日はありがとう」

「なに、良いってことよ!」

「当然の事だ」

「ゴブリンソルジャーは!?」

「おう、この通り」


 そう言うとジャグラが腰につけていた袋から子ブリンより大きい魔石を出す。


「良かった…怪我は…」

「おう、途中でクラウ達…他の冒険者と合流してこの通り怪我も無いぜ!」

「やっぱり合流できたか、それでほかに何かあったか?」

「そうだな…ゴブリンソルジャーを倒したのに他のゴブリンが慌てる様子が無く、しかも、戦況が不利になったらすぐに逃げやがって追えなかった」

「ふむ…」


 フラムの話を聞いて考えこむギルド長。

 が、すぐに顔を上げて、


「ああっと、君達は今日は帰って良いよ。

 しっかり依頼の報告をしてからね」

「「「「分かりました」」」」

「よろしい、それで…」


 俺たちにそう言うとすぐにジャグラたちから話を聞いていた。

 ちなみにその時にここに来るまでに見た冒険者達もいたから顔を隠しながら報告してギルドを出た。


 ちなみに薬草の依頼の報酬は300Rと少し安いがそれでも初めての報酬は少し嬉しい。

 子ブリンの方は1000Rと高かった。


「それじゃあ、約束通りゲンヤ殿に何か奢るとしましょう」

「おいおい、別に今じゃ無くても良いぜ?

 報酬だってそこまで多くないんだから、余裕ができたらにして良いぜ?」

「いや、そんなわけには」

「そうですよ、それに僕たちがこうして助かったのもゲンヤさんのおかげでもあるんですよ?」

「んー?そうか?」

「そうよ、お父さんも言ってたけど、人として命を助けてもらったらちゃんとお礼しないといけないって言ってたし!」

「んー」


 どうしたものか…正直この中で何故か一番歳上の俺が奢られるのか…どうせ明日ささっと狩ってくるし問題ないしな…

 あまり高いものは無理だしかと言って安いのもダメそうだよなぁ…

 ん?あれが良さそうだな。


「なら、あの屋台の飯で頼む」


 そう言って俺が指さしたのはいかにも祭りの屋台のような屋台であり、そこでは焼き鳥?を焼いていた。


「どうせ宿に戻れば食べれるけど、少し小腹が減ってな」

「む、そうですか」

「それに今日という日の記念にみんなで食おうぜ?」

「あ、それ良いじゃん!」


 どうやらコロンのセンス的にはオッケーだったようだ。

 3人がそれぞれお金を集めて、ムサシが4本買ってきて、全員で空いていたベンチに座った。


「それでは、いただきます」

「いただきます」

「「?」」

「なんですか?それ?」

「ん?これは某の国の習わしですが?」

「俺も昔からやってることだけど?」

「へーなんか意味があるの?」

「某の国では食材となった命に感謝するという意味があります」

「俺のところもそんな感じだ」

「ふーん、じゃあ私も、いただきまーす」

「僕も、いただきます」


 そんな事を話しながら焼き鳥を食べる。

 タレで無く、塩だったけど日本にいた時の何倍も美味しく感じた。


「そういえばオーリー殿達は今日の宿は?」

「僕はここから少し離れた“ヘリスの宿”だよ、コロンも一緒に泊まってて…あ!もちろん部屋は別々だからね!」

「ははは、そうでしたか、ゲンヤ殿は?」

「ん?俺はそこの“ククルガの宿”に「「「!?」」」ん?」

「あそこに泊まるんですか!?お金は!?」

「ん?ああ、それは問題無いぞ?一応金はあるから」

「へ、へー…」

「そう言うムサシは?」

「…それが某、今日の宿がないのです」

「「「ええ!?」」」

「それでできれば、できればで良いのですが、宿を紹介して欲しいのです!」

「「「ええ!?」」」


 おいおい、宿の当てがないって…やばいよなぁ…。


「僕たちのところが確か人が一杯って言ってたし、多分この時間だと他も…」

「そ、そうですか…」


 ガックリと項垂れている…。

 …そういえば、俺の部屋って2人部屋だったような…。


「一応、俺のところ、というより俺が泊まる部屋が2人部屋だからそれで良いなら、良いけど…」

「背に腹は変えられません、ゲンヤ殿がよろしければお願いします」

「俺は良いけど…一応お金には困ってないから、お金は「いや、そこは出します」そ、そうか」

「良かった…のかな?そういえば明日はどうするんですか?」

「俺は子ブリン狩りと薬草取り、後は街の依頼とかかな」

「それなら一緒に行動しませんか?今日みたいなことがあったらと思うと…」


 うーむ…俺は正直団体行動というのが苦手だから1人でやりたいのだが…もし、オーリー達が襲われて死んでしまったりしたら…


(それでしたら、こちらで何かがあればお知らせしましょうか?)


 あ、神託さん…お願いできます?


(もちろんでございます)


 それじゃあ、お願いします。


(かしこまりました、もし彼らに何かあれば近くに転移する事を推奨します)


 了解です。


「うーん…すまんが俺は1人で旅するのが夢でな、あまり人と組むのは苦手なんだ…すまんな」

「い、いえ、大丈夫です」

「んじゃあそろそろ宿に帰るとするか」

「そうですね」


 そう言って席を立ってオーリー達と別れ、ムサシと一緒に宿帰る。

設定メモ

ギルドのランクは冒険者の力や技術、能力のほかに依頼の達成率や冒険者の性格などを基準に決められているが、厳格に位があるわけではなく、上級、中級、下級、初級がある。

年齢は何歳からでも問題無いが、10歳未満は初級にしかなれない。


次回:長い1日の終わり…

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