作品をつまらなく感じるのは他者視点が乱発されたとき。
駄文ですが良ければどうぞ。
こんにちは。時の権能者です。
今回も勝手に創作論?のようなものを語っていきます。
先に予防線を張っておきますが、私は読み専ですので、書く側からすれば的外れなことを言っている可能性もあります。ですが、読者にはこういう考えの人もいるんだな、という理解でお読みいただけたら、と思います。
それでは。
今回は他者視点についての話です。
まず、他者視点ってそもそもなんで挿入されるんだろう?
という話をします。
読んでいる中で考えられた理由としては
①主人公以外の人間の認識を確認する
②主人公視点ではわからない事実を描く
③感情の分かりづらい登場人物の内心を描く
④主人公の敵の内心を見せる
⑤ただのおまけ
ぐらいでしょうか?他もあるかもしれませんが。
これを認識したうえで話を進めますが、作品をつまらなくするような他者視点というのが存在します。
どのようなものか、例を挙げて説明します。
(私に文才がないので文章の稚拙さには目を瞑ってください)
第六話
「あれは…襲われてる!?」
街道の先で豪華な馬車の周りをオークが囲み、騎士の出で立ちをした数人の男が応戦しているのを確認した書く太は、慌てて駆け出した。
「助太刀します!」「すまん!助かる!」
オークの腹に魔法を打ち込み、怯んだところを魔法剣で首を刈った。
騎士たちはその書く太の戦闘技術に一瞬気圧されたものの、すぐに気を取り直して残りのオーク達を仕留めていく。
(中略)
「ありがとうございました。実は秘密裏の視察のために護衛を少なくしていたのです。
それにしても、書く太殿はお強いのですね。オークを屠った魔法剣の技量、感服いたしました。」
シャルロッテと名乗ったこの国の王女は、頬を赤らめながらそう言った。
(略)
第七話
(略)
今日はヒナプロ公爵領に秘密裏に視察に行かなければならないので、少数の護衛とともに移動していました。
しかし、オークの群れに馬車が囲まれてしまい、騎士も二人倒されてしまい、もうダメかもしれないと思ったとき、彼が現れたのです。
彼は魔法をオークに打ち、怯んでいる隙に魔法剣で首を刈り取りました。そのあとも数頭のオークを瞬殺したのです。
なんという技量でしょう!彼はきっと名のある剣士に違いありません!
(中略)
「ありがとうございました。実は秘密裏の視察のために護衛を少なくしていたのです。
それにしても、書く太殿はお強いのですね。オークを屠った魔法剣の技量、感服いたしました。」
彼の名は小説書く太というようです。かっこいい名前です。少し興味が出てしまいました。
(略)
もう読んでいてわかったと思いますが、この第七話、他者視点で書いた意味がまるでありません。
全て既出の情報しかありません。
書く太側の視点ではシャルロッテの頬は赤く見えたけど実は内心余計なことしやがってと怒っていた、とかならまだわかりますが、そういうわけでもない。
ただただ無意味に一話消費しただけです。
同じ話を同じ内容でやるなら他者視点にする必要は皆無です。
私はかなり極端に例を書きましたが、似たような構成の作品は多々見かけます。
楽しみに待っていた更新日にこんなものが更新されていたらブクマを外したくなります。外しませんが。
もう一つ他者視点のデメリットとして、他者視点だと何故かその視点のキャラクターの思考能力が幼稚化する、というのが挙げられます。
おそらく他者視点をわかりやすく書こうとしたり、本編の主人公視点ほど熱心に書いてない、とか色々な理由があるのでしょうが、正直ない方がマシです。
そう言った作品もよく見かけます。
そして、こういった他者視点を序盤でやられると特にデメリットは大きくなります。
理由は言わずともわかると思いますが、導入部分で本編本筋が進まずに足踏みするのはどう考えても悪手だからです。
というわけで作者の皆さん、他者視点、書きたくなるのはよくわかりますが、投稿する前に一度振り返ってみてはいかがでしょうか。他者視点が原因でブクマを外される、なんてもったいないことが起こらないように。
このエッセイが読んだ方々の作品をより良いものにする参考になれば幸いです。
余談ですが、王女の名前って「シャ」から始まること多くないですか?「シャル」という略称を使いたいのでしょうか…?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。