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【あと少しで完結します】狐の嫁入り  作者: タラバ虫
第五章 人間領
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第七十話 「道中」


 長すぎた次は短すぎてしまいました。

 明日から元に戻ると思います…。


 「僕達の村に来ないか?」


 リゲルにそう言われ、今はリゲルの村に向かっている最中だ。

 俺は人化を解き、三人を乗せてゆっくりと飛んでいる。




 「人間って、一枚岩じゃないんだね。」


 リゲルに話しかける。


 「いや、ほとんど一枚岩と言ってもいいと思う。

 僕みたいな思想の持ち主は四ケタも居ないだろうし、それにああいう人間達に淘汰されちゃうからね。」


 大規模なイジメみたいなものか。


 「…そっか。そしたら村とかも襲われちゃうんじゃないの?」


 「そうでもないよ。基本的に僕たちは普通の街とは交流しないし、結構辺鄙なところに住んでるから。」


 リゲルは例外というわけか。


 「辺鄙って、リゲルの村はどんな所なの?」


 「滝壺だよ。」


 ……は?滝壺?滝壺って、滝が落ちるところだよな?


 「滝壺の裏ってこと?」


 「ううん、そのまま。滝壺の中だよ。

 結界が張ってあって、空気を水の中に留めているんだ。ちゃんと換気口もあるんだ。」


 「本当に辺鄙だね。」


 「まぁな。」



 ━━━━━



 「よし、ここら辺で一旦休もう。」


 昼頃になり、お腹も空いてきたので休憩を挟むことにした。

 ゆっくりと減速しながら下降し、大きな木の影に着陸する。

 三人をおろして人化し、腰を下ろす。


 「フォー、バッグから食べ物を出して。…あ、適当でいいよ。」


 「…うん。」


 フォーはバッグの中からサンドイッチと生肉の塊を取り出す。


 「ね、ねぇ、サンドイッチと肉は合わな…」


 「それ!魔法鞄(マジック・バッグ)か!?」


 遮られてしまった。

 …って、マジックバッグってなんだ?


 「マジックバッグって、この鞄のこと?」


 「こ、これ、すっごい高いんだよ!?どうやって手に入れたの?」


 奪ったとは言いづらいな…ここは誤魔化して行こう。


 「あぁ、買っ…」


 「…商人、襲って奪った。」


 おい…。


 「へ、へぇ…ゆ、勇気あるんだね…。」


 引かれたじゃねぇか。


 「そ、それより早く食べようよ…?」


 「そうだよリゲル、こんなのどうでもいいよ。」


 そう言ってディモがサンドイッチを手渡す。


 「うん…ありがとう、ディモス君。」


 そしてフォーにも渡そうと振り向くと、そこには肉を焼いているフォーがいた。

 ずいぶん準備が早いな。


 「肉…もう少し。」


 「フォー…昨日も奪った荷物整理してるとき、隠れて肉食ってたじゃねぇか。また食ったら太るぞ?」


 あの時フォーの姿が見えないと思ったら、そんなことしてたのか。

 実は結構大食いなのか?


 「ん…む……運動する。」


 「ま、俺はフォーが太っても気にしないけどな。」


 もしかして、二人って俺と合う前からこんな関係だったのか?



 ━━━━━



 「んっ…んっ…んっ…んっ…んっ…」


 飛行中の俺の背からフォーの声が聞こえてくる。

 リゲルに様子を聞くと、筋トレ中らしい。

 ちゃんと頑張ってんだな。


 次の投稿は明々後日の夜の九時です。

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