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【あと少しで完結します】狐の嫁入り  作者: タラバ虫
第四章 反撃の狼煙
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AS 第五話 堕落


 少し戻って、翔太が逃げ帰ってから少しあとの出来事です。


 〜南大陸〜


 「くそっ…!なんなんだよ、あいつ!


 南大陸の最北端に位置する、ゲイス王国の王宮の一室で翔太がつぶやく。

 翔太はつい先日、北大陸で自分と同じ転生者を仲間に入れてやろうとしたところを返り討ちにされ、苛立っていた。


 「せっかく、この俺が同郷のよしみで勧誘してやったのに、下手に出てやったのに!…断りやがって…。俺より格下のくせに…!」


 ダン!と忌々しげに机を叩く。

 それから深く重くため息を漏らし、机の上においてあったポテトチップスをバリバリと貪る。

 (想像召喚)で創り出したものだ。


 不意に部屋のドアが開き、若いメイドが昼食を持ってきた。


 「ショウタ様、昼食のお時間です。」


 「あぁ。」


 生返事を返し、なおも片手でポテトチップスを貪りながらもう片手で昼食を受け取る。


 「失礼いたしました。」


 そう言い、メイドが出ていく。

 スタスタと小さくなっていく足音を聞き、メイドが十分に遠ざかったところで、翔太が魔法を発動した。


 「……、(ダストボックス)。」


 (ダストボックス)は、その名の通り魔法のゴミ箱で、中に入れたものをこの世から抹消してくれる魔法だ。

 生き物は入れられないので、攻撃には転用出来ない。


 (ダストボックス)で空間に穴を開け、中に先程もらった、まだ温かい昼食を投げ込む。

 どうやらこの翔太、相当なクズに成り下がってしまったらしい。

 人目につかないところでこの行為に及んだところを見ると、まだ最底辺までは堕ちきってはいないことは分かる。

 だが、それだけだ。


 翔太が気配を感じ、(ダストボックス)をしまう。

 その次の瞬間、再びドアが開いた。

 今の行為を見られていたのでは、翔太の良心がそう思ったが、表情には出さなかった。

 入ってきたのは、ゲイス王国の騎士団の副団長だった。


 「ショウタ様、訓練のお時間です。」


 「…もう、そんな時間か。わかった。すぐ行く。」


 クズでも訓練はサボらないらしい。

 翔太は重い腰を上げ、近くにおいてある装備を持って訓練場へと向かった。


 次の更新は弥明後日です。

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