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【あと少しで完結します】狐の嫁入り  作者: タラバ虫
第二章 子育て
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第十五話 「きっかけ」


 本当にごめんなさい!

 過去一短いです。

 お詫びに連休中の投稿ペース上げるので今日のところは勘弁してください!


 視線の先を騎士が隊列を組んで何処かへと向かっている。

 ざっと数万はいるだろうか。

 ここ数日の間でいろいろな方向から騎士や冒険者が続々と集まっていた。

 それが今日、何処かへと移動を開始したようだ。



 そして俺は、それを見ながら悩んでいた。

 魔法の練習をするか否かを。


 魔法が使えるようになれば、戦い方も一変して戦略の幅も広がるが、実戦で使えるようになるまでどれだけかかるか現段階では未知数だ。


 練習の時間をレベルアップなんかに費やせば肉体的にかなり強くなるだろう。

 しかし、魔法への憧れもある。




 シエラにご飯をあげつつ、数十分ほど考えてようやく決断がついた。

 ちょうどシエラもお腹いっぱいになったころだった。




 俺は、魔法を習得する。




 決断までに時間はかかったが、決断してから行動に移すまでは早かった。

 とりあえず人間の来なさそうなところへ行き、魔法のイメージを膨らませる。

 イメージはこの世界で最初に見たあの水の玉だ。


 強く、強くイメージをするが、魔法の行使どころか魔力が減った感覚すらない。

 そこで、魔力を使うイメージから始めることにする。


 魔力の扱いは簡単にならわかるつもりだ。

 怪我したときにも漏れ出ていかないように制御することはできるからな。

 そのときは傷口から感じる喪失感を無くそうとして止められたんだったかな。

 その逆をやればいいだけだ。

 魔力を喪失させるようなイメージをする。









 ………だめだ。ちっとも無くならない。

 それどころか、動くことすらしない。

 俺の魔力は怠け者だな。はぁ…。


 ため息をつく。

 すると、喉の奥で静電気が飛んだようなバチッという音と小さな痛みが走った。

 ビックリしたせいで唾が変なところへ入り、咳が出た。

 その咳の向かう先には木の間に作った巣の中央で獲物を待ち構えている蜘蛛がいたのだが、その蜘蛛の表面に紫電が走り、ピクリピクリと痙攣して巣から落ちた。

 が、いつの間に糸をつけていたのかスルスルと巣に戻り、あたりを警戒するようにゆっくりと巣を引っ掛けていた木に向かっていった。


 …俺がやったのか?これは。

 そう思ってみると、なんとなく魔力が減っている気がした。

 俺のイメージしていた魔法とは違うが、これは魔法なのかもしれない。


 『魔法(雷咆一段)を獲得しました。』

 

 魔法だ!

 人間と竜では扱える魔法が違うのだろうか。

 まぁ、今は何でもいい。

 これで戦闘にも……


 そこまで考え、ふと先ほどの蜘蛛のことを思い返す。

 あの蜘蛛は、俺の魔法で死ななかった。

 蜘蛛の魔法耐性が異常に高いということもありえなくはないだろうが、今は考えなくていいだろう。

 俺の魔法の威力が弱すぎるのだ。

 これでは戦闘に使ったら逆にすきになってしまう。

 一段から上げないとダメだ。


 今の超鑑定でもそうだったが、使えば使うほど段が上がっていくのだろうか。

 ものは試しだ。やろう。



 すでに日は傾きかけていたが夜になり、シエラがお腹が空いたと泣き出すまで練習を続けた。段は三段まで上がった。

 その頃にはもう俺の魔力はからっぽでヘトヘトだった。

 が、最後の気力を振り絞って先日の戦いからまた集め直した果実を絞ってシエラに飲ませた。


 飲ませ終わってから背中を叩いてゲップをさせ、倒れるように眠った。

 ちなみに寝床はここに来たその日に作った簡易のものだ。

 長居するつもりも無いしな。


 第二章はこれで終わりです。

 第三章からは戦争の話となります。

 人が多く死にます。

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