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【あと少しで完結します】狐の嫁入り  作者: タラバ虫
第二章 子育て
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第十一話 「踊り食い」


 誤字脱字や矛盾などが見られた場合、感想で教えていただけるとありがたいです。


 夕方になった。

 昼間のオークから何も食べていないが、腹は減っていない。この体は低燃費のようだ。

 しかし、腹が減っていないからと言って人間を狩るのをやめるわけでもないのだ。




 標的にしている街は、高い壁に囲まれている。

 だが、中の様子をうかがうのは簡単だ。


 透明なまま空を飛び、上から街を見下ろす。

 夕日に加え、火が至るところでたかれているのでそれなりに明るい。

 街の中心には城ほどではないが大きな屋敷があり、それもまた壁に囲まれている。

 領主が何かだろうか。

 いや、それは関係ない。俺はたった10人程度を狩りに来ただけなのだ。

 領主なんかに手を出すつもりはない。

 ……今のところは。


 思考が逸れたので気合を入れ直し、街から出ていく人を探す。

 


 数分ほどすると、松明を持った人間が4人出てきた。街道を歩いている。

 そいつらを標的とし、少し離れたところに転移する。

 すると、会話が聞こえてきた。



 「夜光草、見つかるかなぁ。」


 「見つけられるように、頑張るしかないだろ。」


 「特徴をおさらいしとくか?

 ええと、夜に淡い光を放つ小さめの花で、よく木の根元に生える。

 木は、ガズラの木に生えていることが多い。

 近くにくると甘い匂いがしてくる。

 こんなところか?」


 「そうね。だいたいあってる。でも、一つ足りないわ。

 近くには魔物がいることが多いから注意って書いてあったでしょ。」


 男二人と女二人で、装備から予測するに男が盾役と剣士、女が剣士と魔術師か。

 バランスが良くて厄介だ。

 だが、最初の一撃で盾持ちを殺してしまえば楽になるだろう。


 考えつつ、4人が森の中に入ろうとしたので、その前に盾持ちを口の中に入れ、そのまま食べる。


 『称号(踊り食い)を獲得しました。』


 会話の途中で仲間がいきなり死んだからか、残りの3人が硬直している。


 「戦闘準備!急いで!」


 リーダーらしき女の声ですぐに得物を構える。

 このまま硬直していればよかったのに。

 と思うが、上空へと飛び立ち、すぐに切り替える。


 俺がどこにいるのかわからないからだろう。

 3人は互いの背を守るように陣形をつくって辺りを見回して警戒している。

 …が、残念。俺は上だ。


 翼の動きを止め、腹で押しつぶすようにして3人を殺す。

 が、この方法は些か抜けがあったようだ。

 殺すことには成功したが、地面に染み込んで食べられなくなってしまった。

 それに、今もだが腹に衝撃が加わってかなり痛い。

 今度からこの方法は封印決定だな。


 『レベルが最大になりました。進化を開始します。』

 『進化先を選んでください。』


 おっと、進化が来たようだ。まぁ、レベルもかなり上がっていたしな。こんなものか。


 頭の中に進化先が浮かんでくる。



 インビジブルドラゴン(進化2、派生1)


 リトルインビジブルドラゴンの進化。

 相変わらず魔法の才能は極めて低いが、進化前と比べると髪の毛一本ほどの差で才能が伸びている。

 素早く飛ぶことができ、力もかなり上がっている。

 このドラゴンの最大の特徴としては、スキル(透明化)の使用中に気配がなくなることと全ステータスが上がることである。

 次の進化可能性は無くはないが、低い。


 エレクトリックドラゴン(進化1、派生2)


 インビジブルドラゴンの派生進化。

 雷の魔法の才能がとても高いが、それ以外は極めて低いまま。

 鱗がとても頑丈なのが特徴。

 このドラゴンの最大の特徴としては、戦闘中に電気を帯びることであり、近づいたものには無条件で電撃ダメージを与える。

 次の進化の可能性はある。

 

 オプティカルドラゴン(進化2、派生1)


 インビジブルドラゴンの進化。

 魔法の才能が少しだけ上がり、努力次第で初級のものならばなんとか使えるようになる。

 スキル(透明化)が対価無しで使えるだけでなく、使用中の力と素早さが上がる。

 また、鱗は衝撃の吸収に優れている。

 このドラゴンの最大の特徴としては4対の翼の下からそれぞれ2本ずつ、計8本の触手を伸ばせることである。

 次の進化の可能性はあるが、この触手は次の進化先次第ではなくなる。



 とりあえず、進化の可能性の低いインビジブルドラゴンは無しとしよう。

 だが、エレクトリックとオプティカルで迷ってしまう。

 エレクトリックの強いところは、雷の魔法が使えることと戦闘中に近づいたものに無条件で電撃ダメージを与えることだ。

 オプティカルの強いところは、インビジブルドラゴンの下位互換だが、スキル(透明化)の使用中に力と素早さが上がること。

 そして、8本の触手で手数が増えることだ。


 どちらも強く、捨てがたい。

 だが、魔法はオプティカルでも使えるし、すぐに使いこなせるとも限らない。

 それに、次の進化でまた魔法の才能の高いやつが来るかもしれない。

 オプティカルにしよう。

 


 そう決めた瞬間、俺は光に包まれた。

 数分は光っていたはずだが、体感的には一瞬だった。

 光が収まると、透明化が解けていた。

 体長が5mほどで、体高は3mほど。

 黒字に緑と赤が混ざっている。

 そしてしっかりと翼の下に触手が生えていた。

 触手は、赤黒い色をしており、限界まで伸ばすとだいたい10mくらいだった。太さは直径30cm前後だ。


 姿を確認したあと、すぐさまスキル(透明化)を発動する。

 その後、もう夜なので周りの安全を確認し、寝ることにした。


 進化先は自分でも迷ってしまったのでスマホアプリのルーレットで決めました。

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