8、卒業
修人とアキラ、二人、歩く。卒業式の帰り道。夜は美香のいる店で、三人で、飲む。
「ふー、卒業、か。早く、卒業してーと、思ってたけどよ、なんか、アレだよなー・・・」
「アレ、か・・・。アキラ、今日、バイト、早く上がるからさ、一丁、やるか?」
「いいねーーー!」
「よーーーし!」
夕方、集まる。修人とアキラと美香。
「良し!これが最後だ!行ったれーーー!!!」
パパパ、パラリラ、パラリラ
「そこのバイク!止まりなさい!止まれ!」
「修人ー!事故んなよー!」
「オメーらもな!」
「行くぞ!コラー!」
二手に別れた二台のバイク。パトカーは修人を追う。
「止まりなさい!そこのバイク止まりなさい!」
修人はかっ飛び、パトカーを撒いた。
「わはは!」
「がはは!」
「あはは!」
久しぶりだった。忘れてた。この三人の、この感じ。俺たちの・・・、一ページ。
「あはは!」
スナック。
「ヨッシャー!飲むぞ!コラー!」
「ウフ。お手柔らかにね」
ママさんが言った。
酔いも回った三人、暴露大会が始まる。
「オイ、美香、オメーの、好だった男、誰だ?暴露しやがれ!」
アキラが叫ぶ。
「ウフ。アキラ?私のこと、好きだったでしょう?」
「何言ってんだ?オメー、アホか!オメー、アホか!」
アキラは仏頂面だ。
微笑む美香。
「修人の好きな女って・・・、どんな女?」
グラスに酒を注ぎながら美香が聞く。
「俺はな、幽霊に、惚れちまったんだよなー。なんてな」
「何それ?」
「冗談だよ!冗談・・・」
「てか、修人ー!」
アキラが修人の胸ぐらを掴む。
「オメー、アレだ!何、落っこってんだよ?大学!落ちんじゃねーよ。オチはどうする?オチは?」
「なんだ?それ?」
「期待させんじゃねーよ!全く!」
「来年も受験するんでしょ?」
「ったりめーよ!一回ポッキリで諦めねーよ!冗談じゃねーぜ!全く!」
物語はまだまだ、続くらしい・・・。




